特集 2018年2月6日

『お菓子やジュースを部活に持っていく中学生』を体験する

全部怒られている写真です。
全部怒られている写真です。
校則の厳しい学校は、休日の部活動に持っていけるお弁当や飲み物にも細かいルールがある。

だが、そのルールをかいくぐってなんとか嗜好性の高いものを持っていってやろうとする中学生がいるそうだ。

そんなことをしていないで練習に集中しろ! と言うことは簡単である。でも一度、我々大人もやってみてもいいのではないだろうか。

部活動にギリギリOKなんじゃないか、と思うお菓子やジュースを持って行き、先生に説明してみた。
1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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中学生は、部活に干し梅を持っていって怒られたりするそうだ

妻が中学校の教員で運動部の顧問もやっているのだが、この間興味深い話を聞いた。部活動の大会に干し梅を持ってきた生徒がいたそうだ。
こういうやつ。コンビニではグミやキャンディの並びで売られている。酸っぱいがお菓子だ。
こういうやつ。コンビニではグミやキャンディの並びで売られている。酸っぱいがお菓子だ。
お菓子やジュースを持っていくのは禁止なので、妻の判断では干し梅はお菓子でNGだ。だが本人は「塩分補給だ」という言い分で堂々と食べていたそうだ。本人の中ではセーフなのだろう。

そういう生徒は先生に呼び出されて、なんで干し梅なんか持って来たのか問い詰められることになる。多分こんな感じだ。
イメージ画像です。
イメージ画像です。
先生:なんで干し梅なんか持ってきたの?
生徒:干し梅がお菓子だと思いませんでした。
先生:これはコンビニでグミとかのすぐそばに売ってるでしょ。お菓子なんじゃない?
生徒:お母さんが買ってきたやつがうちにあったので売り場のどこにあるとか知りませんでした。あと運動中の塩分補給は大事だと思うので、これは持ってきてもいいと思います。
先生:塩分補給がしたいならお弁当にしょっぱいものを入れてくればいいでしょ。
生徒:はい…。
先生:とりあえず干し梅は没収ね。部活終わったら取りに来なさい。
生徒:…はい、すいませんでした。
なんて憎たらしいのだ。そもそもルールのライン際なんか攻めてないで試合に集中しろという話なのだが、何とか大人に反抗したいという中学生らしい発想には大変感銘を受けた。

そしてこちらは大人である。部活動にギリギリ持っていける食べ物飲み物を、レジャーとして調べてもいいのではないか。題して『部活に持っていける飲食物チキンレース』である。

参加者のやる気がすごい

この大会は、先生役と生徒役に集まってもらい、持ってきちゃいけない飲食物についてごちゃごちゃ話し合ってもらう。先生役として参加するのは、筆者の妻である。
中学校の先生。大人を叱るためにやってきました。
中学校の先生。大人を叱るためにやってきました。
そして生徒役の4名はこちら。
なんだ。何部だ。この子達は。
なんだ。何部だ。この子達は。
左から、編集部藤原さん、デイリーポータルZのライターの北向さん、江ノ島さん、筆者である。
「できればでいいのですが、中学生っぽい格好で来てくれると嬉しいです。」と伝えたら皆すごい仕上がりで来てくれた。
北向さんは不良中学生の私服のイメージ。本当は全然こんな人ではない。藤原さんのは当時来ていた体操服。リアルすぎて逆にフィクションに見えてくる。
北向さんは不良中学生の私服のイメージ。本当は全然こんな人ではない。藤原さんのは当時来ていた体操服。リアルすぎて逆にフィクションに見えてくる。
江ノ島さんのジャージは、最近通販で買ったらしいです。
江ノ島さんのジャージは、最近通販で買ったらしいです。
これから叱られるというのにその気合の入りようはとても頼もしい。誰一人運動部に見えないところがとても不思議なのだが、その熱量のままいってみよう。

ルール説明

「ギリギリOKでしょ」という得意顔の生徒と、「お前さあ…」と呆れる先生との絶妙な空気感を味わいたい。ついでに部活に持っていける飲食物はどうやって判断されているのかを聞いてみたい。ルールは下記の通りである。
・生徒役が「これは、こう説明すればギリギリOKだろう」という飲食物を選んでプレゼン

・学校のルールは、食べ物だったら、お菓子・グミ・キャンディがNG 飲み物だったら、お茶・水・スポーツドリンク以外がNG

・先生は、プレゼンを聞いて6段階で評価(OK・注意・没収・親の呼び出し・停部・退部)

