はっけんの水曜日 2011年8月31日
 

お茶が飲めて鷹も買えるお店に行ってみよう

こんないい目つきの鷹がお待ちしてます。
こんないい目つきの鷹がお待ちしてます。
最近イヌやネコといったペットを連れて入店可、というカフェをよく見る。しかし三鷹に「鷹を連れて入店可」さらに「鷹も買える」というカフェがあった。正確に言えば猛禽類全般だそう。以前こういう記事を書いて以来興味があった猛禽類。もっと身近に、軽い感じで見れそうなお店に行って来ました。
1972年佐賀県生まれのオトナ向け仕事多数のフリーライター。世間の埋もれた在野武将的スゴ玉の話を聞くのが大好き。何事もほどほどに浅く広く、がモットー。

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三鷹だから鷹、じゃなくて鷹だから三鷹

鷹を連れてこれるカフェがあるのは東京都三鷹市。鷹だけに三鷹、ということだろうか?場所は三鷹駅からてくてくと徒歩15分、全国的に有名なジブリ美術館の近くにあるらしい。
これのさらに先を進むと…。
これのさらに先を進むと…。
おお、窓越しにこちらをにらむ猛禽類。
おお、窓越しにこちらをにらむ猛禽類。
こちらが今回お目当ての「鷹匠茶屋」。外からも鷹が覗けます。
こちらが今回お目当ての「鷹匠茶屋」。外からも鷹が覗けます。
ランチは500円から。800円のカレーなんかも。
ランチは500円から。800円のカレーなんかも。
そしてハヤブサやホークは…さすがにランチ価格じゃない。
そしてハヤブサやホークは…さすがにランチ価格じゃない。
500円のランチから数十万円の鳥までというラインナップからしてインパクトある鷹匠茶屋。今年5月に移転オープンしたばかりとあって、外見も店内もきれい。しかしふと横を見ると…鷹!ハヤブサ!やはり犬や猫とは存在感が違う。目つきがもう男前だもの。
壁に猛禽類関連の絵やポスターが飾られた店内。
壁に猛禽類関連の絵やポスターが飾られた店内。
鷹匠向けの道具や小物なんかもあるけども…その奥に!
鷹匠向けの道具や小物なんかもあるけども…その奥に!
鷹・ハヤブサ部屋がありました。全部見えないけどこの日は3羽。
鷹・ハヤブサ部屋がありました。全部見えないけどこの日は3羽。
動物園に行けば鷹も鷲も見れるけど、こんなカジュアルに目の前で見れるところはなかなかない。こちらのお店や猛禽類全般について話をうかがったのは店長の佐々木さん。鷹匠としては40年以上の歴を持つ大ベテラン。ブリーダーや東京都の鳥獣保護員をやってるのもあり、家には常に30羽くらいの猛禽類が常にいるのだとか。
−−こちらのお店はもうどのくらいやってるんですか?

「5月にこの場所に移転したんですけど、7年前からもうちょっと三鷹駅寄りの場所でやってたんです。最初は市と商工会議所の観光スポットとしてやってたんですけど、お客さんが増えすぎちゃって」

−−そんなに鷹に関心ある人が多いんですか?

「前の場所は今より狭くて、鷹匠やってるお客さんだけでいっぱいになっちゃうんですよ。それに一般のお客さんも覗きに来るとホント混雑しちゃって。それで場所を移したんです」

−−今はお客さんはどういう方中心なんでしょう。

「平日だとお昼は近所のオフィスのランチとか多くて、それ以外の時間だと動物好きな人。休みだと鷹飛ばしにくる人とかも来ますよ」

−−え、この辺にそういうスポットがあるんですか?

「井の頭公園の西園のところで土日飛ばしてる人いますよ。その前や後とかで来る人多いです。多い時だと7、8羽はいますね。店内のあちこちに停まってます(笑)」
今回お話うかがった佐々木さん。左手の鷹が絵になる!
今回お話うかがった佐々木さん。左手の鷹が絵になる!
まさにドッグカフェならぬ鷹カフェ。この日は平日でランチ後の時間とあってお客さんは犬連れのお客さんひとり(鷹以外もOKなのです)でしたが。

話を聞いたところそもそも市と商工会議所と共に協力して始まったそうですが、なぜ「三鷹で鷹」なんでしょう。ぶっちゃけダジャレ?
「もともと井の頭公園(三鷹市と武蔵野市に跨る都立公園)って将軍が鷹狩りする場だったんですよ。新宿御苑や浜離宮もそうですね」

−−三鷹の由来がそれだったんですね。

「だから市役所とかに『鷹塚』もありますしね」

−−さっき井の頭公園西園で飛ばしてるっておっしゃってましたけど、それは市が「猛禽類が飛ぶ街」とかで押してるとか?

