フェティッシュの火曜日 2011年6月28日
 

コスモスの真っ赤な自販機を探して

20年以上前にはこんな光景が全国にあったはず、なのです。
20年以上前にはこんな光景が全国にあったはず、なのです。
今やおもちゃ店のみならず普通のスーパーなどで当たり前に見かける「ガチャポン」(「ガシャポン」「ガチャガチャ」「ガシャガシャ」の地方もあり)。自分がちょうど子供のころに登場し、宝くじというかギャンブル感覚を最初に覚えたのがガチャポンだった気がする。グルッとレバーを回すタイプから大型のものまでいろいろあったけれど、その中でも忘れられないのが「コスモス」の真っ赤な自販機。その頃から約30年近く経つけれど…えっ、まだ現役なの?
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。
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栃木ではまだ立派に生存中!

この「コスモス」の自販機、20代後半から30代くらいの特に男性にとっては懐かしいんではないでしょうか。80年代に全国に2000台から3000台という自販機が設置され、中に入っているのは、ス○イムとか○ービック○ューブとかガ○ダムといった、主に当時流行ったおもちゃのコピー商品。しかし87年に「ビックリマンシール」のコピー品「ドッキリマンシール」が問題化し、裁判となる過程で同社は倒産。いつの間にかあの真っ赤な自販機は消えたと思っていたのだけれど!

ある日、ツイッター上でたまたま友人から教えてもらったのがこのサイト。
おお、このプリプリしたロゴは!
おお、このプリプリしたロゴは!
Tシャツやストラップなどのコスモスのグッズを発売すると共に、かつてのコスモス全盛期の話をブログで発信しているサイト「コスモスProject」。しかもよく読むと栃木ではコスモスの自販機は現役だとのこと!コスモスProjectのナマイさんに連絡を取り、自販機を見せてもらうことに。

最初は「自販機の場所さえ教えていただければ自分で回りますよ」と言ってみたものの、今設置されてる場所はどうやら駅から歩いていける距離ではないらしい。ということで宇都宮駅からナマイさんに車で連れて行ってもらった。ありがとうございます!
帰りにいただいたコスモスグッズ。その他Tシャツなど作られてます!
帰りにいただいたコスモスグッズ。その他Tシャツなど作られてます!
車中でお話を聞いたところ、ナマイさんは別に元コスモスの社員ではないとのこと。「友達とコスモスの自販機がいっぱいある会社をみつけて『かわいいねー』とか話はしてたんです。その後、コスモスの自販機でたまたま買ってみたらお金が戻って来なくて連絡したんですよ。そこが先の自販機があるコスモスの元の子会社だったんです。そこから話が繋がって、友達とお金を出し合ってグッズを出すことにしたんです」ということで、こちらのグッズはコピー品ではございません。オフィシャルです!

最盛期は50社以上の支社を持ち、1000名以上の社員を抱えていたというコスモス。先に書いたとおり本社は倒産してしまったのですが、その後残ったいくつかの会社は継続して残された自販機におもちゃを供給していった。そのうち栃木県宇都宮市にあるヤマトコスモスと、同県足利市の足利コスモスが現在も継続して栃木・群馬地区の自販機の管理とおもちゃ供給を行っているのだそう。

そんな話を聞いてるうちに、車は駅からどんどん離れて郊外へ。高速に乗る直前…の広々としたスポットに着いた。
いかにもな郊外のドライブイン感。
いかにもな郊外のドライブイン感。
まず着いたのが宇都宮インターチェンジ近くの大晃ヤングパワー。高速に乗る直前にある、このドライブイン的スポットの一角にあるそうだけども…。白い建物に目立つこのこの赤い自販機は!
白い建物に真っ赤な自販機!狙ったかのように違和感なし。
白い建物に真っ赤な自販機!狙ったかのように違和感なし。
栃木にある自販機の中では「綺麗な方」だそうです。
栃木にある自販機の中では「綺麗な方」だそうです。
今入ってるのはかつてのおもちゃ…ではない。さすがに。
今入ってるのはかつてのおもちゃ…ではない。さすがに。
現物を見ると「おおおっ!」と心が沸き立ちますね!何年ぶりに見たんだろう…。ヘタすると10数年とか何十年とか?栃木の人からすると「何でそんなに珍しいの?」なのかもしれませんが。

