ちしきの金曜日 2011年11月4日
 

角のタバコ屋めぐり

なんかいいよねえ、角のタバコ屋。ぼくタバコ吸わないけど。
なんかいいよねえ、角のタバコ屋。ぼくタバコ吸わないけど。
「角のタバコ屋」という慣用句がある。

いや、慣用句っていうのかな、よく小説やマンガなんかで登場する言いまわしだ。

それほど、角にはタバコ屋があるものなのか?ここはひとつ角のタバコ屋を探してみよう。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。
> 個人サイト 住宅都市整理公団

以前コネタ城で記事にした</a>。そのあとも、精力的に探しました。
以前コネタ城で記事にした。そのあとも、精力的に探しました。

そういう作品が見当たらない

じつはこの「角のタバコ屋」さがし、以前コネタ城で記事にしたことがある。

一度気になると、その後も探し続けるのがぼくの癖だ。しつこいのだ、ぼくは。こういう時だけ。というか、すっかり惚れ込んでしまったのだ。角のタバコ屋に。タバコ自体は好きじゃないけど。

で、その記事でも本記事の冒頭でも「マンガなどに登場する角のタバコ屋」と書いたが、いくら探してもそういう場面がある作品がみあたらない。

おかしいな、確かに読んだことがある気がするんだけど。よく出てこない?サザエさんあたりに。「角のタバコ屋」って。

しかしタバコ屋はたくさんある

まあいいや。問題は作品ではなく「角のタバコ屋」の存在なのだから。

コネタ城で手応えは感じていたが、これが想像以上にたくさんあるのだ。タバコを売るためには国の許可が必要だそうだ。「小売販売業許可申請」というものらしいが、その項目の中に「店の立地は角であるかどうか」というのがあるのではないかと思うぐらい。
東京の神田駅前にある角のタバコ屋。これはかなりすてきな角のタバコ屋だ!個人的には角のタバコ屋ベスト3に入る。
東京の神田駅前にある角のタバコ屋。これはかなりすてきな角のタバコ屋だ!個人的には角のタバコ屋ベスト3に入る。
こちらは大阪の鶴橋の商店街にあった。
こちらは大阪の鶴橋の商店街にあった。
こちらは鹿児島の物件。こうやって旅先でも角にタバコ屋を探す癖が付いてしまった。
こちらは鹿児島の物件。こうやって旅先でも角にタバコ屋を探す癖が付いてしまった。

「角感」だいじ!

どうだろうか。いいよねえ、角のタバコ屋。なんでこんなにすてきなんだろうか。

上の写真撮った日にちを見て自分でびっくりした。2008年だった。このときすでに角のタバコ屋を撮り始めていたのだ。隣奥に見えるのは、同年記事にした「デビル」だ

で、このように全国に分布する角のタバコ屋だが、見ていくうちに「ぐっとくる角のタバコ屋」とそうでもないものとがあることに気がついた。

それはやはり、角であることに自覚的か、角であることを活かしているかどうかだと思う。いわゆる「角感」である。(いわゆる?)
角をぐるっと装テン</a>(装飾テント)がめぐらしてあるのは基本。当然ながら、このぐるりは角ならではであり、角感の強調には欠かせないアイテムである。なんてことない建築に真っ赤なぐるり装テンがみごと。
角をぐるっと装テン(装飾テント)がめぐらしてあるのは基本。当然ながら、このぐるりは角ならではであり、角感の強調には欠かせないアイテムである。なんてことない建築に真っ赤なぐるり装テンがみごと。
こちらもセオリーに忠実なぐるり装テンだが、いまひとつぐっとこない。なぜだ。たぶん片面がすべて自販機で覆われているせいだろう。これでは角の意味がない。
こちらもセオリーに忠実なぐるり装テンだが、いまひとつぐっとこない。なぜだ。たぶん片面がすべて自販機で覆われているせいだろう。これでは角の意味がない。
こちらは、ビル自体が角に面取りしてある物件のタバコ屋!これはかなりの角プレイだ。だが…
こちらは、ビル自体が角に面取りしてある物件のタバコ屋!これはかなりの角プレイだ。だが…
なにやら改装中であった点も残念だが、そもそもその貴重な面取り角を自販機でつぶしてしまうという蛮行。あたらせっかくの角を。もったいない。
なにやら改装中であった点も残念だが、そもそもその貴重な面取り角を自販機でつぶしてしまうという蛮行。あたらせっかくの角を。もったいない。
こちらは、角には違いないのだが、大きな交差点のため、角感に欠けるのが惜しい。九段下の交差点である。しかしそれでも装テンをめぐらせ、窓口を極力角に持ってくるというけなげさがいい。この頑張り屋さんを見るに、ひとつ上の物件に腹が立つ。持って生まれた幸運をむざむざと捨ててしまうという行為がいちばん許せない。ってなんでぼくはこんなに憤っているのか。
こちらは、角には違いないのだが、大きな交差点のため、角感に欠けるのが惜しい。九段下の交差点である。しかしそれでも装テンをめぐらせ、窓口を極力角に持ってくるというけなげさがいい。この頑張り屋さんを見るに、ひとつ上の物件に腹が立つ。持って生まれた幸運をむざむざと捨ててしまうという行為がいちばん許せない。ってなんでぼくはこんなに憤っているのか。
こちらは国立の作品。「ないものはない」とは大きく出た。装テンは別デザインでかつ位置も段違いのセパレートタイプ。ぐるりとはしていないが、窓口が「ジャスト角」に位置している点と、そのデザイン、なにより自販機を脇に追いやって角感を大事にしている点がすばらしい。ないものはない。きっとそうなんだろうな、と思わせる見事な角。
こちらは国立の作品。「ないものはない」とは大きく出た。装テンは別デザインでかつ位置も段違いのセパレートタイプ。ぐるりとはしていないが、窓口が「ジャスト角」に位置している点と、そのデザイン、なにより自販機を脇に追いやって角感を大事にしている点がすばらしい。ないものはない。きっとそうなんだろうな、と思わせる見事な角。
自分の恵まれた境遇にまったく気がついていないタイプ。もっと角を大事にする方に譲ってはどうか!まったくもう!
自分の恵まれた境遇にまったく気がついていないタイプ。もっと角を大事にする方に譲ってはどうか!まったくもう!
こうやってみていくと、いかに角感を大事にしたタバコ屋が貴重なものであるかがよくわかる。文中のぼくの憤りも、角を愛するがあまりの苦言であると思ってほしい。

恵まれた環境に生まれた人にはそれを活かす義務があると思うんだ。美人は過剰なギャルメイクとかすべきではないし、美脚の女性はミニスカートを履くべきでしょ?それと同じだ。なにか変なこと言ってますかね、ぼく。

要するに、角界においてもノブレス・オブリージュが存在するべきなのだ。というか「角界(かどかい)」って感じで書くと相撲だな。以下「カド界」と表記しよう。土俵に角あればいいのにね。
それからすると、最初に紹介した神田の作品はすばらしい。窓口がジャスト角!ほんとこれはすばらしい!小一時間見つめていたい逸品。だいたい、角自体が鋭角だしな!
それからすると、最初に紹介した神田の作品はすばらしい。窓口がジャスト角!ほんとこれはすばらしい!小一時間見つめていたい逸品。だいたい、角自体が鋭角だしな!

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