ちしきの金曜日 2011年11月4日
 

朝青龍も食べたちゃんこ鍋

あの大横綱も食べたちゃんこ鍋を再現
あの大横綱も食べたちゃんこ鍋を再現
相撲界の伝統料理「ちゃんこ鍋」。おそらく歴史上のどんな名横綱も食べたに違いない。

あの朝青龍だって、横綱になってからはステーキとか食ってたかもしれないが、新弟子時代は仲間とともに鍋を囲んだはずである。

そんな朝青龍が食べたであろうちゃんこ鍋のレシピが、現役時代に所属していた高砂部屋のホームページで公開されている。これは作ってみるしかないだろう。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

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> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

ちゃんことは?

名前はよく聞くのによく分かっていない料理。それがちゃんこ鍋だ。

発祥は明治時代の出羽海部屋で、体格をつけるために最適な鍋料理として今では大相撲やプロレスの世界で広く食されているという。

あの高砂部屋がちゃんこのレシピを公開

日本には現在50近い相撲部屋があるが、調べたところホームページでちゃんこ鍋のレシピを公開しているのは3部屋のみ。そのうちのひとつが朝青龍がかつて所属していた高砂部屋である。

「力士紹介」や「新弟子募集」に並んで「チャンコ」というコーナーがあり、レシピを紹介しているのだ。高砂部屋のちゃんこは「イカミソ」や「手羽ちり」「マンボウ鍋」などバリエーションも豊かである。
今回はもっとも伝統的な「ソップ(鶏ガラ)炊き」というちゃんこ鍋を作ります。
今回はもっとも伝統的な「ソップ(鶏ガラ)炊き」というちゃんこ鍋を作ります。
新弟子になったつもりで早起きして作った
新弟子になったつもりで早起きして作った

新弟子の朝は大変

ちなみに相撲部屋では幕下以下の力士が「ちゃんこ番」を務める。朝5時起きで2時間ほどみっちり稽古をし、8時頃からちゃんこを作り始める。ちゃんこ番の力士の朝はとてもハードだ。

僕もちゃんこに敬意を表して5時からちゃんこを作ることにした。ただし、けいこは割愛する。
鶏ガラでダシをとる
鶏ガラでダシをとる
ていねいにアクをとりながら2〜3時間
ていねいにアクをとりながら2〜3時間
正直めんどくさい
正直めんどくさい
もうこれでいいかしら
もうこれでいいかしら
おいしく食べる秘訣はダシをしっかり取ることだと書いてあった。アクをこまめにすくいながら、鶏ガラで丹念にダシをとる。

毎朝こんなことをやるのは正直めんどくさいが、レトルトのスープなんて使おうものなら朝青龍先輩にぶん殴られる。新弟子は大変だ。
ダシがとれたら、鳥もも肉を投入
ダシがとれたら、鳥もも肉を投入
酒
醤油、砂糖で味付け
醤油、砂糖で味付け
朝青龍も納得の味に仕上がった
朝青龍も納得の味に仕上がった
煮えにくい野菜から順番に投入
煮えにくい野菜から順番に投入
あとはしばらく煮るだけ
あとはしばらく煮るだけ

千秋楽には伝統のちゃんこ鍋

ちなみに、伝統的なちゃんこ鍋には鶏肉を使う。二本足で立つ鶏に対し、四本足の牛や豚は「手をつく」ことを連想させるため縁起が悪いらしい。

高砂部屋は今も本場所の初日と千秋楽には縁起をかついでこのちゃんこを食べるそうだ。

千秋楽の名勝負の裏にこのちゃんこがあったかと思うと感慨深いものがある。

もう一品作ろう

時刻は10時。そろそろ関取たちが稽古から上がってくる頃合いであるがもう一品作ってみよう。こういう心遣いが先輩力士からかわいがられる(しごき的なやつではなく、頭をなでなでされたりするほうのかわいがり)コツである。
どんぶり一杯の鰹節でだしを取り
どんぶり一杯の鰹節でだしを取り
みりん、酒、昆布、醤油を入れて弱火で5分
みりん、酒、昆布、醤油を入れて弱火で5分
さましたのち、鯛の刺身をつける
さましたのち、鯛の刺身をつける

伊勢ヶ濱部屋の特製茶漬け

高砂部屋と並び、ちゃんこのレシピが充実していたのが伊勢ヶ濱部屋。ここは鍋だけでなく、ちょっとしたつまみ系の料理も紹介していた。

特にうまそうだったのが「特製茶漬け」。鯛の刺身を特製スープでづけにする贅沢なお茶漬けだ。今から漬けておけば、夜にはちょうどいい塩梅になる。

千秋楽の日は関取もしこたまお酒を飲むだろう。部屋に戻ってお茶漬けがあったら朝青龍の機嫌もよくなるに違いない。心遣いである。
そうこうしているうちに完成。朝青龍も(たぶん)食べたちゃんこ鍋
そうこうしているうちに完成。朝青龍も(たぶん)食べたちゃんこ鍋

せっかくなので土俵でいただく

うまそうなちゃんこが完成した。

せっかくなのでムードを出すため土俵で食べるとしよう。我が家の近所の公園にはなぜか土俵があるのだ。

これまで近所に土俵があることについてメリットを感じたことはないが、ちゃんこを食べるロケーションとしては最高である。
近所の土俵
近所の土俵
ビニールシートに隠れていますが土俵です
ビニールシートに隠れていますが土俵です
草相撲の大会も開かれる本格的な土俵
草相撲の大会も開かれる本格的な土俵
ビニールシートがかぶせられているところも稽古終わりっぽくていい。稽古の後のちゃんこはまた格別なのだ。稽古してないけどたぶんそうだと思う。
いただきますでごわす
いただきますでごわす
オープン
オープン
うまそう
うまそう
大相撲の世界では番付が上位の関取から順番に食べ始め、新弟子は最後。

本来なら温かい飯など食えるはずもない身分だが、僕はフリーの力士なので誰に気兼ねすることもない。
ほっかほか
ほっかほか
味はどうか
味はどうか
あ、うまいでごんす
あ、うまいでごんす
鶏ガラのうま味がしっかり溶け込んだスープに野菜の甘みが相まってうまい。鶏肉の硬さも、油揚げの染み具合もちょうどいい。

横綱にはとてもなれそうにないが、ちゃんこ長としてのセンスは秘めているのかもしれない。
ひとりでほぼ完食
ひとりでほぼ完食
ちなみに、いくら年齢を重ねても、出世しない限りちゃんこ番からは抜けだせないという。相撲界では「料理がうまい力士は出世しない」といわれるらしいが、僕は間違いなくそっちだ。引退後はちゃんこ屋を開こう。
ダシをたっぷり吸った鯛茶漬けも美味
ダシをたっぷり吸った鯛茶漬けも美味
ごっつあんです
ごっつあんです

ちゃんこ食って目指せ横綱

正直、相撲部屋のちゃんこ鍋なんて大味かと思っていたが、かなりおいしい。それに、このちゃんこ鍋が、偉大な横綱の血や肉をつくったかと思うと感慨深いものがある。

高砂部屋のホームページでは、他にも様々なちゃんこ鍋のレシピを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
おじいちゃんと孫の微笑ましい取組
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