はっけんの水曜日 2011年7月20日
 

「一休さん」で踊りまくるお寺

ものすごいコールアンドレスポンス!愛してる!
ものすごいコールアンドレスポンス!愛してる!
全国的に夏祭りの季節になりました。子供は祭りというだけで当然ハイテンションだし、オトナになったらなったで近所でやってたらノスタルジー的につい覗きたくなる。あふれ出るパッション&地元愛!そんなお祭りといえば立ち並ぶ屋台、そして盆踊り。数年前から「この盆踊りがすごい!」とあるお寺の噂を聞いてました。しかし見れるのは当然ながら年に数日…そしてついに見ることが出来ました!いやー、実際凄かったです。
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。
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お坊さんで「アゲアゲ」って何?

前から気になっていたお寺というのは横浜市鶴見区にある「総持寺」。曹洞宗の本山であり、開かれた禅の道場でもある国際的規模のお寺。故・石原裕次郎さんのお墓があることでも知られています。

もちろん普通に検索すると公式サイトはじめそういった情報が出てくるわけですが、Youtubeで「総持寺」と検索するとまた違った情報が出てきます。夏の盆踊りの風景なのですが、付けられたコメントは「坊主のはしゃぎかたがハンパない」「アゲアゲ」「何ですかこのノリはw?」。何ですかと言いたいのはそのコメントだ。
総持寺の盆踊りでは何が起きているのか?
総持寺の盆踊りでは何が起きているのか?
由緒あるお寺とこのコメントのギャップ。ぜひ見たい!と思っていたのだけど、年に一度(盆踊りは3日間)のことだけについ忘れてしまう。しかし今年はキッチリ手帳に予定も入れてついに見に行くことに。楽しみだな〜。

JR鶴見駅から徒歩数分…も、駅からお寺に向かう祭りモードの家族や小学生グループ、カップルが多いから既に祭りモード。ゆるやかに昇り行く期待感。
大本山總持寺。正確にはこの漢字です。
大本山總持寺。正確にはこの漢字です。
着いたのは盆踊りが始まる5時半。まだ明るい。
着いたのは盆踊りが始まる5時半。まだ明るい。
屋台も賑わっておりますよ。
屋台も賑わっておりますよ。
自分が行ったのは盆踊り3日間の中日。地域柄か、世代的に流行ってるのか分かりませんが、甚兵衛姿の女の子が多いですね。いつ来ても思うけど、横浜って東京に比べてどこか南国っぽい。
プッロシ…いまだに一瞬悩む。答えは「シロップかけほうだ(い)」。
プッロシ…いまだに一瞬悩む。答えは「シロップかけほうだ(い)」。
名人、鶴見に降り立つ。
名人、鶴見に降り立つ。
猿も降り立ちました。大受けです。
猿も降り立ちました。大受けです。
都心のバカでかい花火大会よりは地元感高く、土地の人に愛されてるのがよく分かる雰囲気。特に小中学生が盛り上がってる感じが見てとれる。彼らにとっちゃ夏休みのビッグイベントだったりすんだろなあ、ロックフェスとか海外旅行なんかより。

屋台が居並ぶ道を通り抜けると巨大な「三門」。混雑した屋台前を抜けてきたお客さんが溜まってる。
屋台で買ったリンゴアメをこういう所で皆で食べたり。青春っすな!
屋台で買ったリンゴアメをこういう所で皆で食べたり。青春っすな!
ここをくぐると総持寺盆踊り会場!もともと駐車場だけに広々です。まだちょっと明るいですが。
そして盆踊り会場。まだ明るいのもありムードはほんわか。
そして盆踊り会場。まだ明るいのもありムードはほんわか。
幼稚園の子供たちの盆踊りタイムでした。うちわが揃いでかわいい。
幼稚園の子供たちの盆踊りタイムでした。うちわが揃いでかわいい。
早い時間は幼稚園の子供たちがやぐらを中心に輪になってキャッキャと盆踊り。外の輪からは親御さんたちのカメラが狙う。

そしてその中心のやぐらの上ではお坊さんたちがお手本の踊り。毎年恒例のことなんでしょうが、子供達以上にキッチリ踊ってらっしゃる。ちょうどかかっていたのは「どうぶつ音頭」などなど、やや子供向けの音頭だけに振り付けがかわいい。子供でなくっても!
ねこはにゃんにゃん♪いぬわんわん♪
ねこはにゃんにゃん♪いぬわんわん♪
ほっぺ、ほっぺ♪とマイクで指導しつつの盆踊り。
ほっぺ、ほっぺ♪とマイクで指導しつつの盆踊り。
ただ、一見ふつうに見える子供たちとの盆踊りで違和感を感じたこと。「次は『一休さん』でーす」と先生がマイクで次の曲を紹介した直後、客席が「ザワザワッ」とすること。先の動画検索を見ても「一休さん」は何かキーワードなようだが…。ちなみに幼稚園児の「一休さん」はつつがなく、愛らしく終わった。

それにしても総持寺はやはり本山だけあってお坊さんの数が多く、浴衣を着て踊りの指導してる人もいれば、Tシャツ姿の飲み物食べ物の人も。いわゆる「お坊さん」のイメージからするとみなさん若いのもあって、どこか学園祭のようでもあり。
物販のみなさんは禅Tシャツ。
物販のみなさんは禅Tシャツ。
中でもわたがしが人気。
中でもわたがしが人気。

