土曜ワイド工場 2011年11月26日
 

革の職人・箔の職人〜ものづくりの街を歩いた二日間

光る、職人のワザ
光る、職人のワザ
ものづくりの街、と呼ばれている地域がある。
革製品等のファッション雑貨に関わる産業が集中していて、パーツショップだとか製作所だとかの看板を街のあちこちで見ることができる。

そんな街で、ある日「モノマチ」という二日間のイベントが開催された。
ものづくりの街を多くの人に見て知って体験してもらおうという企画で、地域内の職人やクリエイター200組超が参加する一大イベントらしい。

「ものづくり」という言葉には非常に惹かれるものがある。
聞けば、普段は見ることのできない工場内部の見学や、小物の製作体験などもできるというではないか。

それはぜひとも行ってみたい。行ってみよう。
石川県出身。以前は普通の会社員。現在は透明樹脂を用いたアクセサリーを作る人。好きな色は青。好きな石はサファイア。好きな犬はウェルシュ・コーギー。
> 個人サイト capria

カチクラ、という名前

東京は御徒町(おかちまち)。さらにその少し東側に、蔵前(くらまえ)という駅がある。 この一帯を総称して「カチクラ」と呼ぶらしい。

今回のイベントは、このカチクラ地域で開催されたのだ。

大きな地図で見る
台東区南部。細かな地名で言うと、東上野・台東・元浅草・小島・三筋・鳥越・蔵前柳橋・浅草橋…辺り。

まずは地図をゲット

さて残念ながらこの辺りの地理にはあまり詳しくない。街全体を使ったイベントだけあって広い範囲に参加店舗や企業が点在しているらしく、特にどこか一箇所に集まるというものでもないそうだ。自分の足で各所を回らねばならないのだが、どう巡ったらいいものやら。
無駄にウロウロして途中で行き倒れる展開は避けたい。
そこで、まずは蔵前駅近くの「ミラー」というビルにやってきました
そこで、まずは蔵前駅近くの「ミラー」というビルにやってきました
中にはインフォメーションと、レンタサイクルの受付が
中にはインフォメーションと、レンタサイクルの受付が
ガイドマップや案内チラシなどをもらうことができる
ガイドマップや案内チラシなどをもらうことができる
地域内の各所に、こういったイベントインフォメーションが設けられているそうだ。初心者にも親切な街である。
ガイドマップを入手。なんだかRPGみたいな展開。
ガイドマップを入手。なんだかRPGみたいな展開。

「ツアーに参加しませんか?」

インフォメーションであると同時に、この場所はレンタサイクルの貸出受付でもある。 二日間のイベント期間中、トーキョーバイクという自転車屋さんが特別レンタルしてくれるらしいのだ。
そのため、スペース内にはおしゃれな自転車がたくさん展示されている
そのため、スペース内にはおしゃれな自転車がたくさん展示されている
しつこいようだが、街は広い。加えて私は体力がない。とてもない。すぐ足が痛いとか言い出す。
なのでここは大人しく自転車を貸していただくことにした。地図に続いて乗り物までゲットである。いよいよRPGじみてきた。

さっそく貸出の手続きを…と思ったところで、予想外の声を掛けられた。

「あの、よかったらこれから一緒に街をツアーで巡りませんか?」
神の声かと思った
神の声かと思った
そう提案してくださったのは、トーキョーバイクの代表者の方だった。ちょうど今から、何名かで街を巡る予定なのだという。

渡りに船ならぬ、モノマチにトーキョーバイクだ。ぜひ! と勢い良く頷き、同行させていただくことにした。なんと地図と乗り物に続いて旅の仲間まで出来てしまった。

スタッフさん含め、計6名でのスタート。
知らない街で自転車に乗るのってちょっとわくわくする
知らない街で自転車に乗るのってちょっとわくわくする

革小物と明太子

まずはトーキョーバイクさんオススメ、すぐ近くのm+(エムピウ)という革小物のお店へ向かうこととなった。
このイベントに参加しているお店はどこもオレンジののぼりが立っている
このイベントに参加しているお店はどこもオレンジののぼりが立っている
一歩店内に入ると、革の良い香りがした。財布やバッグ等がずらりと並んでいる。店主兼デザイナーの村上さんはとても気さくな方で、「よかったら2階の作業場も見ていきますか?」と。