・一番中学生らしい、良いラインを攻めた人が優勝
今回は「注意」で済む処置をギリギリセーフとする。ダメそうな飲食物を、いかに「注意」のラインまで持っていくかという勝負である。
今回は「注意」で済む処置をギリギリセーフとする。ダメそうな飲食物を、いかに「注意」のラインまで持っていくかという勝負である。
6段階のジャッジは、あくまでも妻の今までの経験と勤務している学校の事情をベースに判断してもらう。学校全てに通用する普遍的なものではないのでそのつもりでご覧いただきたい。

最後に肝心の、選べる飲食物はこちらである。
これを部活に持ってきてしまったら…と考えながら見ると結構ヒヤヒヤしますね。
これを部活に持ってきてしまったら…と考えながら見ると結構ヒヤヒヤしますね。
飲食物は、事前にデイリーポータルZの皆さんに意見を募って、その中から用意できたものを持ってきた。この中から参加者がピンと来たものを選んでプレゼンできれば、と思っていたのだが楽しくなって全部消化してしまい、各自が近所のスーパーで買い足したものもある。

まずは全ての結果をどうぞ

23品目、一つ一つ生徒指導室で話し合ったり怒られたりした。冒頭の干し梅の問答を23回繰り返したのだ。先生は大変だったろうと思う。まずは結果をまとめたものをご覧いただきたい。
バランスよくばらけた。そして「職員会議」という枠が新設された。
バランスよくばらけた。そして「職員会議」という枠が新設された。
この飲食物、無条件で上のジャッジになるわけではなく、それぞれ持って来た生徒が説明をした結果である。なのでおはぎや節分の豆が「OK」のグループにいるのはかなり頑張った感じがするし、オランダせんべいで親を呼ばれてしまうのはかわいそうな気もする。でも全部それなりの理由があるのだ。グループごとに順番に見てみよう。
<セーフ><イエローカード><レッドカード>の3つのグループに分けて見ていきます。
<セーフ><イエローカード><レッドカード>の3つのグループに分けて見ていきます。

~弁当として食べろ!~ <セーフ>グループ

「OK」か「注意」で済んだグループである。呼び出された生徒はほっと胸をなで下ろして練習に戻ることになる。食べ物を中心に12の品目が入ったが、印象的だったものを見てみよう。

まず気になるのが、冒頭で実際にNGと判断されていた干し梅だろう。
なぜこれがOKだったのか。
なぜこれがOKだったのか。
藤原くん(中学生役なので敬称は「くん」)が持ってきた(という設定)らしいのだが、
藤原くん(中学生役なので敬称は「くん」)が持ってきた(という設定)らしいのだが、
剥き身で持ってきたと言うのだ。
剥き身で持ってきたと言うのだ。
先生:これは何ですか?
藤原:…梅を干したものです。
先生:これだけで持ってきたの?
藤原:はい。
先生:…
藤原:お弁当と一緒にタッパーがあって、開けたらこれが入っていたんです。
先生:…入ってたかー。お弁当にこういう風に入ってるんなら、…ありかなー。売られた状態だとダメだけど。
藤原:家では袋に入っていたと思います。
先生:うーん…
藤原:もしこれがダメだったら「あの先生これもダメだって言ってたよ」って皆に伝えます。
先生:うーーん… まあじゃあお弁当の中の梅干しとして食べるんだったらOKとしましょう。
先生も少し煮え切らない態度だったが、断固としてお弁当のおかずである、ということを主張してOKをもらった。先生を軽くおどす余裕もあってすごい。ちなみにパッケージの状態で持ってきていたら没収だったそうだ。
そして江ノ島くんが持ってきた節分の豆。「豆まいて遊ぼうとするんじゃない!」と怒られそうだが…
そして江ノ島くんが持ってきた節分の豆。「豆まいて遊ぼうとするんじゃない!」と怒られそうだが…
江ノ島:僕はこれはおかずじゃないと思ったんですけど、お母さんが弁当に入れてきてー、
先生:お母さんがね。
江ノ島:だから、僕が持ち込んだわけじゃないんです。
先生:(成分表を見て)豆菓子って書いてあるよ。
江ノ島:あっ、でも、お弁当の時しか食わないんで。
先生:じゃあ、お弁当の時だけ食べるのと、校舎とか校庭にまかないっていうのと、動物にあげなければOKかな。
江ノ島:あ、やったー。
弁当に入っていた、弁当の時しか食べない、と主張できれば危なっかしい食品でもOKをもらえるようだ。でもこれをおかずにご飯を食べるのは結構大変だと思う。

