うろ覚えを判別するマシーン
すごいマシーンということで、いろいろ考えた結果「うろ覚え判断マシーン」を作ることにした。マシーンに向かってうろ覚えを言えば、そのうろ覚えが正しいのか判断してくれるマシーンである。
これが完成した「うろ覚え判別マシーン」です
文字を入力したりする必要はなく、マシーンに話しかけるだけでそのうろ覚えが正しいのか判断してくれる。たとえば、このマシーンに向かって「枝豆って大豆なんだっけ?」と話しかけるだけでいいのだ。
もしそのうろ覚えが正しければ、上部に付いたLEDに光が灯る。間違いならば何も起きない。正しい答えをこのマシーンを通して教えるまでの技術力は僕にはなかった。正しいか否かのみをこのマシーンとつながるものがネット情報を駆使して判断してくれるシステムとなっている。
僕「枝豆って大豆なんだっけ?」
そのうろ覚えは正しいので光る(枝豆は未成熟な大豆だそうです)
また付属のパーツをつけることで、ポカリスエットかアクエリアスかの判断も可能だ。このスポーツドリンクは「ポカリなのか? アクエリアスなのか?」と迷った時にとても役立つと思う。
ポカリスエットだと光らないけれど、
アクエリアスだと光る(設定で逆にもできる)
製作過程です
このマシーンを作るに当たって一番悩んだのは、どれだけこのマシーンにリアリティを持たせるかである。うろ覚えを判断してもらった人が「お~すごいマシーンだ」と思えるような見かけにしなければならない。
ということで、いろいろ買って来た
たとえばこのマシーンが、適当な空き箱にLEDが刺さっただけだったらどうだろう。それではうろ覚えを判断してもらっても、本当なのか? という疑問が生まれると思う。人を見かけで判断するな、と言ったりするけれど、結局は見かけ。マシーンもそうなのである。
この紅茶の箱に、ファンやスポンジを貼り付け、
見かけを整える
ファンやスポンジを紅茶の箱に貼り付け、箱からマシーンへと変化させていく。「うろ覚え判断マシーン」はこの辺りが大事。先述の通り「見かけ」が全てなのである。
さらにスポンジにそれっぽいものを貼り付け
うろ覚え判断マシーンの完成である
判断の仕方
こうして完成した「うろ覚え判断マシーン」。これで完成である。これだけでうろ覚えの判断ができるのか、と疑問が浮かぶかもしれない。でも出来てしまうのだ。
僕も最初は悩んだ。プログラムの類は僕には知識がないので出来ない。では、どうやってうろ覚えを判断すればいいのかと。
そして悩んだ結果、自分で判断することにした。
背面にある矢印のボタンを押すと、
光ります
冒頭で「枝豆は大豆だっけ?」といううろ覚えが正しいか判断したけれど、僕がボタンを押してLEDを光らせていただけである。ポカリスエットとアクエリアスも僕がボタンを押してアクエリアスの時だけ光らせていた。タネを明かせば小2の工作である。
ボタンがばれないように同じボタンがいくつも貼り付けてある
プログラムの知識などがないので、最後は人力。人のうろ覚えを聞いて僕が正しいか否かを判断してボタンを押すのである。自然に。「へ~そうなんだ、僕も知りませんでした」みたいな風をふかしながら。
カラフルな線なども全部飾りです
ある奇術師が密閉した箱の中のものを透視してみせる、と言って箱の中の物を見事に透視して、周囲を驚かせたことがあったそうだ(むかしテレビで見た)。
しかしタネは実に幼稚。その箱には隙間が開いていて、自分からは中が見えるようになっていたのだ。意外と単純な仕掛けの方が分からなかったりするのだと思う。
その応用がこれです!
そのために今回は見かけにこだわった。説得力が必要だと思ったからだ。音がすれば必死に動いているように感じるし、ファンをつければそのことで発生した熱を外に逃がしているようにも見えるはず。ぽくすることがポイントなのだ。
音を発するのはこれ(カプセルにモーターを入れただけ)
実践してみよう
タネを知ってしまえば、どうっていうことはないけれど、知らなければ、すごいと思うはずだ。見かけはそういう感じなのだから。実際にやってみることにした。
こちらの女性の方(編集者の石井さん)で実践します
「キテレツ大百科の主人公ってキテレツだったけ?」と石井さんは箱に向かって言った。このマシーンの性能を疑っているのだろう。とても簡単だ。そのうろ覚えは正しい。主人公はキテレツだ。なので、すかさずボタンを押しLEDを光らせ、うろ覚えが正しいことを知らせる。
正しいので光ります(おぉ! と言っていました)
次に石井さんは「チンプイの主人公の名前はエリだったけ?」と2つ目のうろ覚えを箱に向かって発した。
困った。
チンプイが藤子・F・不二雄の作品ということは僕も知っていたのだけれど、主人公の名前が分からない。分からないので判断のしようがない。このマシーンは僕の知識量にゆだねられている。
iPhoneで調べる
競馬のことだったらすぐに判断できる。好きだから詳しいのだ。
しかし、そうじゃないジャンルは非常にまずい。このマシーンの欠点だ。結果的にiPhoneで調べることになる。
冒頭あたりで「マシーンとつながるものがネット情報を駆使して判断してくれる」と書いた。マシーンとつながるものとは僕のことである。
エリが主人公で正解でした(iPhoneを取り出したあたりで、タネがばれた)
見かけだけで突っ走る
今回は見かけだけの「うろ覚え判断マシーン」を作った。僕とiPhoneと厳密にはWikipedia頼みの検索結果がLEDに手動で反映される。見かけはぽいと思うので、すんなり分かるうろ覚えの判断なら「すごい!」となるはずだ。というか、そうなると信じている。
今回作ったマシーンは、
本日と明日行われる「Make: Tokyo Meeting」に出品します。いろいろな方が本当にすごいマシーンを出しているので楽しいイベントです。ぜひ来てみてください。