特集 2018年2月19日

「冬」の寒さが続くのは今週で終わり!? ~あと出し天気予報

今週はまだ寒気におおわれて寒い日も。でも、この寒気の予想図を見るのも、今季はそろそろおしまい?
今週はまだ寒気におおわれて寒い日も。でも、この寒気の予想図を見るのも、今季はそろそろおしまい?
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:この冬の寒さのピークは過ぎたようです~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

おっ、雨が1滴も降らない……で終わりませんでした

先週は、安定して晴れる日が多く、おかげで予報の成績がひさびさに好調。

気づけば、雨が1滴も降らない一週間。こりゃ予報がラクだ……なんて思っていたら落とし穴。

土曜(17日)午後の、にわか雨を予報できず、ハズレに。

このハズレ、かなりくやしくて、冷たい北風が強まってくる直前に、雨雲がわく可能性があるなぁと頭には浮かんでいた。でも、「空気が乾いてるから雨としては落ちてこない」と考えてしまった。

冬も終わりに近づいて、地上付近が暖まってくると、モクモクっと急に雨雲がわきやすくなる。つまり、この急な雨は、もうすぐ春、という喜びの雨でもある。

もちろん、突然の雨に濡れた人には、喜びでもなんでもないですね……ゴメンなさい!
土曜の雨、頭には浮かんでたのに。大後悔!
土曜の雨、頭には浮かんでたのに。大後悔!

【今週のみこみ】冬の寒さとも、もうすぐお別れです

長かった今年の冬も、ようやくゴールが見えてきた。

今週は、まだ寒い日もあるが、寒気にこれまでの勢いはナシ。極端に冷える日はなさそうだ。
今週も列島は寒気におおわれるが、強い部分はシベリアからあまり南下せず。
今週も列島は寒気におおわれるが、強い部分はシベリアからあまり南下せず。
来週になると、寒気は南下してきても一時的。どちらかというと、南の春の空気が少しずつ勝つようになる。

これまで冬の空気に負けっぱなしだった春の空気が、そろそろ反転攻勢へ。
来週になると、南から春の空気がときどき顔を出す。
来週になると、南から春の空気がときどき顔を出す。
来週は、「おっ、春が近い」という暖かさの日が出てきそう。そう考えると、冬の寒さが続くのは今週までと考えてよさそうだ。

まぁ、来週で3月に入ると「冬」とは言えなくなるので、いずれにせよ「冬」の寒さは今週で終わりなんですよね。コッソリ保険をかけてます。

本当に来週は暖かくなるか?結果は来週!
!
今週の格言
『北風が強まるときに、にわか雨があるのは、地上が暖まって春に近づいた証拠』

詰め天気

前回(2/5)の出題は、「この日は珍しく高知市で10cm近くの雪が積もりました。そのときの天気図はどれでしょう?」でした。
選択肢はこの4つ。
1)
2010年12月31日。気象庁天気図。
2)
3)
4)
正解は「3)の天気図」でした。
2005年12月18日。
2005年12月18日。
この日は、高知市で9cmの積雪を観測。高知市としては観測史上2番目の記録でした。

冬型の気圧配置ですので、ふつうは四国山地などに北からくる雪雲がブロックされ、高知市など太平洋側はよく晴れます。

ただ、この日は、等圧線が北西→南東方向に少しだけ寝ていて、風が北西から吹いていました。

それによって、日本海や黄海でわいた雪雲が、九州と中国地方の間(関門海峡)を抜けて、四国でも愛媛県では雪が降っていたんですね。

しかも、冬型が強いことからもわかるように、上空の寒気が強く、一時的に愛媛県あたりの雪雲が発達して四国山地を乗り越え、高知市周辺にも雪を降らせたんです。

「3)は非常に強い冬型(西高東低)の気圧配置。関門海峡・中国山地・四国山地を超えて雪雲が流れ込んだと想像しました。(おひげさん)」

おみごと!

「太平洋側に雪を降らせる南岸低気圧の時よりも、3のように強い冬型の時が、雪雲が四国山脈を越えて流れ込むのではないかと推察します。(おさかなマイスターさん)」

そうなんです!

「難問かも、というヒントがかえって悩ましいです。(おいちゃさん)」

ですよね。悩ませてごめんなさい!
でも、それも詰め天気のうち!

「中国大陸に「H」、北海道付近に「L」という冬型の気圧配置になっています。本職ではありませんが、格好をつけて「H」「L」を使ってみました(笑)。(メロポンさん)」

先週の質問コーナーを踏まえての解答、ありがとうございます(笑)

今週の定石はこちら。
今週の定石
『強い冬型で、等圧線が少し寝ていると、高知でも雪が降る可能性は否定できず』
今回、正解したみなさんはこちら。

おさかなマイスターさん、みゅーさん、おひげさん、シアーライン。さん、なかちんさん、雄大積雲さん、かまきりさん、野良海豹さん、さいとうちゃんさん、おいちゃさん、イシロさん、あっきーさん、トムさん、けいさん、南松戸さん、メロポンさん、かめのこさん、ずん先生さん、smppさん、naraoさん。

むずかしい問題でしたが、予想以上に正解したかたが多かったです。
正解したみなさん、おめでとうございます!

今週の問題はこちら。

今週の問題

この日は東京で観測史上、最も空気が乾燥しました。 その日の天気図はどれでしょう?

(ヒント)

・まずはノーヒントでいってみましょう。
・ネットでの検索はナシでお願いします!
1)
2010年12月31日。気象庁天気図。
2)
3)
4)
いずれも気象庁天気図。
いずれも気象庁天気図。
解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(3/5)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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