ちなみにポケットの中に豆を入れて練習中に食べていたら親を呼ぶそうだ。息子がポケットに節分の豆を入れて部活動の練習中に食べていたらと考えるとなんか泣ける。
北向くんが持ってきたおはぎも、お弁当として食べるなら特別にOKだそうだ。
北向くんが持ってきたおはぎも、お弁当として食べるなら特別にOKだそうだ。
おはぎなんて思いっきり和菓子じゃないか、と思ったのだが、学校の給食に主食として出ることがあるらしい。生徒にそういうポジションで提供した以上、お弁当でも仕方なくOKかな、という感じだった。これに味をしめてあんみつとか持ってきたら即退部かもしれないので注意が必要だ。和菓子全てが特例なわけではない。
スポーツようかんは先生も知らなかったらしく「え?へーー、はあーー!」となっていた。ちゃんと糖分補給として食べるならOKだ。
スポーツようかんは先生も知らなかったらしく「え?へーー、はあーー!」となっていた。ちゃんと糖分補給として食べるならOKだ。
体操服とマッチしているキュウレンジャーソーセージも、おまけのカードで遊ばなければOK。
体操服とマッチしているキュウレンジャーソーセージも、おまけのカードで遊ばなければOK。
ここまでは「OK」のジャッジだった飲食物。皆食べ物片手に晴れやかな顔で帰ってくる。そして、今回は見逃すが次からはやめてね、と「注意」のジャッジを受けたのがオールブランだ。
まず、絵面が変だ。
まず、絵面が変だ。
持ってきていい悪いの前に「何で持ってきたの?」となる食品である。友達もうらやましがらないだろう。
先生:これごと持ってきたの?
藤原:はい、うちの母が持たせまして。
先生:…これを、そのまま食べるの?
藤原:はい。
先生:これだけで、ボリボリ…
試しに食べてもらった。これだけでボリボリ。
試しに食べてもらった。これだけでボリボリ。
先生:食べ物としてはまあいいんだけど、ただ量がねえ…。
藤原:…
先生:絶対部室帰ったら、これ皆で食べるでしょ。「くれよ」とか言われて手に出して。
藤原:でもそれを言ったら普通のお弁当も「くれよ」って言われて分けてこぼしてたりしますよ。
先生:…そうなんだけどねえ。なんかねえ…。
藤原:風紀を乱しそうな感じがしますか?
先生:うん…。容器に移して、一食分をちゃんと持ってくるならいいよ。
というわけで「注意」だ。ちなみに牛乳は痛みやすいという理由でNGなので、牛乳をかけて食べたらアウトだ。これだけでボリボリ食べればセーフ。
のむとうふも同じく「注意」
のむとうふも同じく「注意」
大会的にセーフなのでガッツポーズが出る北向くん。でも注意はされている。
大会的にセーフなのでガッツポーズが出る北向くん。でも注意はされている。
北向くんが豆腐として持ってきたのむとうふ。飲んだらこってりした豆乳のようなドリンクだった。豆腐自体はいいのだがわざわざおしゃれなドリンクとして持ってくる意味が分からない。抹茶フレーバーも付いてるし、次から普通に豆腐を持ってきなさいと注意を受ける。
<セーフ>のグループのまとめ。お弁当として持って来たしお弁当以外では食べない、と主張することがポイント。
<セーフ>のグループのまとめ。お弁当として持って来たしお弁当以外では食べない、と主張することがポイント。

