フェティッシュの火曜日 2011年11月22日
 

後世に伝えたいどうでもいいこと

街頭調査のむずかしさ
街頭調査のむずかしさ
おじいさんおばあさんが元気なうちに、大事なことは聞いておきたい。戦争の悲惨さや大きな社会事件、我が家のことなど、後世に伝えるべき大事なことはたくさんある。

一方、伝えなくてもよいどうでもいいことはさらにたくさんあるはずである。

後世に伝えるべきことが、大事なことばかりで本当によいのだろうか。

どうでもいいことを一、二個そっとまぎれこませたい…そしてその情報をゴミ箱に投げ捨てるちょっぴりのわずらわしさを後世の人にプレゼントしたい。

そんな思いで「後世に伝えたいどうでもいいこと」を聞いた。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます
> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

ベタ中のベタ、巣鴨インタビュー

ということでお年寄りに話を聞きに巣鴨に。

あまりにも紋切型で恥ずかしくなるほどだが、実際に行ってみると横断歩道が藤色に染まっている。おばあさんである。
巣鴨に行ったらじいさんばあさんいるかな?と思ったら見事に藤色である
巣鴨に行ったらじいさんばあさんいるかな?と思ったら見事に藤色である

助っ人を呼んだ

31才男一人インタビューはさすがにガードが固くなるかと思い、デイリーポータルZから古賀さん(女性)にもお手伝いいただいた。

会うなり「何をすればいいですか?おばあさんに?なるほどなるほど」と早足でインタビューに向かう古賀さん。

恐るべき仕事の速さで頼もしいかぎりである。
は〜、なるほどなるほど、と言いながら早足で参道に向かう古賀
は〜、なるほどなるほど、と言いながら早足で参道に向かう古賀

超高速の女

古賀さんはなるほどなるほど言いながら巣鴨地蔵通り商店街を通りぬけ、

「あたしこういうのまずお参りしないと気にしちゃうんですよ」

と、そのままお地蔵さんのあるお寺まで行って一瞬でお参りを終え、すぐ声かけ地点まで戻って臨戦体勢に入った。

隣にいて気づいたが、一直線に参拝しにいった彼女からは本当にピューっという音がした。風を切ったのだ。

超高速で必要ないことをするというある種の矛盾を抱え込んだ人だった。
インタビューをするため、超高速でお参りをすませる古賀
インタビューをするため、超高速でお参りをすませる古賀

どうやって聞けばいいのだろう?

古賀はいいとして、本題である。後世に伝えるべき「どうでもいいこと」はどうやって聞き出せばよいのだろう?

「どうでもいい」とは「後世に伝えなくてもよい」程度の意味だ。昔はスマップ一人多かったよ、などの放っておいたら埋もれていくくらいの話がいい。

だがスマップのおじいさん版が思い浮かばない。こちら側は何も知らないので具体例が出せない。

しょうがないので、かろうじて先日当サイトの記事で知った「昔の人は新聞を声に出して読んだ」を挙げることにした。

[参考]あやしい形の道は元水路、そしてもらい泣き
用意した質問は「今の人は知らないだろうなと思う一番ささいなこと」は何?
用意した質問は「今の人は知らないだろうなと思う一番ささいなこと」は何?
「こちら側が全く知らないことって聞き出すの難しいでしょうね〜」

と古賀さんが問題を指摘しながら「すいません、ちょっといいですか〜?」とおばあさんを捕まえはじめた。またここでも速い。
「今の人は知らないだろうなと思う一番ささいなこと」は何?
「今の人は知らないだろうなと思う一番ささいなこと」は何?

一組目「今の人はインターネットでしょ?」

――今の人が知らないような昔のことを教えてほしいんですが

「う〜ん、そうねえ。どうかしらねえ」

――例えば新聞って声に出して読んでたんですよね?そういう感じのことを

「新聞?声出して読まないわね〜。目で読みますよ。昔からそうでしたよね。

今の人が知らないこと?今はあれでしょ?新聞なんて読まずに、インターネットらしいですねえ」


逆に今のことを教わる始末である。そして今の人のことは私たちの方が多分多く知っている。
色を見ただけでおばあちゃん用だとわかる巣鴨の帽子屋
色を見ただけでおばあちゃん用だとわかる巣鴨の帽子屋

二組目「若い人を見ると腹が立つ」

とりあえず反省は置いておいて二組目に行こう。

「昔のことっていってもね。そんなの覚えてないね。

私、昭和七年生まれだからさ。防空壕の中を走りまわってたのよ。」


――今の若い人が知らなそうなことならなんでもいいんですが…

「私は若い人を見てると腹が立つのよ。私が若いころは本当に苦労したからね。色んなところに働きにいってね。

だから息子の嫁を見てると本当に腹が立つのよ。」


腹が立つ、と言われてドキッとしたがまさかの着地点は嫁姑問題。

「戦時中を知らない嫁が…」そういうのあるよね、となった時代から40年くらい経ってる気がする。私達の知らないところで、何十年も嫁と姑は戦い続けていたのだ。
巣鴨の帽子屋をモザイクにしてみても見事におばあちゃんである
巣鴨の帽子屋をモザイクにしてみても見事におばあちゃんである

 ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