
観光放流を見ればいいじゃない
鑑賞難度:★★★(5つが最難)
天気や季節にそれほど左右されず、ダムからの放流をいちばん気軽に眺められるのは観光放流だ。
観光放流は、その名の通り観光客向けの観賞用の放流で、発電にも使っていないし、せっかく貯めた水をタダで流してしまうんだからダムにとってはサービスである。でもそれを目当てにお客さんが来るとすれば、経済効果はあるだろう。ダムには1円も入ってこないけど。
日本で決まった日時に観光放流を行っているダムは3ヶ所。中でもいちばん有名なのは何と言ってもやっぱり黒部ダムだ。日本中どこから行くのもちょっと大変だけど、特にダム好きじゃなくても1度は行った方がいいと思う。
6月下旬から10月中旬まで毎日この大迫力の光景が見放題である(黒部ダム)
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真下で見ていると想像以上の水量にずぶ濡れになる(宮ヶ瀬ダム)
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週1日で時間も短いけど量は多く観光客も多い
札幌から1時間の巨大アーチダムも黒部ダムのような放流(豊平峡ダム)
※立入禁止場所から許可を得て撮影
宮ヶ瀬ダムの観光放流は毎週水曜日。平日なのに、時間になるとどこからともなく大勢の人が集まってくる大人気イベントだ。想像よりも水量も多くて大迫力。真下で見ていると全身ずぶ濡れになる。
僕は宮ヶ瀬ダムに心酔しているので、初めて放流を観たとき「宮ヶ瀬様のありがたい御飛沫だ!」などと言って全身に浴びたのだけど、家に帰ったら熱が出て1晩寝込んだ。
...とにかく、時間と場所さえ合わせればほぼ確実に見られる観光放流を見るのはそれほど難しくないだろう。
しかし、およそ3000基近くもある日本のダムの中で、観光放流を行っているのがたった3ヶ所とはちょっと驚いた。全体の0.1%である。では、観光放流をしているダムが近くにない多くの人々はどうしたらいいのだろう。
雪国のダムなら雪融け放流だ
鑑賞難度:★★(5つが最難)
どんなダムでも、大雨が降れば多かれ少なかれ放流を始める。でも「大雨が降る」というのがダム放流の理由ではなくて、大雨が降った結果、川の水の量が多くなるから、それでダムに流れ込んでくる水の量とダム下流の状況を見ながら、最善の状況にコントロールするために放流をするのだ。
でも雨は強くなったり弱くなったりするし、時間帯も選べないから、そういう状況を狙って観に行くのは難しい。しかし、大雨じゃなくても長期間にわたって川の水の流れが増えることがある。それは春の雪融け。
だいたい3月から5月くらいまでの間、豪雪地帯にあるダムには大量の雪融け水が流れ込んでくる。それは貯水池を完全に満たし、それを超えた分はそのまま放流されるのだ。でも大雨のときのような荒々しい放流ではなく、かと言って普段の維持放流のように大人しくもない、ダムにとってはお祭りのような期間と言える。
最初に雪融け放流の存在を知ったのがここで、以後毎年のように観に行っている(奈良俣ダム)
これぞ日本の標準的ダム、というバランスのいい形のダムが豪快に放流(藤原ダム)
豪雪地帯、山形県ではこんな豪快でかっこいいシーンが毎年何日間も無料公開されているのだ(月山ダム)
こんな見事な放流なのに鑑賞しているのは僕1人だった(鎧畑ダム)
ただし、雪融け放流の場合いつ始まっていつ終わるのかが分かりにくい。だいたいゴールデンウィーク明けくらいまでは行われていることが多いけど、その年の積雪や気温の状況によって早まったり遅くなったりすることもある。
このあたり、自然を相手に働いているダムを観に行くにあたっては、こちらも自然の機微を感じ取る必要があるのだ(適当)。