~態度が悪いぞ!~ <イエローカード>グループ

大会のルールではアウトの飲食物。先生に取り上げられてしまい、部活動が終わったら返却される。もしくは自宅に連絡がいき、父母への説明とともに返却される。悔しい結果だ。数日ショックを引きずりそうである。
まず印象的だったのがこちら。北向くんが持ってきた透明なレモンティー。
まず印象的だったのがこちら。北向くんが持ってきた透明なレモンティー。
北向:なんか、…(飲む)、呼ばれたんすけど。
不良役に徹して、怒られながら飲む。
不良役に徹して、怒られながら飲む。
先生:これは、お水にもお茶にも入らないんじゃないの?(甘いお茶はNGなので)
北向:いや、でもー、ティーって書いてあるんでお茶じゃないですか。しかも、透明じゃないですか。
先生:うん
北向:水なんすよね。
先生:水…。
北向:天然水って書いてある。
先生:いやいや、(成分表を見て)紅茶飲料って書いてあるでしょ。で、紅茶として有りか無しか、って話をしようよ。
北向:うん、紅茶はOKですよね。
先生:それ甘い?
北向:甘くない。
先生:甘くないの?砂糖入ってるよね。
北向:でもスポーツドリンクも糖分入ってますよね。
先生:いやいやいや、うーん…
北向:レモン入ってるんでビタミンCも摂れるし。
先生:うーん、あとで返すから、とりあえず没収ね。
大会屈指のごちゃごちゃしたやり取りになった。透明なレモンティー自体は頑張って説明すれば許してくれそうなものなのだが、不良役に徹しすぎて何しろ態度が悪い。怒られながら飲むし嘘もついた。このレモンティーは甘い。その辺が災いしてか没収されてしまった。繰り返すが、本当は全然こんな人じゃない。
そして筆者が持ってきたひとくちプッチンプリン。
そして筆者が持ってきたひとくちプッチンプリン。
先生:プリンじゃん。
筆者:これ、お弁当に、一緒に入れてたんですけど。
先生:はあー、
筆者:お弁当に一緒に入れてるだけで。シウマイ弁当のアンズみたいなものなんですよ。そういう使い方ができるよって書いてスーパーでも売ってたし。
先生:…うん、じゃあお弁当に1個だけ入れるならいいよ。なんで6個持ってきたの?
確かに1パック持ってきた…
確かに1パック持ってきた…
筆者:…皆のお弁当に入れてあげたら、いいかなと思って。
先生:ほら、そうすると、お菓子パーティーみたいになっちゃうからー
筆者:チームの団結を…
先生:そうやって皆にいいものあげてると、あいつプリン持ってきてくれるぞってなって、次からもっと大きいプリンとか要求されたりするからね。
筆者:いや、そういうキャラクターじゃないんで大丈夫です。
先生:じゃあ、この1個はお弁当と食べていいから、残りは没収ね。
皆に分けるとか変なこと言わなければよかった。自分が食べる分以外は没収という機能的な対応をされてしまった。皆にあげられなかった5個のプッチンプリンを受け取って家路に着くのは寂しいだろうなと思う。

そして次から「親の呼び出し」のジャッジだったもの。ショックがより大きくなる。
江ノ島くんがエクレア持って来た。
江ノ島くんがエクレア持って来た。
江ノ島:エクレアなんですよ。
先生:エクレアだね。
江ノ島:なんか、エクレアって、名前かっこいいなと思って。
先生:名前?
江ノ島:ちょっと、どういうものか分からなくて、名前だけで選んじゃったんで。
エクレアを知らなかった(という設定の)江ノ島くん。
エクレアを知らなかった(という設定の)江ノ島くん。
先生:(成分表を見て)これ、洋酒入ってるよ。
江ノ島:いやでも、うち酒屋なんで。
先生:いやいやいやいや、袋にも「スイーツセレクション」って書いてあるよ。スイーツは分かるよね。
江ノ島:まあ、うん、先生がそう言うんだったらそうなんじゃないですか。(なぜか怒り出す)
先生:生クリーム、ホイップクリーム、チョコレート、洋酒入ってたらお菓子だって分かるよね。
江ノ島:まあでも、それはもうしょうがないっすよ。
先生:これ、帰り道で食べられても困るからお家の人、呼ぶね。
江ノ島:そしたら僕もう、一生これが食べられないくらいのトラウマになりますけど大丈夫ですか?
先生:そしたらフォローはするからさ。これが何か分からなかったみたいなんですって。
江ノ島:うーん…。でも分からなかったから。いや、そうか、はい、ありがとうございます!失礼します!
とにかく「知らなかった」で通そうとし、後半はなぜか逆ギレし始めた江ノ島くん。特に罪が軽くなることもなく、順調に親御さんに連絡されてしまった。知らないものは買わないほうがいい。
江ノ島くんはこの後もカカオ95%のチョコレート効果を「苦いから薬だ」と主張してご両親に連絡されていた。
江ノ島くんはこの後もカカオ95%のチョコレート効果を「苦いから薬だ」と主張してご両親に連絡されていた。
そして北向くんのなが~いさけるグミ。
そして北向くんのなが~いさけるグミ。
北向:なんか、これ食べちゃダメだって、呼び出されたんですけど。
先生:グミだよね。
北向:先生!
先生:はい
北向:見てください。これ、定規として持って来たんです。
定規なんだそうだ。確かに目盛りがある。40センチの定規。
定規なんだそうだ。確かに目盛りがある。40センチの定規。
北向:先生、俺、40センチ測りたいんです!
先生:…本当に定規として使いたいんだったら、定規以外の要素を全て無くして、それで持っておいで。これは、グミだから。
北向:…はい。
先生:じゃあこれ、お家の人に連絡するから、同じ話をもう1回して定規買ってもらえないか相談しよう。
北向:はい。
正論だ。正論怖い。北向さんが一生懸命考えた言い訳が一瞬でねじ伏せられてしまった。明らかにダメなものは何を言ってもダメな感じがした。

