特集 2011年12月22日

トマトで煮込めばなんでもうまい

煮込みといえば迷わずトマト
煮込みといえば迷わずトマト
料理が不得意である。
野菜炒めやチャーハンなどの失敗しようがなさそうな料理でも、「あ、これはマズい…」と思うものを何度か作ったし、オムレツやシフォンケーキは一度も成功して焼けたことがない(もはや失敗をデファクトスタンダードとして食べる)。そしてうまく作れたものがあると、そればかり作るので、いっこうに上達しない。
そんな私が絶大な信頼を置く食材がある。ホールトマト缶だ。
1984年うまれ、石川県金沢市出身。邪道と言われることの多い人生です。東京とエスカレーターと高架橋脚を愛しています。

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トマトで煮込めばなんでもうまい

万能食材、ホールトマト缶
万能食材、ホールトマト缶
ラタトゥイユというしゃれた名前の料理がある。本来、ナスやズッキーニといった夏野菜をつかってトマトで煮込む、フランスの家庭料理だが、レンコンやゴボウなど、およそフランス人が食べなさそうな野菜を入れても俄然イケるため、私の食卓には「冷蔵庫の残り野菜トマト煮込み」として年中登場する定番メニューである。トマトで煮込めばなんでもうまいのである。
しかし、なんでもとは本当になんでもか。それを確かめるのが、本記事の趣旨だ。

トマトで煮込めば本当になんでもうまいのか -肉編-

用意するのは牛肉、じゃがいも、にんじん、ネギ、糸こんにゃく、そしてホールトマト。
用意するのは牛肉、じゃがいも、にんじん、ネギ、糸こんにゃく、そしてホールトマト。
これらを炒めて、肉の色が変わったところで
これらを炒めて、肉の色が変わったところで
トマトを投入。じゃがいもに串が通るまで煮込み、しょうゆで軽く味付けをする。
トマトを投入。じゃがいもに串が通るまで煮込み、しょうゆで軽く味付けをする。
肉じゃがwithトマトの完成
肉じゃがwithトマトの完成
感想:
・肉じゃがって長ネギだっけタマネギだっけ、あと人参入れたっけ(こういう基本的なことがわからないのが、料理が下手なひとである)。
・というかこれは肉じゃがというよりラタトゥイユそのものではなかろうか。
・だって、肉にトマトなんて、合わないわけがない(ラタトゥイユもベーコンを入れたりします)。
・唯一の不安材料と思われた糸こんにゃくが、ものすごくうまい。これだけずっと食べてたいくらいうまい。
・じゃがいもはからだに良さそうな味がした。
・そういえばラタトゥイユを知人に食べてもらったときも「からだに良さそうだね」と感想をもらったことがある。あれ?
・なんとなく醤油だけ入れたが、はじめから砂糖も入れて煮込めば、男子にモテる気がする。
結論:
うまいとおもう。

トマトで煮込めば本当になんでもうまいのか -魚編-

肉をトマトで煮込むとうまかった。そりゃそうだ。ビーフシチューだってトマトで煮込むし、タモリ流チキンカレーだってトマトで煮込むのだ。
では、魚はどうだ。
からだに良さそうすぎた肉じゃがの反省をもとに、今回は味付けをしっかりめに。まずトマト缶にしょうがと酒、醤油、みりんを加えて煮立てる(写真は煮立てすぎてあわてて写真を撮ったところ)。
からだに良さそうすぎた肉じゃがの反省をもとに、今回は味付けをしっかりめに。まずトマト缶にしょうがと酒、醤油、みりんを加えて煮立てる(写真は煮立てすぎてあわてて写真を撮ったところ)。
そこに冷凍庫に入れっぱなしになっていた塩さばを投入、弱火にして落としぶたをし、じっくり煮込む。
そこに冷凍庫に入れっぱなしになっていた塩さばを投入、弱火にして落としぶたをし、じっくり煮込む。
さばの味噌煮withトマト(マイナス味噌)の完成。ああ、これはいいものができた。
さばの味噌煮withトマト(マイナス味噌)の完成。ああ、これはいいものができた。
感想:
・うわー。うまいわーこれ。
・黙っていたけどトマトの鍋にさばを投入した時点で違和感ゼロだった。
・サバをトマトで煮込む料理、元々あった気がする。
・新たな収穫としては、トマトと味噌はほぼ同等に扱って良しということがわかった。
・それにどちらかと言うと、トマトの方が失敗しないぞ、たぶん。
・こういう料理がさらっと作れたら嫁に行けるレベル。
結論:
とてもうまいとおもう。

トマトで煮込めば本当になんでもうまいのか -おでん編-

なんだか、なんでもうまくいきすぎて、トマトで煮込むことになんの違和感も感じなくなってきた。これではまずい。いや、まずくないんだけど、もっと違和感あるものをやるしかない。よし、そうとなったら、ここはおでんに登場いただこう。
ちなみに私が書いた料理の記事にはいままで必ずおでんが登場しているのだ。困ったときのおでん頼み。
ちなみに私が書いた料理の記事にはいままで必ずおでんが登場しているのだ。困ったときのおでん頼み。
トマト出汁に醤油とみりんを加え、具を沈めていく。溢れ出る違和感。さすがおでん。
トマト出汁に醤油とみりんを加え、具を沈めていく。溢れ出る違和感。さすがおでん。
しかし煮込みが完了すると、なんだかうまそうなような、そうでもないような、よくわからない見た目になった。
しかし煮込みが完了すると、なんだかうまそうなような、そうでもないような、よくわからない見た目になった。
感想:
・たしかにトマトの鍋に練り物をしずめているときは「溢れ出る違和感…」と思っていたはずだが、もはやどの写真をみても「うまそうだな~」としか感じられない身体になってしまった。
・里芋も大根もうまいし、卵はうまいに決まっている。
・そして、はんぺんと餅巾着のやみつき感といったらもう。
・魚っぽい練り物はちょっと違和感あるが、それでもこういう食べ物かな~というかんじ。
・しかし煮込み時の見た目のファンシーさは、つきあってる女子が「クリスマスだから~」という理由でこういうおでんを作り出したらすぐ別れたうえ匿名掲示板に書かれるレベル。
結論:
でもうまいとおもう。

結論:なんでもうまいし、こういう料理、あるかも。

わかったのは、トマトは西洋の味噌であり、昆布出汁であるということだ。トマトにかなう煮込み料理はない。そして食卓が真っ赤で華やかになる。料理ベタ女子にもってこいの食材である。
メリークリスマス。
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