スナック菓子なら以前粉々にしたことがある
今回はルマンドのような甘い系のお菓子を中心に粉々にしたい。
しょっぱい系のスナック菓子は既に以前ふりかけにして食べ比べたことがあるのだ。
ふりかけとしてのスナック菓子選手権
その際ふりかけとして美味しいとジャッジされた、スナイダース、ばかうけ、スコーン
良くつぶし、大量にふりかけ、そしてすぐ食べるのがスナックをふりかけにするコツだとまとめている。へー! 2005年の記事なのですっかり忘れていた。
その際にルマンドも粉々にしてご飯のうえにかけて食べ、「あまりあわない」とコメントしている。なにやってんだ。
「もらったお菓子」は粉々になりやすい
スナックを「ふりかけ」にしようと意気込んだ前回とは趣向を変え、今回はあくまでも粉を粉として味わいたい。
よくもらった小袋のお菓子がカバンのなかで粉々になるってことあるだろう。ルマンドが粉々になるのもそういうパターンだ。そういう場合を想定して、それでも美味しいお菓子を探すのだ。
小袋包装のお菓子(と個人的に粉々にしたいお菓子)を7種類ほど選んだ。
この中でルマンドのように粉々になってもおいしいものはあるのか。
小袋菓子が集まってちょっとした子ども会帰りみたいな景色に 。左のプレッツェル入りポップコーンのみ、個人的な意向による小袋圏外からのエントリー
「おかしなフリカケ」というおもちゃをもらった
さて、スナックでふりかけを作った前回とは違い今回は力強い味方もいる。
タカラトミーアーツの「
おかしなフリカケ」! おかしを粉々にしてフリカケにするという専用機
パーツを変えることで粗挽き中挽きなど3段階に加減できるぬかりなさ
なんとこれ、メーカーさんからいただいたものだ。前述のスナックふりかけの記事を読んで昨年の発売直後にわざわざ送ってくれたのだった。
ちょっと世の中便利になりすぎなんじゃないかという商品である。サイトを見ると、いろいろなお菓子を粉々にして食べる提案がぞろぞろされているようだ。おお、すごい!
凝ったアイディアメニューによだれをたらしながら、私はただもくもくと小袋のお菓子を粉々にして飲み下していきたい。早速はじめよう。
このようにセット
キャップをして時計回しにゴリゴリ回すと粉々に。 便利だかなんなんだか分からなくて楽しい!
総集編のことを忘れていた
さて、お菓子を粉々にしている間に記事をふりかえりたい。と思って昔の記事を見ていたら、今でも「これはすごいわ」と思える写真が出てきた。
ベトナムのテーマパーク「スイティエン公園」
ベトナムのテーマパークが大変だ
2004年だから7年前の記事である。知らないベトナム人のおじさん、チュンさんと一緒に2人でテーマパークに行く、という今考えるとなかなかにとんでもない取材だった。
チュンさん
とにかくみんなビール飲む
ジョッキもでかい
いわずと知れた世界最大のビール祭りなわけだが、記事でその特徴をまとめた文を読み返して改めてそのすごさにふるえた。
・毎年9月の中旬から10月の初旬まで2週間強開催
・会期中に500万リットルのビールが消費される
・広い会場には1万人規模の飲みテントが10こ以上並ぶ
・テント内では盛り上がりに盛り上がり、脱ぎ始める人も
・会場には移動遊園地まであり、酔っ払いが遊びまくっている
・ビールは基本的に1リットル単位でサーブされる
・しかもビールのアルコール濃度が通常のものより高い
遊園地で酔っ払いが遊びまくるって何事だろう。でも確かにそうだった。
回転ブランコみたいなのに乗ったら予想以上の高さまで上がり(100メートルくらいあったんじゃないか)、そのうえ高速で回転、さらに酔っ払いのでかいドイツ人が笑いながら自分のブランコを私のブランコにぶつけてきて一気に酔いがさめた。
あのときの手汗を今思い出した。
手の汗をにぎりながら、「カントリーマアム クリスピー」が粉々にしていきます
ソフトなのハードなの
「カントリーマアム クリスピー」の発売は正直大事件だった。「カントリーマアム」といえば言わずと知れたソフトクッキーだが、それがクリスピーだというのだ。
意味ないじゃん。そう思って食べたら超おいしいじゃないか。気の持ちようが分からないまま、「カントリーマアム クリスピー」はいまやスーパーに行けば売っている定番商品になっている。
私の複雑な気持ちを込めて粉々にしてみた。
チョコ部分が心配だったが、うまく粉々にできた
うん。甘い!
