特集 2011年9月6日

両親に聞くいい記事悪い記事(工藤考浩 総集編)

両親からダメだししてもらいます
両親からダメだししてもらいます
今週は僕が夏休みのため、総集編と題して、今まで書いた自分の記事のよかった点、悪かった点を実家の両親に聞いてみました。
ちなみに両親とも、かなり熱心に当サイトを読んでくれているようです。
1973年北海道生まれ。物心ついた頃から飽きっぽい。そろそろ自分自身にも飽きてきたので、神様にでもなってみたい今日この頃。

前の記事:耳足し芳一

> 個人サイト 「月刊 馬泥棒」 ツイッター

父に聞くよかった記事、悪かった記事

まずは北海道に住む実家の父に、いままで書いた記事の一覧を渡し、よかった記事と悪かった記事について電話で聞いてみることにした。

それ、俺の記事じゃない

僕:まずいままでで一番よかった記事ってどれ?
父:あれだな、やっぱり石リレーだな、なんといっても。

のっけから驚かされてしまった。
確かに石リレーは楽しかったけど、それは僕の記事ではない。
総集編に組み入れるには気が引けるが、まあいいだろう。
父のお気に入り「持ってけ!石リレー」
父のお気に入り「持ってけ!石リレー
父:もし近くに来たら参加する気だったんだけど、うちの辺りは素通りしてしまって残念だったな。
僕:あの企画は楽しかったよ。石になんであんなにドキドキさせられるのかね。
父:リレーのスタートの後、バスに乗って東京まで帰っただろ?
僕:ああ、「稚内から東京へバスで帰る」って記事ね。
父:あれはよかったな。最後みんなが出迎えてくれて、いい職場に勤めているのがわかって父さん安心した。
父:記事としては、ただ移動しているだけだったから、読むところは少なかったけどな。
路線バスを乗り継いで会社まで帰った「稚内から東京へバスで帰る」
路線バスを乗り継いで会社まで帰った「稚内から東京へバスで帰る

なかなか褒めてくれない

僕:記事がよかったわけじゃないのか。
僕:なんか「いい記事だな」って思ったのはないの?
父:『「4人工藤」が北の大地を駆け抜ける』は自分が参加してるのもあって、いい記事だと思うな。
僕:ああ、それも僕の記事じゃないよ…。
家族ぐるみで出演した乙幡さんの記事「稚内から東京へバスで帰る」
家族ぐるみで出演した乙幡さんの記事『「4人工藤」が北の大地を駆け抜ける

細かい指摘が

父:あと、最近字が大きくなっただろ、記事の。
僕:そうそう、読みやすくなった?
父:老眼にはこれくらいの大きさのほうがいいな。ずいぶん読みやすくなった。
父:それから、ラジオのロングバージョンは、あれは長すぎて途中から聞くのやめちゃうんだ、いつも。

僕:へえ、それでも聞いてくれてるんだ。
父:そうそう、ハムうまかったぞ。

実は「豚の足一本分のハムを買ってしまった」の記事のあと、実家から「うちでも食べたい」というリクエストが来て送ったのだ。
たまには僕も親孝行だってするのである。

あれはダメだ

父:何だこりゃと思ったのは「立ち食いそばの長さくらべ」だな
僕:あれは個人的には大発見の記事だと思っているんだけど…。
僕:だって、そばの長さが違ったんだよ。
父:だからどうした、と読んでておもったな。あれはダメな記事だろうな。
僕:…。
僕:確かになんの役にも立たないけど、知ってるとちょっと楽しいでしょ、そばを食うのが…。
父:そうかな。

地元の人と仲良くなったのがよかった

父:「明治から続くロケット祭り 朝比奈大龍勢」はいい記事だったな。
父:地元の人と仲良くなっているのがよかったぞ。

僕:お、あれは純粋に楽しい取材だったよ。
父:お世話になってちゃんと連絡とってるのか?
僕:その後何度か
父:こういう縁は大切にしないとな。

続いて母に

父は「日本一きれいな川ときたない川飲みくらべ」もよかったと言っていた。
これは父にお願いをして北海道の川に水を汲んできてもらった記事だ。
よかったというか、自分が貢献したので記憶に残っているのだろう。
父はあまり記事を褒めてくれなかったが(そういえば子供の頃からそんなに褒めるタイプの父親ではなかった)、母はどうだろう。

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母に聞くよかった記事悪かった記事

僕:母さんがよかったと思う記事はどれ?
母:石リレーは毎日楽しみに見てたよ。
僕:…だからそれは俺の記事では…。
母:あと四人工藤も。
僕:…。
僕:ほかにはなんかないの?
母:あ、ほら今NHKの朝のドラマでやってる、安曇野の
僕:「イチャイチャしてる道祖神巡り」ね。
母:ドラマの中でで時々出てくるから、「あー、あれだ」って思うわ。
いまやっているNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」は安曇野が舞台
いまやっているNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」は安曇野が舞台

意外な「よかった」

母:なるほどなと思って読んだのが「見極めろ いずれアヤメかカキツバタ」だね。
母:65年も生きてきて、アヤメとカキツバタの違いを知らなかったから。

僕:へー、それはよかった。
僕:たまには役に立つこともあるんだ。
母:役には立たないけどよかったのは「いろんなカニとじゃんけんをする」かな。
僕:それは意外だ。
母:あんまりにもばかばかしすぎて、それがいい感じだった。
まさかこの記事が母によかったと言われるとは
まさかこの記事が母によかったと言われるとは

この人は知らない人だと思うことにした

母:いままでで一番こっぱずかしかったのは「女性誌の付録がうらやましい」ね。
母:途中まではよかったのに、なにもアンタが着ることないでしょう。

僕:…。
母:でも、それが仕事となんだから仕方が無いね。
母:だからあれ以来、ああいうのが出てきたときは、この人は知らない人でうちの息子ではありませんって思うことにした。

僕:すみません…。
うちの息子ではありません
うちの息子ではありません
母:それから「漬け物が漬かるくらい乗り換えが遠い」。
僕:はい。
母:漬物は漬けなくてもいいでしょう。
僕:う、うん。そうですね。
確かに、それを言われると身も蓋も…
確かに、それを言われると身も蓋も…

怒涛のダメだし

母:あとは「自分観測衛星を作る」。
母:あれもああいうことはしなくてもいいんじゃないのかって思います。
母:「耳足し芳一」も。

僕:必要か必要じゃないかって言われたら、やる必要はないけどさあ。
母:でもあの頭のマネキン、わたし欲しいわ。
母:編み物で帽子作るのにあったら便利。

僕:こんど送ろうか?
「しなくてもいいことなんじゃないの?」
「しなくてもいいことなんじゃないの?」

小言がひびいた

久しぶりに両親と電話をしたら、記事の感想を通した小言を言われる形となってしまった。
総集編なのでいいところを褒めてもらいたかったのだが、なかなかそうはいかなかった。
まあ、それもそうだよな、と自分でもおもうところがあるから仕方がないが。
そんな小言、というか指摘の中でも一番心に響いたのは父からの「お前は必要がないのにやたらと酒の話に持っていこうとする」という言葉だ。
たしかにそういう傾向はおおいにあるので、今後の参考にしようと思う。
こういうカットにちらっと酒が写っていたりするのだ
こういうカットにちらっと酒が写っていたりするのだ
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