フェティッシュの火曜日 2011年7月26日
 

ロールステーキを作ってみよう

「ミルカツのステーキ版」といった認識で大丈夫ですか?
「ミルカツのステーキ版」といった認識で大丈夫ですか?
ロールステーキをご存じだろうか?
私はつい最近その存在を知ったばかりだが、知れば知るほど頭が混乱する食べ物である。

というのも、ウィキペディアによるステーキの定義は、基本的に「肉などを厚めに切って焼く料理」であるのに対し、ロールステーキは「薄切り肉の寄せ集め」なのだ。果たしてそれってステーキと言えるのか?

いやいや、ハンバーグだって正式名称はハンバーグステーキだし、タルタルステーキなんて物も存在する。ってことは、あっていいのかロールステーキ。うん、いいのかも…。

しかし、まずはどんなシロモノなのか確認しなければなるまい。話はとにかくそれからだ。
1968年秋田県生まれ。食べたり飲んだりしていれば概ね幸せ。興味のあることも飲食関係が中心。もっとほかに目を向けるべきだと自覚はしています。

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ほほう、これが…

私がロールステーキの存在を知ったのは、某カタログギフトをニヤニヤしながら見ている時のことだった。
こういうカタログものって、選んでる時が一番楽しいです よね。あっという間に2時間とか過ぎててビックリする。
こういうカタログものって、選んでる時が一番楽しいです よね。あっという間に2時間とか過ぎててビックリする。
「すきやき肉にしようか」「いやいや、ここは海産物で攻めるのも手だよ」「え、まさかのスイーツ?」と、大きな独り言を言いながら選ぶ作業のなんと楽しいことか。
そして、肉のコーナーにロールステーキは唐突に現れた。
そして、肉のコーナーにロールステーキは唐突に現れた。
なんだこれ。
なんだこれ。
すき焼き、焼肉、しゃぶしゃぶ、黒豚に続いていきなりロールステーキである。本物のステーキより先に登場ってどういうことだ。

最近、外食の機会がめっきり減った私が知らないだけで、もしかして世間はとっくにロールステーキを認知しているんだろうか?

そういえば、編集部の古賀さんも「生協のカタログをみて気になってました!」と言っていた。

なんだなんだ? ロールステーキってのはカタログ界から一般家庭への侵食を狙っているのか?

とりあえず巻こう

とにかく、実際にロールステーキなるものを食べてみないことには始まらない。が、スーパーの精肉コーナーでは見たことがない。

となると、やはり自作しかないでしょう。
しゃぶしゃぶ用の牛肉(まぁまぁレベル)を買ってきまし た。重ねるんなら薄い方がいい。
しゃぶしゃぶ用の牛肉(まぁまぁレベル)を買ってきまし た。重ねるんなら薄い方がいい。
薄い(約1ミリ)せいか、広げるのも一苦労。
薄い(約1ミリ)せいか、広げるのも一苦労。
なんとかクルクルと巻いて…
なんとかクルクルと巻いて…
幅がありすぎたので3等分しました。
幅がありすぎたので3等分しました。
今回、肉に必要なのは幅より厚み(何枚巻けたか)である。というわけで、肉は3等分に切って使うことにした。
手の熱で脂が溶けるため箸も使用。ああ、このままサッと 火を通して食べてしまいたい…のをグッと我慢。
手の熱で脂が溶けるため箸も使用。ああ、このままサッと 火を通して食べてしまいたい…のをグッと我慢。
どんどん厚みが増していきます。
どんどん厚みが増していきます。
ここで24枚の肉(8枚を3等分)を使い切りました。
ここで24枚の肉(8枚を3等分)を使い切りました。
横から見ると、こんなかんじ。に、肉の花や…。
横から見ると、こんなかんじ。に、肉の花や…。
溶けた脂がキラキラと輝き、なにやらとんでもなく美しい…ようなグロテスクなような。
目を細めるとハンバーグのようにも見える。
目を細めるとハンバーグのようにも見える。
直径8センチ、厚さ2センチの立派な肉塊が出来上がった。これか、これがロールステーキか…と、食べる前から何やら感慨深い。というか満足度が高い。

これを半分に切って焼きたいのだが、どうにも全体にグネグネと柔らかく、うまく切れそうになかったので、少し冷凍庫で冷やすことにした。
なんとか硬くなってくれました。
なんとか硬くなってくれました。
スッと刃が入ります。
スッと刃が入ります。
断面図も美しい。思わず「わー、なんて上等な霜降り 肉!」と錯覚するレベル。
断面図も美しい。思わず「わー、なんて上等な霜降り 肉!」と錯覚するレベル。
ジューッと焼いていこう。
ジューッと焼いていこう。
パッと見「立派なお肉!」が出来上がってしまい、まんざらでもないが、肝心なのは見た目より味だ。

さて、実際のところ、どうなんだろう。
では、ナイフを刺し…さ、さ、刺さらない。
では、ナイフを刺し…さ、さ、刺さらない。
まだ一口分も切り取れてないのに、この台無し感。
まだ一口分も切り取れてないのに、この台無し感。
やっと切り取れました。成形とかした意味がない。
やっと切り取れました。成形とかした意味がない。
うん、なんというか、柔らかい。というか柔らかすぎる。ステーキにここまでの柔らかさは誰も求めていないんじゃないのか?

