ちしきの金曜日 2012年2月17日
 

「短冊地割り」がおもしろい

真ん中のあぜ道を挟んで左右に短冊状の地割りが連続していっています、っていう地味な絵。
真ん中のあぜ道を挟んで左右に短冊状の地割りが連続していっています、っていう地味な絵。
最初にいっておこう、今回の記事は地味だ。ちょう地味だ。

まあ、ぼくの書く記事が派手だったためしはないけど、それにしても今回のはひどい。今書いていて自分で途方に暮れるぐらい地味だ。

でも楽しかったんだよなー、短冊地割り。
もっぱら工場とか団地とかジャンクションを愛でています。著書に「工場萌え」「団地の見究」「ジャンクション」など。

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謎の短冊状地割り

過日、Googleマップで埼玉県狭山市付近の航空写真を見ていたら、とても気になるものを見つけた。
畑が不思議な並び方をしている(大きな地図で見る
場所は狭山市と所沢市と三芳町の境界。

見れば見るほど、すごーく細長い地割りで、ちょっと気持ち悪いぐらいだ。
ながほそい。なんだこれ!(大きな地図で見る
「これ、ほかのどこかでも見たことがある…」って思った。どこだっけ…?

で、思い出した。中央線沿いだ!
西荻窪の南から吉祥寺の北、井の頭通りの南北にも短冊状の地割りが!(大きな地図で見る
おしゃれタウン・吉祥寺。中央線沿線のサブカル文化には、いまひとつなじめない人生を送ってきたが、地割りとなれば話は別だ。「吉祥寺は俺の庭みたいなもんだし」とか言ってるやつ、知ってたか!あんたの庭は短冊なんだぜ!
あと新小平駅から東大和市までの、青梅街道沿いも細長い!(大きな地図で見る
探し始めたら、実は日本中いたるところ「短冊」だった。

だが、なんでだろう。なんで短冊なんだろう。

「なぜか」が分からない

とりあえず冒頭の埼玉の三芳町が見事なので、「三芳町 短冊」で検索してみた。

そしたら、実にたくさんの情報が得られた。どうやらこの一帯は「三富(さんとめ)新田」と呼ばれた、江戸時代に畑として開発された地域らしい。その時にこのように見事な短冊状の地割りになったとのこと。
三芳町立歴史民俗資料館・三芳町教育委員会によるパンフレット。なんと、この見事な短冊地割りは地元の名物的扱いだった。
三芳町立歴史民俗資料館・三芳町教育委員会によるパンフレット。なんと、この見事な短冊地割りは地元の名物的扱いだった。
短冊地割りは長手方向にいくつかのエリアに分かれていると。へー。しかし「なぜ短冊状」かは記されていない。なぜだ。常識なのか?
短冊地割りは長手方向にいくつかのエリアに分かれていると。へー。しかし「なぜ短冊状」かは記されていない。なぜだ。常識なのか?
なんだけど。だけど。なぜか「なぜ短冊状なのか」はどこにも情報がない。

なのでtwitterでつぶやいてみた。

三富新田といい、井の頭通りのといい、なぜ短冊状に開墾したかが分からない。Mon Dec 26 13:04:12 via YoruFukurou

そうしたら、答えが!

@sohsai あれ、各敷地からのインフラへのアクセスを最大にしてるんだよね。街道や用水路に最大の個数が平等に接しつつ、耕作「面積」を最大化するとああなる。だから耕作地の方向と、街道や用水路の方向は交差している。Mon Dec 26 13:11:44 via web

twitterすばらしい。いや、石川さんすばらしい。
いままでぼくの記事で何回か登場してもらっている石川さんが見事な解答を。そうかー!そういうことか!(一連のやりとりのまとめは→こちら

いや、なんとなく彼が答えくれると思ってはいたんだよね。てへ。

で、つまりこれがどういうことかというと、こういうことだ。
インフラである道路を最小限に抑えながらなるべく多くの人に耕作地を与えることができるということ。
インフラである道路を最小限に抑えながらなるべく多くの人に耕作地を与えることができるということ。
なるほどなるほど。だから、日本中で同じことが起こるわけだ。

さらに面白いのは、インフラが道路でない場合。たとえば運河。

@sohsai なので、新田開発だと直線の街道や用水なので短冊の「頭」が揃うが、相手が蛇行する河川だったりすると、短冊が曲線に貼り付いて凄いことに。w http://t.co/h80Qviq3Mon Dec 26 13:14:58 via web

ルイジアナの場合。すげー!(大きな地図で見る

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