ロマンの木曜日 2012年3月8日
 

町の名前が教えてくれる

町の名前から、隠れた歴史が分かる(かもしれない)
町の名前から、隠れた歴史が分かる(かもしれない)
道ばたに、その町の名前の由来が書かれた説明板が立ってることがある。

ああいうのってふだん読まない。なにしろ急いでるし、あんまり興味ないから。でも読んでみると、確かにその町の成り立ちが名前からよく分かることがあって面白い。

町の名前が教えてくれるのだ。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。
> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

千代田区三崎町

個人的な話になるが、以前、自分が出したゴミがどういう経路で運ばれていくのが気になって、ゴミ収集の作業の人に聞いてみたことがある。

答えは「いったんミサキに集めるんだよ」だった。
「ミサキに集めるんだよ」
「ミサキに集めるんだよ」
ミサキっていうから海辺の岬に持っていくのかなと思ったら、そうじゃなくて千代田区の水道橋駅の近くにある三崎町っていうところにあるゴミ処理施設に運ぶという話だった。そこから船で神田川を通ってお台場までもって行くんだそうだ。
こうやって船で運ぶんだねえ
こうやって船で運ぶんだねえ
ここで集めてるのは主に千代田区の燃えないゴミ
ここで集めてるのは主に千代田区の燃えないゴミ
このときは、水道橋にそういう町があるんだ、岬じゃないんだとだけ思っていた。

なんと岬でした

ところが最近、通勤途中にある町名由来板を見てびっくりした。

『三崎村は、日比谷入江に突き出した「ミサキ(岬)」だったため、この名が付いたと伝わっています』とかろやかに書いてあるのだ。なに、やっぱり岬だったの!?
三崎町の町名由来板ガイド
三崎町の町名由来板ガイド
ここで一回地図を見てみよう。三崎町は水道橋の近くだ。こんなところまで海だったとはとうてい信じられない。
まんなかが三崎町
次に地形図を見てみる。これは土地の高さに応じて色を塗り分けた地図だ。
陰影段彩図。日本地図センター発行の1:25000デジタル標高地形図より
陰影段彩図。日本地図センター発行の1:25000デジタル標高地形図より
話が急に飛ぶが、大昔(六千年くらい前)はこのあたりの海が2〜3メートルほど高かったらしい。そこで、ためしに海を3メートルほど高くしてみよう。この図だと、ごく薄い緑になっているところを海の色に塗ってみる。
おっ!海辺になったよ
おっ!海辺になったよ
なるほど。

ただし上の図は、大昔の海岸線がこうだったというわけでは全然ないですのでご注意を。現在の地形図を目で見て、色の薄いところをえいやっと塗ったらこうなったという遊びです。でも少なくとも三崎町は岬っぽいところだったのかもしれないなという気はする。

実際、江戸時代の前までは日比谷までまだ入り江だったし、神田川はなんと日比谷に注いでたので、神保町のあたりは神田川流域の湿地のまま、三崎町はそこに突き出た岬になっていたのかもしれない。
この町がねえ
この町がねえ
今では信じられないけど、ここがかつて海沿いだったらしいっていうことを、町の名前が教えてくれているのだ。

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