あ、味はまったく普通のステーキと変わりません。
中心部に行くに従いレア状になり、ますます柔らかく。
中心部に行くに従いレア状になり、ますます柔らかく。
最終的に、肉を一枚ずつ剥ぐように食べていた。しかしこれって、ステーキの食べ方じゃないような…。もっと火を通すべきだったのかもしれない。

牛以外ならどうだ

薄切り肉を重ねるだけなら、なにも牛に限らず他の肉でも出来るだろう。
というわけで、豚しゃぶ用の肉と、バラ肉を用意。
というわけで、豚しゃぶ用の肉と、バラ肉を用意。
さっきの牛でだいぶ学習したので、巻き方についての自信はある。

…と、脂が溶けないように箸を用意していたのだが、豚の脂は溶解温度が高いのか、肉がそれほどテラテラせず、だいぶ作業がしやすかった。
部位の違う肉を使うことで、本来ありえない肉塊を作って やろう、という魂胆。
部位の違う肉を使うことで、本来ありえない肉塊を作って やろう、という魂胆。
牛ほど軟らかくないので作業もしやすく、どんどん進みま す。
牛ほど軟らかくないので作業もしやすく、どんどん進みま す。
さらに合間に「合い挽き肉」を入れ、何でもあり感を高め たら、
さらに合間に「合い挽き肉」を入れ、何でもあり感を高め たら、
勢いに任せて、鶏の皮も用意しましたよ。
勢いに任せて、鶏の皮も用意しましたよ。
最後に鶏皮で巻き(結婚式の披露宴などで出てくる、ベーコンに巻かれたステーキをイメージ)、こちらも切りやすいように冷凍庫で冷やした。

ああ、楽しみ度でいえばこちらの混合ロールの方が、牛100%を上回る。いったい、どんな断面図になってるんだろう…。
キ、キレイ!(打ち上げ花火の断面図っぽくもある)
キ、キレイ!(打ち上げ花火の断面図っぽくもある)
こちらの方が圧倒的に華やかだった。

豚モモ肉・豚バラ肉・牛豚合い挽き肉・鶏皮と、3種の肉の別々の部位がいま、こうしてひとつのロールの中に巻かれている。

なんだこれ。肉の宇宙かなにかか。
まず鶏の皮部分を焼いてから、表面をジューッ。
まず鶏の皮部分を焼いてから、表面をジューッ。
だいぶ縮まったなー。
だいぶ縮まったなー。
せっかく鶏皮で表面を巻いているのだ。ここをカリッとさせ、脂を出さないと意味がない。

そのせいか、焼いてる時の匂いが「なんかよくわかんないけど、いい匂いがする!」としか言いようのないものだった。

今回はさすがにレアはまずいので、フタをしてしっかりと火を通す。
うひゃー、いい匂いすぎる!
うひゃー、いい匂いすぎる!
どれどれ、中はどんなかな…?
どれどれ、中はどんなかな…?
牛の時と違い、ナイフはスッと入ったが、そのあと「ギャーッ!」と絶叫してしまった。

原因はこれである。
肉汁が、どんどこどんどこ溢れ出るんですよ!
肉汁が、どんどこどんどこ溢れ出るんですよ!
わかりますか、この量!
わかりますか、この量!
思わずうろたえたが、実はこの3種類の肉を同時に口に入れるのは初めてじゃない。以前「仲間を食べる」という記事を書いた時に経験済みなのだが、その時も肉汁の多さにギャーギャー喜んでいた。

そして、このロールがどんなにおいしい物かも、既に知っているのである。
3種類が合わさった塊は、そりゃもう鉄板でウマイです
3種類が合わさった塊は、そりゃもう鉄板でウマイです
もう拍手するしかない。バツグンの安定感。
もう拍手するしかない。バツグンの安定感。

おもしろい食べ物でした

「ああ? ロールステーキだあ?」と当初は懐疑的だった私だが、実際に食べてみて、おもしろい食べ物だと思った。

そして、どうせ食べるなら出来上がった物を買ってくるよりも、自分で好きなように、好きな物を巻いて作るのがいいと思う。チーズや野菜を間に挟んだりしたら、さらに楽しそうじゃないか。

考えてみれば、肉団子もハンバーグも、一度細かくした肉を再集結させることで旨味が増した料理であり、ロールステーキにもそれは当てはまるだろう。まだまだ可能性を秘めた調理法として、頭の片隅に留めておきたい。
というわけで肉は満足したので、今回はカニかフグにしよ うかな…
というわけで肉は満足したので、今回はカニかフグにしよ うかな…
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