ちなみに中に入ってるおもちゃは、前述したとおり昔は自社工場で制作(といってもコピー品だったりするんですが)してたわけですが、今は他メーカーのガチャポンに入ってるのと同じものを問屋から卸して詰めているそう。スーパーにあるようなやつですね。
何十年ぶりにグッとレバーを引くと…。
何十年ぶりにグッとレバーを引くと…。
出ましたー!200円の子供のギャンブル。
出ましたー!200円の子供のギャンブル。
何でしょう?この写真のが中に入ってる?
何でしょう?この写真のが中に入ってる?
ポケットケシゴ…と思ったら大間違い、この箱にも秘密はあるんですがそれはまたのちほど。
建物にもおもしろグッズ、ファンシーと80年代なキーワードが。
建物にもおもしろグッズ、ファンシーと80年代なキーワードが。
裏にあったこれもまた80年代フューチャー感。
裏にあったこれもまた80年代フューチャー感。

コスモスの新展開は山形から?

今回は宇都宮市を中心に現在も自販機の管理・供給をしているヤマトコスモスの小泉さんにも電話でお話を聞くことが出来ました。現在は栃木県内にこの赤い自販機は約60台が現役で稼働しており、それを2人で管理しているのだとか。ちなみに最盛期は1人で200、300台は担当しなくてはいけなかったとか…。

大晃をあとにして、続いては同じく宇都宮市内の細谷小学校。たしかに車で行かないとどうにもならない距離ばかりだったなあ…。日光まで行けば観光地なんかにあるらしいんですけどね、この赤い自販機は。
おかし店のジュースの並びとは別のところに。
おかし店のジュースの並びとは別のところに。
文字とかもうハゲハゲですが、まだ現役です!
文字とかもうハゲハゲですが、まだ現役です!
台紙はやはり今どきのガチャポンと同様。
台紙はやはり今どきのガチャポンと同様。
買ってみるも在庫なし。残念!
買ってみるも在庫なし。残念!
先に書いたとおり50社近く子会社があったという最盛期のコスモス。本社が倒産し、それぞれの自販機はどうなったのか…というと、もはや横の繋がりもなくそれぞれの行方は分からないそう。仙台ではまだ稼働しているという話があるとか。それにしても機械は20年選手!まだ会社の方には引き取った物や新品のこの自販機があるというから、今からでも置きたいという人は設置可能!

ちなみに最初に買ったおもちゃですが、中身が何か気になりますよね…。でもそれよりもっと気になるのが箱!
箱を開けてみると…
箱を開けてみると…
中身は普通のフィギュアでした。でも…
中身は普通のフィギュアでした。でも…
よく見たら台紙を折って作られてる!
よく見たら台紙を折って作られてる!
ヤマトコスモスの小泉さんによると「何万個とかだと業者に頼むんですけど、そんな数でもないから我々で作ってるんですよ。リサイクルっていうんですかね。意外とウケがいいもんで、週一回まとめて作ってるんです」とのこと。まさかの手作り!

さすがに現在はバカ売れというわけではないそうだけど、たまにテレビなどの取材もあるそうで、その度に売り上げが上がるのだとか。わざわざ東京から買いに来る人もいたり…自分もそうですが。

とはいえ新規で自販機を設置する人はいないよなあ、と思ったら、今度山形県で新規設置+中身のグッズをオリジナルで製作する計画があるのだとか!ご当地グッズ的な感じで展開する予定だそう。20年の時を経て、コスモスリバイバルブームは起きるのか?今後の動きに注目したいと思います!

缶バッチは帽子につけてみた。80年代チック。
缶バッチは帽子につけてみた。80年代チック。

昔のコスモスはすごかった

また当時について知りたい方は、元ヤマトコスモス会長が語るブログ「コスモスは山賊のような海賊だった」をご覧ください。出てくる言葉が「宇宙開発・世界国家…」予想もつかない企業だったことが分かると思います。景気がいいというか、剛気な時代ですなあ。
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