土曜ワイド工場 2012年2月25日
 

巨大深海魚を釣って食べたら尻から油が!!

尻から油が!?

結局、ありがたいことに捌いた身の大半は僕が譲り受けてしまった。ここでもやはり「くれぐれも食べすぎないように」 との忠告を受けた。

だが今回はそのありがたいお言葉をあえて無視することにする。
禁断のバラムツづくし。我ながらけっこうおいしそうに料理できたと思うが、食事中の方はこれ以降は読まない方がいいと思います。
禁断のバラムツづくし。我ながらけっこうおいしそうに料理できたと思うが、食事中の方はこれ以降は読まない方がいいと思います。
そろそろ明かすが、実はバラムツの脂は人間には消化できないものなのだ。そのため、あまりにたくさん食べると人によってはお腹を壊したりする危険があるそうだ。そんなわけで販売が禁止されているのである。

しかし、恐ろしいのはそれだけでない。腹痛などの異常が出るほど大量には食べなくても、消化できなかった油脂がお尻から流れ出す という、体の健康ではなく食べた人間の尊厳そのものをぶっ壊す現象が起きるのだ。
そんな危険があるのに、釣り人の中には紙おむつをはいてまで食べる人がいるという。確かにその気持ちがわかってしまうほどこの魚はおいしいのだ。
うーん、おむつか…
おむつといえばちょうど先日、両親から「懐かしい写真が出て来たよ」とこんな写真を渡された。
おむつといえばちょうど先日、両親から「懐かしい写真が出て来たよ」とこんな写真を渡された。
僕がまだ1歳の頃の写真だ。虫の本など読んでいる。残念なことにこの頃から精神面の成長は見られないようだ。
父上、母上。あなたの息子はこんな大人に育ってしまいましたよ。
父上、母上。あなたの息子はこんな大人に育ってしまいましたよ。
やはり残念なことに精神面の成長は見られないようだ。
何だろう。両親と、それから昔の自分に詫びたくなってきた。
いい年して今昔の紙おむつ姿をインターネットを通じて世界中に公開する。
もうこの時点で人としてのたいがいの尊厳は失ったとみてもいいのだが、今回はさらなる低みを目指す。

自己責任でガッツリ食います。

よし、腹は決まった。ガンガン食うぜ!
まずは刺身から。
まずは刺身から。
前述の通り掛け値なしにうまい。バラムツを試す機会があったらぜひ口してほしい一品だ。
ただし脂が乗りすぎているためびっくりするほどわさびが効きにくい。大量のわさびを消費しつつ、ペロリと20枚を完食。
バラムツアボカド丼。
バラムツアボカド丼。
アボカドとバラムツをさいの目に切ってわさび醤油であえ、白米に乗せたもの。
脂の乗った刺身用サーモンやマグロのトロで作るとおいしいのでバラムツでもイケるだろうと思って作ったのだが、やはり美味だった。アボカドとバラムツの脂肪が調和しつつ濃厚な味わいを紡いでいる。ただし尋常じゃなく胃はもたれる。刺身にすると10枚分くらいの身を使用。
スタンダードに焼き魚に。
スタンダードに焼き魚に。
最初の挑戦で釣り上げた小さいバラムツは頭を落として焼き魚にした。
身は水っぽくはないがとてもやわらかく、ふわふわした食感だった。味が濃く、ほとんど塩を振らなくてもおいしく食べられた。
ただ、焼いた後のグリルに大量の脂が溜まっていたのにはやや食欲をそがれた。
最後は煮つけ。
最後は煮つけ。
焼き魚もすごくやわらかくなったことだし、こんな脂の多い魚は煮たら崩れちゃうんじゃないかと不安に思っていたのだが、意外にも肉は固く、しっかりとしていた。刺身や焼き魚からは想像できない食感だ。噛みしめると肉から脂がにじみ出ておいしい。
煮るとトゲトゲの鱗が逆立った。
煮るとトゲトゲの鱗が逆立った。
バラムツという名前はこの鱗を薔薇の棘に見立てて名づけられたものだそうだ。
写真を撮る際に素手で持ち上げたところ、この鱗にやられて手のひらがズタズタになった。
でもそういうデンジャラスなところもいいよね…。

さて、無事にすべての料理をたいらげたが、特に体に異変は見られない。
強いて言うなら胃がもたれたくらいか。
その晩はおむつを履き、ベッドにバスタオルを何重にも敷くという厳戒態勢で眠ったのだが、起床時もやはり問題はなかった。
なんだ。全然平気じゃないか。噂の割にたいしたことないな!

が、昼になって臀部に違和感が。
写っていない下半身は大変なことになっています。
写っていない下半身は大変なことになっています。
…出てますね。なんか透明な油が…。

おむつ履いてて本当によかった!しかしこんなにも予兆がないものなのか!?
「便意を覚えたらトイレに駆け込めばいいだろう」くらいに思って構えていたのだが、そんなものは無かった。無意識のうちに、いつのまにかお尻が濡れていたのだ。
イメージ画像。とても写真を掲載できるようなものではないので差し替え用にぴったりの画を漁り出した。こんなどうしようもない写真が役に立つ日が来るのだから人生はわからないものだ。
イメージ画像。とても写真を掲載できるようなものではないので差し替え用にぴったりの画を漁り出した。こんなどうしようもない写真が役に立つ日が来るのだから人生はわからないものだ。
この日は休日だったからよかったものの、自宅以外でこの惨劇を迎えていたらと想像すると恐ろしい…。尊厳と同時になけなしの社会的地位まで失っていただろう。
もう怖くてこの日はずっと家に引きこもっていた。

絶対真似しないでください

バラムツについて調べてみたところ、あるお笑い芸人の方も過去にテレビ番組の企画でこの魚を食べさせられていたらしい(観たかった…)。きっとその方もお尻が残念なことになったのだろう。
お尻がどうこうならまだいいが、仮にも流通が禁止されるような魚である。食べる量や体質によっては健康に重大な害を及ぼす可能性もあるのだ。
食べる機会に恵まれたら自己責任で試してみるのもいいかもしれないが絶対に味見程度にとどめておこう。ごちそうは食べ足りないくらいがちょうどいい。
その向こう側にどんな惨状が待っているかは芸人さんや僕が示しているのだから…。

※バラムツを釣ってみたい方には今回船を出していただいたこちらの釣り船屋さんがオススメ。どちらも腕は確か!

清水港 第三大黒丸
http://sea.ap.teacup.com/daikokumaru/
清水港 大宝丸
http://daihoumaru.jugem.jp/
やはり駿河湾で獲れるアブラソコムツ(上の二匹)というマグロのゾンビみたいな魚もたくさん食べると同様の現象が起こる。よし、今度はこいつを狙おう!
やはり駿河湾で獲れるアブラソコムツ(上の二匹)というマグロのゾンビみたいな魚もたくさん食べると同様の現象が起こる。よし、今度はこいつを狙おう!

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