土曜ワイド工場 2011年12月24日
 

沖縄の川には熱帯魚がいる

日本なのにこんなのがうじゃうじゃいるんです。
日本なのにこんなのがうじゃうじゃいるんです。
日本各地に生息するブラックバスやブルーギルなどの外来魚が問題視されるようになって久しいが、沖縄にはもっとずっと多彩な外来魚がいることはあまり知られていない。
沖縄は暖かいのでなんと熱帯魚までもが住みついてしまうのだ。
日本の自然を、そして同時に海外の珍しい生き物を愛する者としてこれは黙ってはいられない事態である。
駆除を兼ねて採集して楽しんでしまおう。
1985年生まれ。生物を五感で楽しむことが生きがい。好きな芸能人は城島茂。

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海の熱帯魚ではありません

沖縄と言えばサンゴの海。
沖縄と言えばサンゴの海。
そして色鮮やかな熱帯魚。
そして色鮮やかな熱帯魚。
沖縄、そして熱帯魚と聞いてイメージするのはこういう海の中の魚だろう。ダイバーたちのアイドルだ。
しかし僕が今回相手にするのはそんなに華やかな舞台でも人気者の魚でもない。
沖縄まで来ていながら目指すフィールドは川。
沖縄まで来ていながら目指すフィールドは川。
そして探すのはペットショップで売られているような外国原産の熱帯魚だ。
まあ大抵は本来鑑賞用に持ち込まれた魚なのだから綺麗なのは確かなのだが、外来種ゆえに沖縄ではどちらかというと嫌われている日蔭者の熱帯魚。しかも池や川ならどこにでもいる。さっそく探してみよう。

グッピーGETだぜ!

まずはこんな街中を流れるしょぼい小川から
まずはこんな街中を流れるしょぼい小川から
お世辞にもきれいとは言えない水の中に網を入れると…
お世辞にもきれいとは言えない水の中に網を入れると…
なんとグッピー!
なんとグッピー!
いきなり熱帯魚の代表格、南アメリカ原産のグッピーが採れてしまった。
上の大きくて地味な方がメスで下の二尾がオス。オスは小さいけれど宝石を散りばめたように綺麗だ。さすが熱帯魚の代名詞。
さらにこちらはメキシコ原産のソードテールという魚。オスのしっぽが剣のように長いのが特徴。雰囲気はグッピーの親玉といった感じ。
さらにこちらはメキシコ原産のソードテールという魚。オスのしっぽが剣のように長いのが特徴。雰囲気はグッピーの親玉といった感じ。
赤青黄の三原色が美しく、こちらもグッピーと同じく観賞魚として人気がある。どちらもペットとして飼われていたものが心無い飼い主によって放流され、増えてしまったものだろう。

なにはともあれ、こんなにも色鮮やかな魚が日本の川にいることに驚くばかりである。
しかもこんな人の生活と隣り合わせの場所にいるのだ。日本では昔からそういうポジションはメダカにドジョウにフナあたりの役割なのだが、沖縄ではそれがグッピーらしい。人里でさえこれなのだ、山奥に入ったらどんな熱帯魚がいるというのだろうか。

寒いのに意外と元気な熱帯魚たち

というわけでやってきました山奥の川。
というわけでやってきました山奥の川。
実はこの取材を行ったのは3月。いかに沖縄と言えど渓流の水は恐ろしく冷たい。
実はこの取材を行ったのは3月。いかに沖縄と言えど渓流の水は恐ろしく冷たい。
こんなに冷たい水に熱帯魚なんかいるのかよ…と思いつつ水面を網で掬ってみると
めちゃくちゃいるわ。
めちゃくちゃいるわ。
これは東南アジア原産のコイの仲間でパールダニオという魚。爽やかなブルーと赤く染まったヒレが美しい。
初心者向けの観賞魚として人気だ。
川の中はこの魚であふれていた。一網打尽にして売りさばけばちょっとした稼ぎになるのではないかと妄想してしまった。あるいは実際にそういう目的で放流した人がいたのではとも勘ぐってしまう。

調子に乗って捕まえまくっていると違う魚が網に入った。
インド原産のゼブラダニオ。
インド原産のゼブラダニオ。
たくさんのパールダニオの中にごく少数混じっていた。
見つけた時はその美しさに「おおっ!」と声が出てしまった。個人的にはパールダニオよりこちらの方が好みだ。