そして、そんなに厳しくしなくてもいいんじゃない?というオランダせんべい。なぜこれが「親の呼び出し」だったのか。
こちら。
こちら。
これ、事前にライターの伊藤さんが説明とともに紹介してくれたものなのだ。オランダせんべいがいかに地域の文化と情熱を後世に伝えているかを語る、素晴らしい内容だった。
後で訂正して、子供たちの教養と感性にまで触れている。
後で訂正して、子供たちの教養と感性にまで触れている。
この角度で攻めた生徒は今までいなかった。やってみよう。
熱く先生に語る。
熱く先生に語る。
カンペを見ながら。
カンペを見ながら。
筆者:~~~教育機関としての!中学校の使命なのではないでしょうかっ!
先生:はい。…とりあえず机の下のもの出して。
筆者:え?…(スマホを机の上に置く)
先生:停部ね。2週間。
「停部!?」
「停部!?」
急に停部になった。人は停部になるとこんな顔になるのだ。

オランダせんべいに集中していて気がつかなかったが、ちゃんと説明したいがためにスマホを持ち込んでしまったのだ。停部でも仕方ないだろう。オランダせんべいも、その影響で両親に連絡されることになった。停部のこともその時に伝えるのだろう。
すごく驚いた後、しっかり落ち込んだ。
すごく驚いた後、しっかり落ち込んだ。
<イエローカード>のグループのまとめ。大丈夫そうなものでも説明の仕方や態度が悪かったりすると、ここに入ってしまう。
<イエローカード>のグループのまとめ。大丈夫そうなものでも説明の仕方や態度が悪かったりすると、ここに入ってしまう。

~頭を冷やしてこい!~ <レッドカード>グループ

「停部」のジャッジを受けた<レッドカード>グループは、先ほどのスマホとオールフリーだ。もう特に説明することもないだろう。
オールフリー。「アルコール入ってないんですけど…」と言ったがダメだった。
オールフリー。「アルコール入ってないんですけど…」と言ったがダメだった。
言いながら自分でも分かる。ダメだと思った。言い訳の声がどんどん小さくなった。
<レッドカード>のグループのまとめ。どう考えてもダメなものはどう説明してもダメ。というかよほど心が強くないと言い訳も浮かんでこない。
<レッドカード>のグループのまとめ。どう考えてもダメなものはどう説明してもダメ。というかよほど心が強くないと言い訳も浮かんでこない。

~後で連絡するから!~ <審議>グループ

事前に用意した6段階のジャッジのどこにも入れられなかったものが一つある。
飲むヨーグルトだ。
飲むヨーグルトだ。
藤原くんがオールブランの説明をしている時「これと一緒に食べてもいいですか」と出したものである。牛乳は禁止されているがヨーグルトはOKだ。
先生:飲むヨーグルト… 飲むヨーグルトは飲み物になっちゃうよね。
藤原:でも、オールブランと合わせて食べるために持って来たんです。
先生:うん… ありでもいいような気がするけど。
藤原:…
先生:ありかなあ… これ…
藤原:…
先生:うーん… 飲み物… ちょっと、職員会議で検討します。
一同:おーー!!
唯一の持ち帰り案件となった。22品目に渡って怒られ続けた僕たちだが、ここで一矢報いた感じがする。先生が悩んでいる時の藤原くんのキリッとした表情が頼もしかった。
屁理屈学級委員長。
屁理屈学級委員長。
というわけで、23の飲食物を4人の生徒が持って来て呼び出されたが、一番いいラインを攻めたのは、唯一の「職員会議」を発動させた藤原くんに決定しました!おめでとうございます!
もう一度、やけにオールブランが大きく見えるトリックアートみたいな写真をどうぞ。
もう一度、やけにオールブランが大きく見えるトリックアートみたいな写真をどうぞ。

全員退部だ

事前に案を出し合っていた時点で編集部石川さんがこんなことを言っていた。
!
思う存分やってみて、この言葉に尽きると思った。先生にちょっかいを出して余計な仕事をさせるようなやつは部活のためにならない。退部なのだ。
全員退部だ。
全員退部だ。
でも楽しかった。帰宅部になってしまったけど、これからは4人でマリオカートとかやりたいなと思う。

藤原さんと江ノ島さんがジャージを着ていて、過ごしやすそうでとてもうらやましかった。ああいうジャージ、買いたいと思った。
ちょっとくつろぐと芸人さんの楽屋みたいになる。
ちょっとくつろぐと芸人さんの楽屋みたいになる。
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