ちしきの金曜日 2012年3月2日
 

相撲とサッカーを両立する

最終的にはなぜか若者に囲まれることになる
最終的にはなぜか若者に囲まれることになる
運動神経が良すぎるために複数の運動部をかけもちするやつがいるだろう。野球部ではエース、サッカー部では10番を背負う、そんなアイツにゃ彼女もメロメロだ。

また、海の向こうのアメリカにはNFL(アメフト)とMLB(ベースボール)をかけもちするアスリートなんてのもいるというから驚きである。

だが、せっかくならもっと上を目指したい。

かけもちどころか同時に2つのスポーツをこなしてしまうのだ。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。
> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

万能すぎるがゆえのダブルブッキング

かけもちスポーツマンにとって辛いのは、2つの競技の試合日が重なってしまった時だ。いくらスポーツ万能といっても体はひとつだから、どちらかは断念せざるを得ない。

だが、2つのスポーツを同時にこなしてしまえるほどの超アスリートなら話はべつである。
例えば、サッカーとボクシングの大会が重なったとしよう
例えば、サッカーとボクシングの大会が重なったとしよう

超アスリートはスポーツを差別しない

サッカーとボクシングの試合が重なったとする。そこらの軟派なスポーツマンなら、女にモテるサッカーを安易に選ぶに違いない。

だが、究極のアスリートはサッカーとボクシングを両立する。つまり、ボールをキープしながらパンチを避けるという、いばらの道を選ぶのだ。
対戦相手にグローブをつけてあげる、いばらの道の求道者
対戦相手にグローブをつけてあげる、いばらの道の求道者
今回はデイリーポータルZ編集部の安藤さん、同じくライターの西村さんにサッカー、ボクシングそれぞれの対戦相手になってもらう。一方が奪いに来るボールをキープしながら、もう一方が繰り出すパンチを避けるという、亀田兄弟でもやらないトリッキーなスパーリングだ。
グローブをつけてテンションがあがるおじさんたち
グローブをつけてテンションがあがるおじさんたち
なんか楽しそうである
なんか楽しそうである
まず、2人のパンチ力をチェックしボクサーを決める
まず、2人のパンチ力をチェックしボクサーを決める
厳正な審査の結果、ボクサーは西村氏に決定(安藤さんより弱いというのが決め手となった)
厳正な審査の結果、ボクサーは西村氏に決定(安藤さんより弱いというのが決め手となった)

2分間パンチを避けつつボールキープ

ルールは簡単。アマチュアボクシングの1ラウンドにあたる2分間、西村さんが繰り出すパンチを避けつつ、安藤さんからボールをキープする。最終的にノックアウトを免れ、ボールを保持できていれば僕の勝ちとする。

なお、僕からはパンチを一切出さない、また一度ボールを奪われても、奪い返すのはアリとする。

果たしてサッカーとボクシングの両立は可能なのだろうか?
緊張のゴング
緊張のゴング
と、同時にキックオフ
と、同時にキックオフ
ちなみに、サッカー歴9年です
ちなみに、サッカー歴9年です
足元に集中しすぎるとパンチが襲ってくる
足元に集中しすぎるとパンチが襲ってくる
パンチに気を取られると足元がおろそかになる
パンチに気を取られると足元がおろそかになる
安藤さんを体でブロックしながらボクサーに対処
安藤さんを体でブロックしながらボクサーに対処
できてる、両立できてる
できてる、両立できてる
と思ったら、こけた
と思ったら、こけた
ボールは安藤さんの足元へ
ボールは安藤さんの足元へ
開始後1分。ボールを奪われる
開始後1分。ボールを奪われる

まだ闘いは続く

足がもつれて転倒し、ボールを奪われてしまった。 写真で見るとKOされたみたいだが、これはボクシングでいう「スリップダウン」(パンチ以外による転倒)というやつなのでノーカウント。どんなアスリートだって、時には何もないところで転ぶというおじいちゃん的失敗をするものだ。



でもちょっと休憩させてください。
疲れるドラえもん
疲れるドラえもん

仕切り直し

すぐにボールを奪い返して、再び体制を整える。スポーツを愛する者として、2人がかりの卑怯者に負けるわけにはいかないのだ。

などと、偽りのスポーツマンシップで自分を鼓舞してみても、とにかくしんどい。酸欠で視界がぼやけ、ひざが笑う。サッカーとボクシングを同時にやると集中力と体力が2倍のスピードで消耗することが分かった。まあ分かってたけど改めて分かった。

これ、思いのほかいいトレーニングだ。亀田兄弟もニワトリ追いかけてないで、これをやればいいと思う。
こういうモンスター、ポケモンにいそう
こういうモンスター、ポケモンにいそう
ボクサーとサッカー選手の間を中央突破
ボクサーとサッカー選手の間を中央突破
追いかけるボクサー
追いかけるボクサー
そしてまた奪われる
そしてまた奪われる
残り時間は少ない。早く奪い返さないと
残り時間は少ない。早く奪い返さないと
しかしその前に立ちはだかるボクサー
しかしその前に立ちはだかるボクサー
やんや、やんや
やんや、やんや
わーい(楽しそう)
わーい(楽しそう)

楽しい

楽しそうだ。とにかく楽しそうである。じっさい現場では3人ともキャッキャ言いながら少年のように狂喜乱舞していた。改めて写真で見てもその狂騒っぷりが伝わってくる。

平日の昼間からおじさん3人が走りまわる姿は見る人が見れば顔をしかめるかもしれないが、色んな人を勇気づけると思う。
しかし体力は限界。安藤さんに三度ボールを奪われる
しかし体力は限界。安藤さんに三度ボールを奪われる
ここで2分経過。試合終了
ここで2分経過。試合終了
パンチは全部避けたが、ボールキープには失敗
パンチは全部避けたが、ボールキープには失敗
この後、とうぶん立てませんでした
この後、とうぶん立てませんでした
結果的にKOされたみたいな形になった
結果的にKOされたみたいな形になった
パンチは全部避け切ったがボールは取られてしまった。サッカーに負けてボクシングに勝利したということになる。

まあ西村さんはやさしいので本気でパンチを打ち込んだりしないのは分かっていたが、そういう相手の社会性も見越したうえで勝利を得るのが大人の処世術というものだ。
ずる賢い知恵だけが蓄積されていく
ずる賢い知恵だけが蓄積されていく

ボクシングとビジネスは両立できない

第二回戦に備えて呼吸を整えていたら、取引先から電話がかかってきた。大事な要件かもしれないがどうしよう、僕は今グローブをしているので電話を取ることができない。


ボクシングとサッカーは両立できるが、ボクシングとビジネスは両立しにくいことが分かった。
電話がとれない
電話がとれない
安藤さんに介助してもらって事なきを得た
安藤さんに介助してもらって事なきを得た
お手数かけます
お手数かけます
先方も電話口の向こうにこんなコミカルな状況が広がっているとはまさか思うまい。じっさい本当にけっこう大事な要件だったので、会話の内容とふざけた格好の折り合いをつけるのに苦労した。

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