ひらめきの月曜日 2011年11月28日
 

ランタンが夜空を舞い、星になる祭り〜タイのロイカートンを見てきた

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光を放つ無数のランタンが宙を舞い、空に昇っては星のように輝く…。

説明だけでもう、どうだ!といわんばかりのロマンチック。そんな光景が繰り広げられる行事が、タイにあるのだ。
インターネットユーザー。電子工作でオリジナルの処刑器具を作ったり、辺境の国の変な音楽を集めたりしています。「技術力の低い人限定ロボコン(通称:ヘボコン)」主催者。1980年岐阜県生まれ。

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満月の祭り

その行事はロイカートンというお祭りで、毎年11月の最初の満月の日(とその前後)に行われる。今年は11月の10日が満月だ。

タイ全国で行われるのだが、特に大規模で有名なのが、タイ北部の街スコータイ、そして同じく北部の街チェンマイ。僕は今年、幸運にもチェンマイのロイカートンに居合わせることができた。
こんなふうにみんなでランタンを揚げて
こんなふうにみんなでランタンを揚げて
それがどんどん空に溜まっていくのです
それがどんどん空に溜まっていくのです

初めてのひとり旅

長い休暇が取れたので、単身チェンマイに行くことにしたのだ。本当はバンコクと2都市滞在の予定だったのが、例の洪水の影響でチェンマイのみになった。

現地では約1週間滞在。初めての海外ひとり旅ということもあって、その旅程は書こうと思えば記事が100ページは書けるくらいの、濃密な体験だった。でもさすがにそれじゃちょっと長いので、この記事ではロイカートンに的を絞って約50ページでお送りします。(うそうそ、4ページで。)

初日、前夜祭

7日の深夜にチェンマイ入りした。実質初日となる8日が、ちょうどロイカートン祭りの前夜祭的な日。

祭りが始まるのは夜なので、昼間はレンタサイクルを借りて市内散策をしてすごした。
ホテルの近所にあった寺。3〜4キロくらい走ると横断できてしまう小さな街なのに、こういう寺が100以上ある
ホテルの近所にあった寺。3〜4キロくらい走ると横断できてしまう小さな街なのに、こういう寺が100以上ある
チェンマイは旧ランナータイ王国の首都で、日本でいうと京都みたいな存在感の街だ。広さの面ではコンパクトで、自転車でめぐるのにちょうどいい大きさ。
そんな街中を、目的地も決めずにフラフラしてみる。
ペットショップばかりの市場を発見。道の両端全部ペットショップ。
ペットショップばかりの市場。道の両端全部ペットショップ。
各店にこんなカゴが。子犬もみっしりです
各店にこんなカゴが。子犬もみっしりです
お昼に食べたチェンマイ名物カオソーイ。カレー味の麺料理で、ゆで麺と硬い揚げ麺が両方入ってる。もちろんうまい
お昼に食べたチェンマイ名物カオソーイ。カレー味の麺料理で、ゆで麺と硬い揚げ麺が両方入ってる。もちろんうまい
寺にいたお坊さんに、祭りについて聞き込み調査をする(も、お互い英語がカタコトなのでよくわからず早々にお開きとなった)
寺にいたお坊さんに、祭りについて聞き込み調査をする(も、お互い英語がカタコトなのでよくわからず早々にお開きとなった)
特に下調べもせずいきなり街へ出たのだけど、それでもこの日は街のいたるところで祭りの準備が進められているのが見て取れた。
市場ではロイカートンで飾るちょうちんの大売り出し
市場ではロイカートンで飾るちょうちんの大売り出し
別の市場でも。ちょうちんの下にピラピラをつけて火星人みたいにするのがランナータイ流
別の市場でも。ちょうちんの下にピラピラをつけて火星人みたいにするのがランナータイ流
この白いのが、空に揚げるランタン。コムローイという。
この白いのが、空に揚げるランタン。コムローイという。
花でできたケーキみたいなの。あとで出てきますがこれもランタンの一種だ
花でできたケーキみたいなの。あとで出てきますがこれもランタンの一種だ
道路脇ではパレードの山車を準備中。
道路脇ではパレードの山車を準備中。
アジアで祭りといえばロケット花火と爆竹。ちょっと物騒なレベルで大量に準備完了
アジアで祭りといえばロケット花火と爆竹。ちょっと物騒なレベルで大量に準備完了
いろいろ見て回っているうちにだんだん日も暮れてきた。

タイ観光局のホームページによると、この日はランタンパレードがあるらしい。
パレードが通りそうな場所を探していると、小さな公園に出た。
なんかやってるぞ
なんかやってるぞ