「そういうわけじゃないんですけど(笑)。他の公園とかでも大丈夫なところはあるんですけど、他のお客さんの目とか考えると難しかったりするじゃないですか。それでここに集まる事が増えましたね、都内だと」

−−こちらのお店もあるし。

「猛禽類専門でやってる店って日本に10軒程度なんですけど、飲食やりながらってのは世界中探してもここだけみたいです(笑)」
こちらがレッドテイルホーク。
こちらがレッドテイルホーク。
こっちはセイタカハヤブサ。目がくりくり。
こっちはセイタカハヤブサ。目がくりくり。
たしかに考えてみれば「三鷹」って名前からすると由来がありそうなもんですね。しかし実際に「鷹が見れるスポット」があるとは思いませんでした。

イメージ=獰猛、でも実は動かない

そして気になるのが、店頭にも値段があるとおり、こちらのお店では「鷹やフクロウが買える」のです。
−−こちらで鷹やフクロウも買えるそうですが…。だいたい値段っていくらくらいなんですか?

「小さい奴だと10万円くらいから、最高級だとン千万って感じですね。うちでそういうのも買えますけど、そこまでお金出す人はいないですね」

−−どうしてもイメージだと「獰猛」「危険そう」ってのがあるんですけど、飼うのは難しいんですか?

「いやー、犬や猫より楽かもしれない。頭いいですから。最初手順さえきちんと踏めば、やっちゃいけない事は覚えます」

−−そうなんですか!あと家の中をばっさばっさ飛んだら面倒そうな…。

「だいたい(止まり木に)止まってますから。猛禽類は待ち伏せの狩りなんで、動かないことに馴れてるんですよ。だから一畳分スペースがあれば大丈夫です」
忘れかけてますがちゃんとカフェですからメニューも。
忘れかけてますがちゃんとカフェですからメニューも。
メニューも猛禽類よりの名前です。
メニューも猛禽類よりの名前です。
たしかに取材中、3羽の鳥たちはじっと止まり木に止まったままで、合間に数回鳴いたくらい。鳥ということで文鳥とかインコみたいなイメージで考えてたんですが、ぜんぜん違うんですねえ。たしかにおとなしい。

スペースもそんなに取らないということでマンションで飼ってる人も多いそう。おお、ならばあとはお金さえクリアすれば飼ってみたい!という人も多いでしょう。しかしこんなハードルがあった。それは寿命!
「ただ、軽々しくは買えないというのが、この辺の店にいるので寿命が25年か30年くらいなんです。イヌワシやオオタカになると60年なんてのもいますから」

−−飼うのも一生モンですね!

「寿命の話をすると、デカいの欲しい人はみんなドンビキしますね(笑)。自分が死んだ後に面倒みてくれる人もいなくちゃいけないし」

−−じゃあ犬や猫と違って変わった種類とか飼おうと思ったら…。

「イヌワシなんか『特定危険動物』扱いなので、動物園ばりの施設がないと飼えないからマンションで飼えるレベルじゃないですね。逆に小さいフクロウなんかだと日本の気候に合わなかったりして。結局ハリスホークやレッドテールホーク、チョウゲンボウみたいな無難なやつになりますね」
飼い始める人は爬虫類や両生類から猛禽類にシフトする人が多いのだとか。爬虫類などだと何かを覚えたりといったコミュニケーション要素が薄いので、育てがいを求めて猛禽類に行くのだとか。

たしかに前に取材したエキゾチックアニマルの即売会・東京レプタイルズワールドでもなぜか猛禽類だけはいたなあ、他の鳥はいないのに。「どうせ飼うならちょっと変わった奴」枠なのだろうか。いまさら犬猫じゃないし、みたいな。
そしてハリスホーク。なんかもうイケメン枠、て感じですね。
そしてハリスホーク。なんかもうイケメン枠、て感じですね。
この店に来たのがきっかけだったり、徐々に飼う人は増えているという猛禽類。しかし「野生の猛禽類」もまた見る機会が増えているのだという。しかも都心でも!
「最近都心に増えてるんですよ。今の山ってどこも植林されてるのでエサになるような動物がいないんです。だから都心に来てドバトとか野鳥、ネズミとかを獲って住み着いたりしてるのも多いですよ」

−−環境に適応していってるんですね。

「猛禽類は生命力強いし、頭がいいから適応する工夫をしていくんですね。たとえばオオタカはもともとアカマツに巣を作るんですけど、酸性雨でどんどん枯れてるんです。それで杉の木でも作るようになってます」

−−都心だとどの辺にいたりするんですか?

「皇居とか代々木公園とか、あと調布のパルコの(看板の)Pの字のところにチョウゲンボウが巣作ってますよ(笑)」
飼うにしろ、野生にしろ、思ってた以上に身近にいるタカやフクロウといった猛禽類たち。ちなみに他の動物に比べてもオーナーたちの団結力が強く、こちらの鷹匠茶屋ももともとボロボロの中華料理屋だったのを、猛禽類オーナーの集まりである「日鷹会」のメンバー中心で改修したのだとか。

意外と飼いやすいけど、長年付き合う覚悟も必要。とりあえずは動物園よりずっと近い距離で見れるこんなカフェに来てみてはいかがでしょう。もちろんいろんな相談に乗ってもらえますよ!

三鷹は鳥関係のネーミングが多い気がする。
三鷹は鳥関係のネーミングが多い気がする。

ジブリの森の近くってシチュエーションもいい

三鷹市は「東京で一番住みたい街ランキング」で常に上位の吉祥寺=武蔵野市の隣なんですが、今回のお店みたいな腰落ち着けて面白い事やってるような人は三鷹市に多い気がします。もっと気にしよう、三鷹。
取材協力

鷹匠茶屋
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