特集 2011年7月8日

仕事の反省文を女子中学生っぽくデコる

女子中学生になった気分で書いてみました
女子中学生になった気分で書いてみました
中学生の頃、女の子たちがよく回していた手紙。ちゃんと見たことはないが、横目からかわいい文字がたくさん書いてあったのを覚えている。

先日、本屋さんでその「かわいい文字」の書き方について教えてある本を見つけた。
本業は指圧師です。自分で企画した「ふしぎ指圧」で施術しています。webで記事を書くことをどうしてもやめられない。(動画インタビュー)


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> 個人サイト ふしぎ指圧

本のタイトルは『かんたん楽しい!デコ技マスター』

みんな同じようなネクタイの緩み具合
みんな同じようなネクタイの緩み具合
ちょっと恥ずかしかったが、面白そうだったので買うのに躊躇はなかった。
1章の扉。こういうノリに久しく触れていないので新鮮に感じる
1章の扉。こういうノリに久しく触れていないので新鮮に感じる

基本の文字デコ

中身は「一度書いた文字をかわいらしく装飾」するやりかたが書いてあった。最初僕は女の子が書く「ん」だか「n」だかわかんないような字の書き方を学べると思ったのだが、そういうことではないようだ。
これが基本の文字デコ
これが基本の文字デコ
練習スペースもある(実際やってみた)
練習スペースもある(実際やってみた)
文字デコ、簡単なやつから難しいやつまで幅広く載っている。この右中央のモコモコした字なんて相当難しい。
「すごくむずかしい」やつは相当練習しないと使い物にならないな、という気がした
「すごくむずかしい」やつは相当練習しないと使い物にならないな、という気がした
こういうのを、練習して(本を買ってまで!)書こうとしている女の子が相当数いるのだ。なんだか胸がキュンとしてしまう。

マークの描き方

文章に添えるちょっとしたマークの描き方も載っていた。ちょっとていねいすぎるんじゃないか…と思うが、こういうマークが描けないとしたら悩みは根深いだろう。
このページ全部すごいんだが「ダイヤが描けない人」に対するアドバイスが特にすごいなと思った
このページ全部すごいんだが「ダイヤが描けない人」に対するアドバイスが特にすごいなと思った
こちらは動物。たしかに女の子の手紙って動物が添えてあるイメージだ。こういうところでみんな練習しているのか。
あんまりこういう表情のクマ見たことない
あんまりこういう表情のクマ見たことない
アスキーアートの描き方指導もある。
これにももちろん練習スペースがある
これにももちろん練習スペースがある
アスキーアートを手描きで描くのを練習するって、一周回っている気がする。描いてみたが、どうも表情が似なくて意外と難しい。オリジナルのイラストじゃダメなのだろうか。

上司への手紙を書きます

せっかく購入して練習もしたので、僕も誰かに手紙を書きたい。しかし、手紙を送る相手もいないし、内容も思いつかない。

そんな折、メールソフトをいじっていたら、5年前くらいに僕が当時の上司にあてた「反省文」の下書きが見つかった。
固有名詞は伏せておきます
固有名詞は伏せておきます
よくわからないと思いますが、反省している雰囲気だけ汲み取って下さい
よくわからないと思いますが、反省している雰囲気だけ汲み取って下さい
当時仕事がものすごく忙しくて、色々な事がうまく回っていない中、顧客に対する見積でミスをしてしまったのだ。

これを重く見た上司は僕に「反省文」を要求。しかし就業中にそんなもの書いているヒマがなかった。そこで、家で文章を作成、会社のパソコンにメールして、体裁を整えて提出した、というわけ。

今見ると「反省文なのに箇条書きで作っているのはなんだか珍しいな…」と思う。

よし、このタイミングでこんなものが出てきたのも何かの縁だ。「反省文」をこの本のやり方に則り、装飾してみよう。

基本のデコ文字を駆使

導入部分はこんな感じ。たしかにデコ技を使うと、なんとなく楽しそうな雰囲気になる。ハキハキ、キビキビと仕事しているような感じにも見える。
8月31の「(・∀・)ゞ」の顔文字が恐い感じになってしまった
8月31の「(・∀・)ゞ」の顔文字が恐い感じになってしまった
文章左下端の「ハートマーク」を書く瞬間、なんだか少しどきどきした。文章の内容と関係なくハートマークは甘い。原文はあんなにしんどい状況で書いたのに、不思議だ。

イラストは大きく

2ページ目はまたちょっと雰囲気を変えてみよう。この本の27ページには大きなイラストをいれるのも効果的、と書いてある。
陽気なクマさん
陽気なクマさん
反省文にイラストをいれるとしたら、やっぱり上司と僕を描くのがいいだろう。したがって、こうなる。
怒っている支店長
怒っている支店長
似顔絵を描いたら、当時のことが鮮明に思い出されてきた。少し嫌な気分になる。そのせいか、文字のデコは少しおとなしめになってしまった。

デコの力配分はむずかしい。女子中学生もそういうことを考えながら手紙を書いたりするのだろうか?当時の案件のことを思い出したり、今どきの女子中学生のことを考えたり、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。

シールを使う

シールを使うのも良い、と本に書いてあったので僕も使ってみたい。ロフト(雑貨屋の)に出かけたら、ものすごい数の手紙用シールが売っていた。
5台のラックが全部シールだった
5台のラックが全部シールだった
これは選べないよ
これは選べないよ
数が多過ぎて、どういうシールを買っていいのか全然わからない。…いや、そもそも、上司にあてる反省文の装飾に適したシールなんてないだろう。えいやっとシールを買った。

そして、シールを使った3枚目はこちら。
「27M」とは2,700万円のこと
「27M」とは2,700万円のこと
ぐちゃぐちゃ。シールを使ったら、画面構成の難易度が一気に上がったように感じた。シールばかり目立ってしまって、文字に目が行かなくなってしまったのだ。しかしそんなに精読されたい文章でもないので、これはこれで正解なのかもしれない。

次が最後になる。文字数はそんなにないのでまたイラストをでかく描いてみよう。シールもたくさん使う。
この「週間計画を堅確に行い」というのは上司の好きな言い回しだった
この「週間計画を堅確に行い」というのは上司の好きな言い回しだった
最後なので「許す!!!」と描いて良い終わり方にしてみた。しかし、実際には反省文提出したあとも、書いた内容をネタにネチネチとやられたんだよなあ…。

僕の吹き出しの周りには、風船のシールをあしらった。これはこの反省文を書いた1ヶ月後に、僕が大阪支店に「飛ばされる」ことを暗示したものである。転勤はサラリーマンにとって最大の関心事だ。ファンシーに表現したらちょっとスカッとしたような気がした。そんなことを求めていたわけじゃなかったんだが、これは発見だ。

きっと女子中学生もつらい恋愛なんかをしたらシールで気持ちを紛らわせたりするんだろう。

デコるの楽しい

反省文を書かされた当時のことがチラチラと気にはなったが、ちまちまと自分の書いた文字を飾り付けるのは楽しかった。大人がやってもちゃんと楽しいのだ。もっと大人の世界のいろんな文章がデコられれば良い。

そして、世の中間管理職の人たちは、あんまり部下に反省文とか書かせない方が良いと思う。どんなきっかけでネタに使われてしまうかわかったもんじゃない。
少し引くとすごく楽しい手紙に見える
少し引くとすごく楽しい手紙に見える
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