この川では他にこんな生き物も見られた。
アメリカザリガニ。熱帯地方原産ではないが、こちらも外来種として有名。
アメリカザリガニ。熱帯地方原産ではないが、こちらも外来種として有名。
こちらはシリケンイモリという沖縄にもともといる生き物。たぶん毎日熱帯魚をたらふく食べているのだろう。
こちらはシリケンイモリという沖縄にもともといる生き物。たぶん毎日熱帯魚をたらふく食べているのだろう。
沖縄に元からいるはずの魚の姿がほとんど見当たらなかったのが多少残念でもあり、怖くもあった。
確かに沖縄の川にはたくさんのきれいな熱帯魚たちが在来の魚を押しのけて我が物顔で住み着いていた。では流れの無い池ではどうだろうか。

怪物みたいな魚が採れる

やって来たのはとあるため池。
やって来たのはとあるため池。
一見とても静かで何の変哲もない池だが
網を入れてみると…
網を入れてみると…
なんじゃこりゃあ!これ全部熱帯魚。
なんじゃこりゃあ!これ全部熱帯魚。
ひと網で異形の魚たちが大量に獲れた。
このヘンテコな形の魚はマダラロリカリアという南米原産のナマズの一種。通称「プレコ」。
このヘンテコな形の魚はマダラロリカリアという南米原産のナマズの一種。通称「プレコ」。
観賞魚店やペットショップの魚売り場を覗くのが好きな人は水槽のガラスに張り付いて頑張ってコケを食べているかわいい熱帯魚を見たことがあるかもしれない。実はあれがコイツである。
かわいさに釣られて飼ってみると、みるみる大きくいかつくなっていくので持て余す飼い主が多いのだ。その結果がこの池の現状である。
全身を鎧のような鱗と骨格に包まれていて、魚なのに触ってもヌルヌルしない。特に頭はカチカチ。指先で叩くと「コンコン」と音が鳴るほど。
全身を鎧のような鱗と骨格に包まれていて、魚なのに触ってもヌルヌルしない。特に頭はカチカチ。指先で叩くと「コンコン」と音が鳴るほど。
全身を鎧のような鱗と骨格に包まれていて、魚なのに触ってもヌルヌルしない。特に頭はカチカチ。指先で叩くと「コンコン」と音が鳴るほど。
なんとおなかがヒョウ柄!
なんとおなかがヒョウ柄!
うええええ!気持ち悪っ!でもそこが素敵!!
水底や岩に張り付いたエサを食べるための変な形の口。何から何まで変な魚だ。
水底や岩に張り付いたエサを食べるための変な形の口。何から何まで変な魚だ。
一応少数ながらプレコの他にまともな形の魚も獲れたのだが…
タイのようなこの魚はアフリカ原産のナイルティラピア。沖縄中の川や池にいる。
タイのようなこの魚はアフリカ原産のナイルティラピア。沖縄中の川や池にいる。
やっぱり熱帯魚でした。
ただ、この魚は他の熱帯魚とは野生化した経緯が異なる。見た目だけでなく味もタイのように美味であることから食用目的で沖縄に持ち込まれたのだそうだ。おそらく養殖場から逃げ出して増えたのだろう。
別の池ではまるで海水魚のような見た目の熱帯魚も採れた。ティラピアと同じシクリッドという分類群の魚の一種。
別の池ではまるで海水魚のような見た目の熱帯魚も採れた。ティラピアと同じシクリッドという分類群の魚の一種。
こんな外来魚がはびこっているなんて!けしからん!!…と心では思いつつも笑顔を隠しきれないのは珍生物好きの性。
こんな外来魚がはびこっているなんて!けしからん!!…と心では思いつつも笑顔を隠しきれないのは珍生物好きの性。

むしろ熱帯魚の方が多い

実を言うと沖縄では熱帯魚は特別意識して探さなくても簡単に見つかる。どこもかしこもグッピー、ティラピア、プレコだらけなのだ。在来の魚を捕まえる方が大変だったりするくらいである。
外来種が繁栄してしまっているというのは悲しむべき事実だが、日本の川に色とりどりの熱帯魚がいるというクレイジーな現状を目の当たりにするとどうしても心のどこかに愉快な気持ちが芽生えてしまう。いかんいかん。
だって、日本に居ながらにして熱帯魚を捕まえるなんてどうしようもなくエキサイティングな遊びではないか。
でもだからって飼えなくなった熱帯魚を放流するのはダメ、絶対!
捕まえた魚たちは自宅へ連れて帰って飼ってます。ちゃんと最後まで面倒みます。
捕まえた魚たちは自宅へ連れて帰って飼ってます。ちゃんと最後まで面倒みます。
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