ロマンの木曜日 2011年7月14日
 

放流ダムのみつけかた

一度見てしまうと病みつきです
一度見てしまうと病みつきです
ダムと言えば豪快な放流、というイメージの人は多いだろう。

そして、そんな光景を期待して見に行ってみたものの、シンと静まりかえるダムがそこにたたずむだけで1滴の水も流れていなかった、という経験をお持ちの方も少なくないと思う。

そう、ダムは思ったより放流しないのである。でもそれで諦めて興味をなくしてしまうのはもったいない。ちょっと調べれば、豪快に放流しているダムを探すことはできるのだ。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。 個人サイト:ダムサイト

前の記事:「コの字路地探検」
人気記事:「コの字路地探検」


厳密に言えば放流は毎日している
鑑賞難度:★(5つが最難)

最初に「ダムは思ったより放流しない」と書いたけど、実はほとんどのダムは毎日、というか常に放流している。ダムは水を貯めるものだけど、下流の川が枯れないように、一定量の水は常に流さなければならないのだ。

だけど、これがそのダムからの「放流」に見えるところはほとんどない。
堤体じゃないところに開いた穴からじょぼぼぼと流れるこれは僕らが見たい「放流」じゃない(長島ダム)
堤体じゃないところに開いた穴からじょぼぼぼと流れるこれは僕らが見たい「放流」じゃない(長島ダム)
水の出口を上向きにすることで噴水にするというナイスアイデア(真名川ダム)
水の出口を上向きにすることで噴水にするというナイスアイデア(真名川ダム)
真名川ダムの噴水はポンプではなく、ダム湖からパイプを伸ばしてダムに貯まっている水の圧力で吹き上げているので、ダムの貯水量で噴水の高さも変わるらしい。観光客も増えたようでアイデアはすばらしいけど、やっぱり「ダムからの放流」っぽくはない。

そのほか、下流の田んぼや飲み水用の水も必要なときにダムから放流されるけど、わざわざ本体の水門を開けることはほとんどなくて、それ用につけられたバルブから流したり、水力発電所がついているダムでは発電所経由で流してしまう(そのほうがお金になるから)。水力発電は密閉された中で行われていて、少しでも落差を稼ぐために水の出口は水面下だったり何キロも下流だったりするので、やっぱり豪快にざばーと流れ落ちる様子は見ることができない。
ダム脇のバルブから放流してるけどせっかくなら上の水門を開けてほしい(金山ダム)
ダム脇のバルブから放流してるけどせっかくなら上の水門を開けてほしい(金山ダム)
右下の発電所からかろうじて放流されているのが見える(三面ダム)
右下の発電所からかろうじて放流されているのが見える(三面ダム)
しばしば渇水や大雨でニュースになるダムも普段は発電所(右下)から水を流しているだけ(早明浦ダム)
しばしば渇水や大雨でニュースになるダムも普段は発電所(右下)から水を流しているだけ(早明浦ダム)
早明浦ダムは毎年のように大雨や渇水と戦っていて、台風が来ると上についている6門の水門を開けて鬼気迫る放流を見せてくれることもあるけど、日常は本体の横に造られた発電所を経由して、下流のうどん屋に淡々と水を供給している。

というわけで、普段の生活ではダムが豪快に放流している姿を見ることはほとんどない。ではいったいどうしたら、あの迫力のある光景を拝むことができるのだろう。

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