クリスピーというサクサクした食感が売りの商品だけあって、粉々にしたらちょっとした甘い粉、くらいに嬉しさが減ってしまった。
うーん。カントリーマアムはソフトにせよクリスピーにせよ食感で売る商品なのだということは分かった。
引き続いては「ハーベスト」を粉々にします
ページをめくっている間に「ハーベスト」が粉々になりました。いい具合に粗挽き。 が、粗挽きすぎたか、食べてみると普通に食べるのとあまり変わらなかった。
3000人がいっせいに動く
ここからは、粉々のお菓子は写真のみで横目で眺めつつ記事を振り返っていきたいと思う。どうかお付き合いください。
さてつい先日、自分の母親が武道館で踊るというので取材に行き、お母さんたちの群舞の迫力にへろへろになったという事件があった(その顛末はこちらの記事で「
母62歳、武道館の舞台に立つ!」)。
総勢600人のお母さん世代が出演、最大で一度に160人がステージにびっしり並んで踊っていたのだが、あのとき、これと近いものをどこかで見たことがあると思ったのだ。
そうだ、ラジオ体操だ。
3000人でラジオ体操
3000人が東京都庁に朝の6時に終結
ラジオ体操ファンが朝の6時に大集合していた。各地から集まってきたようで、話を聞くと6時に会場に来るために前乗りしていた人も多かった。
ライター大坪さんの記事だが、1000人が太極拳をするおまつりもある(記事「
太極拳1000人大集合 」)。
いろんなところにいろんな文化があって、取材してみるとそれぞれが自分のやってることを結構「ふつう」だと思っているのがおもしろかった。
「ふつうの人」こそ底が知れないのかもしれない。
ふつうの一人として自分もやってやろう!(そしてこぶしを振り上げるも、何を“やってやる”かはまだ分からないのだった!)
カバンのなかで粉々になるお菓子といえばルマンドのほかに赤ちゃん用のおせんべいもすごい。これは「ハイハイン」。 知人(ライター高瀬さんです)が子ども連れで遊びにきたとき、これをメガネケースに入れて持ってきた。専用ケースも発売されている
粉々になると赤ちゃんに食べさせにくくてほぼ役に立たないのであるが、わざわざ粉々にしてみたら、ふわっふわでおいしいのだった。上等なカキ氷が冷たくなかったらこんな感じだろうなあという味
ささいさが並ぶ
それにしても、改めて自分の書いてきたものを見てみると企画記事! といいながらやっていることのささいさといったらどうだろう。
レンジで温めたものはすぐにさめる気がする、それって思い込みなのか、本当にそうなのかを確かめたり、
レンジで温めたものは冷めやすい気がする
レンジであたためたものと、別の方法であたためたものの温度の下がり具合をくらべる
人形焼もレンジとせいろで温め比べ。しかしなんだろうこの写真は
生卵と半熟卵とゆで卵、その間にある卵の姿を見てみたいと思って卵を時間差で20段階に分けて比べたり。
ゆだりゆく卵
時間差でお湯から卵を引き上げる
半熟とゆで卵の間の卵
やってることの小ささよ
疑問からそれを解消する行動から結果から、すべてが小さいのだ。自分から半径5ミリくらいのところで記事を書いている。
そうして今日も「カバンの中で粉々になっておいしいお菓子を探す」ってもうささいも極まってそろそろ流れ星になって見えなくなるのかもしれない。
粉々お菓子、続いて甘しょっぱお菓子の定番「雪の宿」!