「今ならめんたいこ屋さんにも会えますよ」

ん? めんたいこ屋さん…?
2階に上がるといきなり目の前には革の山。イタリアやベルギー産が多いそうだ。
2階に上がるといきなり目の前には革の山。イタリアやベルギー産が多いそうだ。
ずらりと並んだ工具類。いかにも制作現場、という趣。
ずらりと並んだ工具類。いかにも制作現場、という趣。
そしてそこには一人の男性がいた。
「こちらがめんたいこ屋さんです」と紹介していただいたものの、ツアー参加者全員の頭に「?」が浮かんだと思う。

なぜ革小物屋さんにめんたいこ?
な、何者ですか?
な、何者ですか?

めんたいこもカメラケースも売る男性

話を聞くと、めんたいこ屋さんを営みつつ革を使ったカメラケースの製作も行なっているのだという。店主の村上さんとは飲み友達で、今日はこのイベントの話を聞いて見学に来たのだそうだ。

明太子とカメラケースとは、なかなか愉快な二足のわらじを履いていらっしゃる。
こちらが、めんたいこ屋さんのデザインしたカメラケース
こちらが、めんたいこ屋さんのデザインしたカメラケース

「カメラは自腹です」

――革の厚みが頼もしい、すごくしっかりした造りですね。

めんたいこ屋さん:そうなんです、なのでなかなか数が作れないんですよ。これだけのしっかりした革を縫い合わせられる職人さんは日本に数人しかいなくて、縫うミシン自体も世界中探してもあまり数がないんです。すごく人気のある商品なんですが、大量生産となると難しくて。

――これは、このカメラ専用のケースですものね。カメラに合わせてデザインを一から作っているということですよね?

め:はい、しかもケースを作る際のカメラは全部自腹で買っています。おかげでカメラ屋さんの常連客になっちゃいまして(笑)

――そ、それは大変ですね。このカメラのケースを作ろう、というカメラ選びはどういう基準で?

め:ケース自体が本革使用で決して安いものではないので、それに見合うそこそこのハイエンド機というのがまず一番ですね。でもそうなるとカメラ本体を買い揃えるのもなかなか大変ですし、一個一個のデザインと製作にもかなり時間がかかりますから簡単に種類を増やせるものでもなくて…。あとはお客様の要望を聞いたりとか。最近人気なのはオリンパスのPENですか、作ってほしいという要望はよくいただきますよ。特に女性からの声が多いですね。

ツアー参加者から口々に「自腹なんだ…」「そりゃすごい」「モックとかもらえたらいいのにねえ」などと声が上がり、めんたいこ屋さんもあははと笑っていた。

そして次なるお店へ

街めぐり一軒目から、普段であればまず見られない場所でまず聞けない話が飛び出してきた。いきなりお腹いっぱいになりかけるが、まだまだこれからだ。

予想以上に濃密な一日となりそうな予感を抱えながら、次なる場所に向かうこととなった。
「次は、革製品を実際に製造してる工場に向かいますよ〜」「は〜い」
「次は、革製品を実際に製造してる工場に向かいますよ〜」「は〜い」
それから、めんたいこめんたいこと連呼していましたが、カメラケース屋さんとして「ユリシーズ」というしっかりしたブランド名を(当然ながら)お持ちですのでご報告させていただきます。
【トーキョーバイク】

http://www.tokyobike.com/


【m+(エムピウ)】

http://www.m-piu.com/


【ユリシーズ】

http://ulysses.jp/

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