ひらめきの月曜日 2012年2月13日
 

あいうえお表、頭文字イラストのシェアしらべ

「む」、「むぎ」に1票
「む」、「むぎ」に1票
ひらがなの練習に使う、あいうえお表。

文字をあいうえおの順に並べた表だが、それぞれの文字の隣にイラストがついていることも多い。

「あ」の文字には「あさがお」や「あひる」、「い」の文字には「いぬ」や「いちご」のイラストといった具合だ。

「あ」や「い」のようにスッとイラストにする単語が見つかればいいのだが、たとえば「る」や「の」だったらどうだろう。平易な単語がみつかりにくい文字もある。

今回は あいうえお表のイラストを集計、どんなイラストが描かれがちなのかシェアを調査した。
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてニフティ株式会社へ入社。趣味はEDMと先物取引。
> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

あいうえお表、例えばこういうの
あいうえお表、例えばこういうの

調査のきっかけは「まじょ」

上のあいうえお表は100円ショップで買った風呂用ポスター。お風呂の壁にピタッとはれるというものだ。

今回の調査は、この表の「ま」の欄がきっかけになった。「ま」の代表として選ばれているのが「まじょ」なのである。
あたりさわりのないイラストに混じり
あたりさわりのないイラストに混じり
唐突に「まじょ」
唐突に「まじょ」

ほかになにかなかったのか、という思い

魔女……。

確かに魔女っ子は女の子向けアニメの頻出テーマである。魔女というワードは子どもとの親和性は高いのかもしれない。

しかし、他になんかなかったのかという思いはどうも残る。「まじょ」という言葉に唐突さと意外性を感じたのだ。

他の表では「ま」は何が当てられているのだろう。ひらがなにイラストが対応しているおもちゃを見てみよう。
積み木にひらがなとそれに対応したイラストが描いてある。「ま」は……
積み木にひらがなとそれに対応したイラストが描いてある。「ま」は……
まど
まど
そうか、「まど」か。そうか。

感覚でしかないが「まじょ」よりは納得がいく、気が、する……。

できるだけ当たり障りのない語を

基本的にこういったあいうえお表のイラストというものは

1.子どもになじみのあるものを
2.できるだけ唐突でない形で提示する

そういうものだと思う。たとえば急に「ま」で「マカッサル(※)」のイラストがついていても「え?」だろう。

(※インドネシア、スラウェシ島の都市、ウジュン‐パンダンの旧称)

おなじみで、イラストとして描かれて不自然でないもの。子どもや、いざ子どもにひらがなを教えんとして脇に立つ大人の心をかき乱さないように当たり障りの無いイラストを選定する。それがあいうえお表だと思うのだ。
「お」は「おにぎり」。「わ」は「わに」。若干色彩にスパイスが効いている気もするが、違和感なくスッと入ってくる言葉選び
「お」は「おにぎり」。「わ」は「わに」。若干色彩にスパイスが効いている気もするが、違和感なくスッと入ってくる言葉選び
そういう意味で「マカッサル」ほどではないものの「まじょ」は私にとっては唐突だったし、「まど」はぎりぎり納得がいったのだ。

「む」は「むぎ」?

さて、さきほどの積み木。「ま」が「まど」だったことで私の心は平穏であったのだが、「む」に惑わされた。
むぎ
むぎ
むぎ。

なんだろう。じんわり心が静かになっていく。

さきほどの「まじょ」が言葉としてちょっと派手な印象だったとすれば、「むぎ」はあからさまに地味だ。

銀シャリという漫才コンビの「ドレミの歌」をネタにした漫才で「ソーは青い空」に対し「ソー、はソバのソではどうか」というようなくだりがあった。そういえば漫才ではこういったズラしみたいなものはよく取り上げられる。

「む」は「むぎ」の「む」、というのもちょっとそれに近いと思うと急に立派におもしろい。ちょっとシュールにも感じる。
そして「そ」の「そうじき」はイラストが太鼓っぽい(今はどうでもいい)
そして「そ」の「そうじき」はイラストが太鼓っぽい(今はどうでもいい)
どうやら、あいうえお表とはいえ、無難な言葉が選びづらい文字というのがあるようだ。

