中国の勢い手書き漢字は下町気質
書き直してもいいのに、と思うほどいい加減。その大胆さは「男の料理」ならぬ「男の漢字」なのか
勢い漢字は過去に見た記憶が何度となくあり、どこにでもあるのかと思ってた。でも改めて散歩してみると違うようだ。
いろんな街の中をいろいろ散歩してみると、「勢い漢字」があるところは下町風情あふれる、昔ながらの古い町に多く見ることができた。
新しい街にはフォントフォントした文字しかなかったのだ。
自転車修理屋に勢い漢字は多い
旧市街の主要道路でも勢い漢字に出会う。
歯医者「牙科」も実に庶民的。
アルバイト募集の張り紙。条件はなく、ただ「募集」だけ
はんこ作成も肝心の字がゆるい。でもきっといいのだ。
別の料理が書かれた上から「ジャガイモ炒め」
新市街の工事現場でコンビニ「好徳営業中」の字。珍しい状況で威風堂々とした勢い漢字である。
日本の勢い手書き文字は願いが詰まる
日本の勢い手書き文字には心がこもっているように思うのは僕だけではあるまい。
一方日本の勢い文字が出る場所は違う。住宅地、繁華街問わず、また店内店外問わず、様々なところで点々と見かける。
手書きで書かざるを得ない状況にある書き手。「冷やし中華はじめました」という言葉に込められたバックストーリーのように、なんか文字から歌えそうに思える、そんな切実さが伝わるのが日本の勢い手書き文字の特徴に見えてならない。
駐車場は自ら書くケースも多い
駐輪禁止の文字サイズは整うが、囲みに想いを感じる
丁寧に文字を書いて訴えている。詰め込んでるけど
一時的な「空車あり」のために自ら勢いよく書き訴える
ホームセンターやカー用品店では定番。理屈でなく「そういうもの」なのか
男性だけでなく女性にも。値下げよりも「大きい」という情報のほうが意味がある。
ではがんばった日本語はどうか
ここまでタイトル通り日本と中国の勢い手書き文字を紹介した。
中国は「読めればいいんだよ」と下町風情で書いたものであり、日本は感情がこもっているものだったり、定番フォームだったりするのではないか、そう考えた。
そういえば外国で微妙な手書きの日本語に遭遇することがある。こうした日本語はどうだろうか。いわゆる番外編である。
ネパールにて。なんかこんな遠方で日本語の文字をがんばって書いてくれるだけ嬉しい。
同じくネパールにて。ネパール式丸文字がなんか独特!それでいいいのだ。
手書きは気持ちがこもっている
今の時代、何語のWindowsでも日本語は入力できるが、敢えて手書きは暖かく感じるのではなかろうか。
正直手書きの手紙など面倒なだけと思っていた。しかし街中の勢いで書く手書き文字を見ていると、書き手の背景が見えるものなんだなと思った。「手紙はパソコン印刷か手書きか」その答えを、別の視点で別のモノを見ることで答えが見えたような気がした。
汚い手書きの葉書をもらっても、「汚いな」とネガティブに思うのではなく、優しく受け止め、その書き手の背景を考えてみよう。これは重要なことではないか。
そう、今年の年賀状は「絆」を意識して、手書きで書いてみてはどうか。そんなことをいうつもりではなかったけど、でもキレイにまとまるのでまとめてしまったのだった。