こちらもかなり ふわふわになりました。雪で宿っぽい。食べてみると、甘さよりもしょっぱさがより際立つ味わいに。まぶしてある砂糖が下地のおせんべいに飲み込まれたということか。甘しょっぱいというより、しょっぱ甘い。バニラアイスにかけたらいいかも
ささいさがきっかけになる
ハッ、そうだ。
今回使っている「おかしなフリカケ」をもらえたのも「ふりかけにしておいしいスナックを探す」というとんでもなくささいな記事がきっかけだった。
ささいすぎて見えないような小さいことを拾って広げる。それが次につながることもあるのだ。
カルピスがそうめんのつゆに使えるという噂を聞いてそれを実行するという記事もささいだが、この記事をきっかけに、なんとカルピス社のカルピス料理試食会に招待される事態になったということもあった。
そうめんつゆにカルピスが美味しいって本当ですか
ポン酢+カルピスのつけつゆ
カルピスを使ったチンジャオロウスー。ヒューヒュー! と指笛を吹きたくなるたたずまい
チンジャオロウスーの後になんですが、「ホームパイ こだわりバター」を粉々にしました
ヨーロッパの発酵バターをふんだんに使っているそうで、バターのかおりがすごい。粉々にしたことでかおりがいっそう強まった。粗挽きでパイの食感も残ってるし、これはおいしいぞ
ささいな上にものすごい個人的
ささいなことは、ささいであればあるほど読者の方からの「私も!」っていう共感の声の興奮が強かった。
先にあげた「レンジで温めたものは冷めやすい気がする」は、記事の結果以上に「そう、冷めやすいよね! 私もそう思ってた!」という興奮の声がたくさん届いた。思い出すとすごく嬉しい。
ささいさには共感が必用なのだ。
と、思いながら、ささいな上にえらく個人的なこともやっていたのだった。
水が甘くなるたくあんを求めて
子どもの頃妹と盛り上がった、たくあんを食べた後飲む水の甘さを再確認しようと奮闘する記事
途中、たくあんを食べても食べても水がぜんぜん甘く感じられず真っ白になる。勝手に始めて勝手に困ってる
子どもの頃の思い出を確かめる記事だ。ザ・個人的。共感、得られにくいことこの上ない。
ネットでもそういう記述をちらほらみかけるほか、編集部の橋田さんがギリギリ共感してくれたのだったが、多くの初耳だという方のもとへも強引に船出した記事だった。
掲載時は個人的だとは思わなかったが、これもかなり狭いところで風呂敷広げた記事かもしれない。
プリントゴッコの版を3版重ねて作るフルカラー印刷という手法を試す記事
粉々作戦、続いては「マクビティ ダイジェスティブビスケット」。これはもしかして知らない人が多いお菓子でしょうか。1袋に3枚入っていて、栄養補助系お菓子(カロリーメイトとか)のように腹にたまるうえ素朴な味です
これぞ粉々という風情。で、これがすごくおいしかった! 塩気が立って、ざくざくした食感もあってそのままでもいける。牛乳をかけてもいいし、バニラアイスでもいい。これはこの状態でも売れるんじゃないかと思う
個人的な希望に人を巻き込む
さらに記事をながめていると、そんな個人的な希望をかなえるために結構な人手を動員していた。なにせこれだ。
飛び出せ! 紙を突き破り
写真のように、紙を突き破りたいというよく分からないわがまま。 両脇で紙を押さえてくれてる人、会社の先輩2人
最後、やぶれかぶれになって まさにやぶれたアルミホイルを降る吉田先輩
でかい紙をばりばりって破って飛び出したい! って記事である。なんなんだ一体。
アメリカンなおしゃれ菓子「ロンバードプレミアムポップコーン キャラメル&プレッツェル」は、機械ならポップコーンも粉々にできると知ってエントリー
えらいおいしいお菓子です
これも粉々バージョンでプレッツェルがより香ばしくなった。いよいよ牛乳が欲しい
呼び出されて有無を言わせず横断幕をかかげさせられる。横断幕に書いてあるのはどうでもいい文
つまり、やりたい放題やってるということか
無造作に過去の記事をあたっていて、ひとつだけ確実に分かった。私はやりたいことをやってるのだということだ。
そんなこと思いもしていなかった。じっくりと吟味し、読者の方が共感し喜んで楽しんでくださるような記事を書いているつもりだったのだ。
まさかやりたい放題だったとは。
確かに冷静に思い返せばやってることはこれである。
カイロで服をつくる
ホッカイロをつなげて服を作ってみたら暖かいのではと思ってやってみたら
なんかただただ面白くなって笑いが止まらなくなったという記事
これからもありがたく生きていこう
ささいなことも、そうでないことも、気になることを時には誰かに協力してもらってどんどんやってきた。
粉々にしたお菓子もおいしかったし、今後もますます記事を書こう。そうするしかないような気がしてきました。
取材お断りの店に3回頼み込んで取材するという「私が考えるライター像」らしいことをした記事もあるにはあった
粉々にしておいしいのとそうでもないお菓子がある
ざらざらと粉だけだべて味わい深かったというと「マクビティ ダイジェスティブビスケット」だろうか。
「カントリーマアム」は粉々にすると食感が奪われて本来の力を発揮しなかったり、「ハーベスト」は粉々にしてもしなくてもほとんど味が変わらなかったり、それぞれ違いがあった。
なにしろ、カバンのなかでもしお菓子が粉々になってしまったら、とりあえずバニラアイスにトッピングすれば間違いないと思います。
いやその前に、粉々にしないようにお菓子をもらったらメガネケースに入れるのがいいかもしれません。メガネは顔にかけて。
なお、写真で紙皿が湾曲しているのはスプーンを持参し忘れてこのように試食していたからです!