「ま」で「まじょ」を選んだのも、「む」で「むぎ」を選んだのも、手ごろな単語がなかったからだろう。

あいうえおのイラストのシェアを知りたい

そうなると、気になってくるのは選ばれる単語だ。

ほかの あいうえお表にも「まじょ」や「むぎ」がいたしかたなく登場するのだろうか。

あいうえお表を集めて調べてみよう。
自宅にあった3種に合わせ、新規に6種類をゲット 表だけではなく、イラストとひらがながセットになっている練習帳も仲間に加えた
自宅にあった3種に合わせ、新規に6種類をゲット 表だけではなく、イラストとひらがながセットになっている練習帳も仲間に加えた
デイリーポータルZの管理元にもあいうえお表があった
デイリーポータルZの管理元、ニフティのキッズサイト(キッズ@nifty)にもあいうえお表があった
友人宅で発見したものも、メモ撮影!
友人宅で発見したものも、メモ撮影!
こうして、なんとか11種類のあいうえお表を集めた。

思ったより数が集まらなかったのは、集計するうえで除外したほうがよさそうなタイプのものがいくつかあったからだ。

作家性の高いものは除外

まず、作家性の高いものは今回は除外した。通常のあいうえお表とは、単語選びの説得力のようなものがまるで違うのだ。

たとえば、画家で絵本作家でもある安野光雅「あいうえおの本」。
安野光雅「あいうえおの本」。見開きで各文字とそれにそったイラストが描いてある
安野光雅「あいうえおの本」。見開きで各文字とそれにそったイラストが描いてある
「ま」のメインのイラストは「まわりどうろう」。唐突だが説得力があって黙らされる
「ま」のメインのイラストは「まわりどうろう」。唐突だが説得力があって黙らされる
読めば読むほどイラストの唐突さや意外性を作家性がっちりと吸収している。

なにか、集計しておもしろがる対象ではないと感じた。畏怖である。

アンパンマンのキャラだけで50音

さらに、対応させるイラストにテーマのある あいうえお表というのも見かけたがこれも除外した。

たとえば、乗り物しばりでイラストが割り振られていたり、「アンパンマン」のキャラクターが割り振られているようなものだ。

乗り物やアンパンマンのキャラクターだけで50音そろえるというのはすごいが、集計にあまり意味がなさそうだ。
ライターT・斎藤さんから教えてもらった「ひらがないろは」は、昔ながらの色の名前しばりで50音に割り振られている
ライターT・斎藤さんから教えてもらった「ひらがないろは」は、昔ながらの色の名前しばりで50音に割り振られている
「メロンイエロー」が釈然としない、と斎藤さん。こういう あいうえお表もあるのか!
「メロンイエロー」が釈然としない、と斎藤さん。こういう あいうえお表もあるのか!

大人向けっぽいのも除外

子どもの勉強用に作られたのとはちょっと違うのかなという あいうえお表にもめぐり合った。

雑貨屋にあったこちらは1枚のシートではなく別々に窓に貼れるようになっている。
ひらがなではなく、カタカナ表か。なにしろカラフルでかわいい
ひらがなではなく、カタカナ表か。なにしろカラフルでかわいい
「ヒ」が「ヒヒィ〜ン」
「ヒ」が「ヒヒィ〜ン」
単語の選定もおしゃれだったり、ちょっとユニークさを入れているようだ(そういえば、ネットでは「大人のあいうえお」表」というのも流行しましたね)。

おもしろいが、今回はウケ狙いで作っていない子ども向けのあいうえお表だけに焦点を絞った。できるだけ100円ショップで売られているような、軽いタイプのものに重点を置いている。

そうして明らかになってきたあいうえお表のシェア

さて、こうして集められた あいうえお表。文字ごとのイラストを50音で集計してみた。

思った以上に各文字でのシェア争いは熾烈なものであった……!
「も」では「もも」がとんでもない強さを見せた!
「も」では「もも」がとんでもない強さを見せた!

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