人一倍躍動的なお坊さんたち

さて幼稚園児たちの盆踊りタイムが一区切りし、保護者たちの元に戻ったところで今度は大人参加の盆踊りタイム、すなわち本番!やぐらを囲むのは一般のお客さん、その周辺に踊りをリードするお坊さんたちが配置されてるんですが…その盆踊りがやたらと躍動的なのです。
拳を上げる感じがやたらアッパーです。
拳を上げる感じがやたらアッパーです。
幼い女の子さえ喜ばすその舞いっぷり。
幼い女の子さえ喜ばすその舞いっぷり。
あまりに動きが良くてお坊さんだけブレちゃう。
あまりに動きが良くてお坊さんだけブレちゃう。
輪の中に入るお客さんたちは踊りをキッチリ覚えてるわけではないので、他を見つつマネしつつ…となるのもあるとはいえ、写真から見てもお坊さんたちの元気溢れる踊りが伝わるだろうか。

ちなみにやぐらのマイク担当の人が踊りを指導してくれるのだけど、それがとても上手い。手を大きく上で丸くするのは「お月様」、つま先をつけるのは「右ちょん、左ちょん」。炭坑節だと「掘ってー掘ってーまた掘ってー」と曲に合わせた動き説明。基本的に盆踊りは一定のパターンをループする踊りなので、やってるうちにかけ声だけで覚えていくのだけど、それにしても覚えやすい。
やぐらの上からのマイク、これが指導+いい煽りなのだな。
やぐらの上からのマイク、これが指導+いい煽りなのだな。
お坊さんの動きの良さにお客さんもつられていく。
お坊さんの動きの良さにお客さんもつられていく。
盆踊りでかかる曲は花笠音頭、炭坑節など6曲くらいが繰り返されるのだけど、そのうちの一曲が「次の曲は…」と紹介しただけで「キャー!」と声がかかるほどの人気曲だ。それはさきほども妙に期待感を煽っていた「一休さん」!やはりこの曲だけが違う。

そういえば後ろのお客さんも「『一休さん』だけは踊る人が増えるのよね」と話していた。そのくらいこのお寺の盆踊り定番なのだ。いったいどんな踊りかというと…。
どこか動きには可愛げがあって、やぐら下のお客さんも楽しんでいるのがよくわかる。そもそも「お坊さんが『一休さん』を踊っている」という時点でどこかコミカルでもあり、納得というか、妙な味わいがあるのだけれど。
暗くなるとやぐら周辺のライトがまた華やかに彩る!
暗くなるとやぐら周辺のライトがまた華やかに彩る!
しかしこの『一休さん』、また別の音頭を何曲か挟み、再び同曲がかかるとさっきよりパワーアップした盆踊りになってる。ずっと見てると盆踊りが進み、暗くなっていくにつれどんどん盛り上がっていくのが見ていて分かるんですよね。先の動画と比較してご覧ください。
曲も振り付けもほぼ同じだけど、マイクも踊りも全体的にお坊さんたちの気持ちが盛り上がってるのが分かるだろうか?特に「あ〜、あ〜、南無三だ〜」の溜めからのジャンプ!そして客席もわっせわっせ、とんちんかんちんと走り回る。
どんどんお坊さんとお客さんの一体感がすごいことに。
どんどんお坊さんとお客さんの一体感がすごいことに。
これほど盆踊りでみんなが楽しんでる光景見たことないかもしれない。やらされてる感ゼロというか。ちなみに合間にやぐらの上から「お坊さん声出てないよー!」「オー!!」というやりとりが。いやいや、こんなやる気満々のお坊さんと盆踊りは初めてです!

木々に包まれた会場もすっかり暗くなり、終了時間が見えてきたところでマイク担当のお坊さんが「ラストに向けて盛り上がっていきましょう!」とアジテートする。パーティ(と言った方が近い気がする)は終わらない!もちろん曲は…一休さん!
お坊さんたちのブチアゲ感がもう見てて楽しい。
お坊さんたちのブチアゲ感がもう見てて楽しい。
それにお客さんも応えて跳ねたり歌ったり!
それにお客さんも応えて跳ねたり歌ったり!
しかも終盤は『一休さん』が終わるたびに「ここまで?からの?」「切り上げたいんですけどー!」とマイクがもったいづけたり期待させたりと、会場を煽る煽る。そして、自分の数え間違いでなければラストは5曲連続で『一休さん』が会場に鳴り響いた。しかも終盤は飛び跳ねるのはもちろん「愛してる!」コールまで。こんな盆踊り見たことない!そりゃ明るいうちにあちこちで感じた「一休さん」への期待感、それも分かるってもんです。
なんかもう夏、大爆発です。まさかのお寺で。
なんかもう夏、大爆発です。まさかのお寺で。
いわゆる「踊り」と「盆踊り」ってどこか別物のように思っていたけど、ここまで盆踊りってエモーショナルに楽しめるもんだとは…。これまで言い方悪いけど黴臭いもののように感じてた盆踊り。次機会見たら試しに輪に入ってみたくなりましたよ!この総持寺の盆踊りがいろんな意味で別格だとは思うんですが。

帰りの屋台は大混雑。隙間なし。
帰りの屋台は大混雑。隙間なし。

東京だとまた違うんですかね

最後の動画に見るような一体感ある盛り上がりっぷりはどこか「横浜っぽい」気もしますね。カラっとハイテンション!

総持寺
神奈川県横浜市鶴見区鶴見2−1−1
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