もう揚がってる

あ、あれは
あ、あれは
地元の人が何人か集まって上の方を指さしている。その先を見ると、夜空に輝くひときわ明るい光が。一番星だろうか。でもじっと見てるとなんだかフワフワと動いている。

…コムローイだ!
また揚がった!
また揚がった!
コムローイ揚げは10日がピークと聞いていたが、二日も前にもかかわらず、気の早い人たちがもう揚げ始めていた。
この公園の付近一帯こそ、コムローイ揚げのメイン会場だったのだ。

その後もコムローイを持ったグループがポツポツとやってきては、空に飛ばして満足げに去っていく。
揚げてるところを見せてもらう。まずはコムローイを伸ばして広げ
揚げてるところを見せてもらう。まずはコムローイを伸ばして広げ
中についている燃料に火をつけます
中についている燃料に火をつけます
表面になにか書いてある。願い事かな
表面になにか書いてある。願い事かな
しばらくすると熱気球の要領でコムローイがどんどんふくらんでいく。タイミングを見計らって「(タイ語で)せーの、」で手を放すと…
しばらくすると熱気球の要領でコムローイがどんどんふくらんでいく。タイミングを見計らって「(タイ語で)せーの、」で手を放すと…
飛んだ!
飛んだ!
手から離れたコムローイは、音もなくスーッと空に昇っていく。その姿は、深海にくらすイカやクラゲを思い起こさせる。

家族連れ、友達グループ、観光客のグループなど、いろんな人がやってきてコムローイを飛ばしていくが、空に舞うその姿を見るとみんな一様に満足げ。こっちも見てるだけでウキウキしてしまう。
孫の顔でも見ているように頬がほころぶ
孫の顔でも見ているように頬がほころぶ
揚がったコムローイは空高くどこまでも昇っていく
揚がったコムローイは空高くどこまでも昇っていく
揚げているところを動画で撮らせてもらいました
日本で写真を見たときは、どうやってあんなの飛ばすんだろう?と思ってたんだけど、すごく単純なしくみだった。要はミニ熱気球なのだ。コムローイ本体と、ライター1本があれば簡単に揚げられる。

これはやってみたい…と思ったけどあいにくコムローイが手近に売っておらず、明日以降のお楽しみに回すことにした。今日はパレード、パレード。

街中がピカピカに

大名行列みたいな行進と
大名行列みたいな行進と
輝く山車が交互に続々とやってくる
輝く山車が交互に続々とやってくる
このミノカサゴみたいな衣装は北タイの伝統舞踊だそう
このミノカサゴみたいな衣装は北タイの伝統舞踊だそう
サウンドシステムもすごいぞ。流れているのは北タイの民族音楽
サウンドシステムもすごいぞ。流れているのは北タイの民族音楽
獅子舞みたいなのも登場
獅子舞みたいなのも登場
大きな動物の登場に、はしゃぎまくる子供たち
大きな動物の登場に、はしゃぎまくる子供たち
ここで唐突に、中の人交代。突然目の前に現実が現れ、ひるむ子供
ここで唐突に、中の人交代。突然目の前に現実が現れ、ひるむ子供
交代完了後、さっきのは見なかったことにして再び動物としてじゃれる。大人な対応だ
交代完了後、さっきのは見なかったことにして再び動物としてじゃれる。大人な対応だ
そして街もすっかりお祭り仕様。どこもかしこもピカピカなのだ。
市場で売ってたランタンは、こんなふうにお寺や家の門に飾り付ける
市場で売ってたランタンは、こんなふうにお寺や家の門に飾り付ける
寺の敷地に特別席を作って、お坊さんたちも観覧中
寺の敷地に特別席を作って、お坊さんたちも観覧中
パレードの出発点、ターぺー門はランタンだらけに
パレードの出発点、ターぺー門はランタンだらけに
チェンマイのシンボルは象。もちろんランタンに
チェンマイのシンボルは象。もちろんランタンに
とにかく夜なのに街中に光が溢れていて、華やかで、賑やかで。
初日にして、これはいいところにきた、この旅行は一生の思い出になるぞ!と確信した。この日は興奮してなかなか寝付けず、ホテルにあった日本語フリーペーパーを2冊も読破してしまったほどだ。

でも、こんなのまだ序の口にすぎなかったことに気づくのは翌々日のことである。
祭りはまだ前夜祭にすぎない。
パレードの到着点では、翌日まで道ばたに山車が放置されていた。この適当さ、アジアっぽい
パレードの到着点では、翌日まで道ばたに山車が放置されていた。この適当さ、アジアっぽい

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