ちしきの金曜日 2012年3月9日
 

アメリカから焚き火台がやってきた

癒し。
癒し。
ウッドストーブとかネイチャーストーブといわれる分野がある。

木の枝を集めてきて小規模に焚き火ができる道具だ。

日本で売られているものの他にも、本場アメリカはじめ全世界ではいろいろな種類のストーブが開発されていて、調べてみると結構おもしろい。

今回、日本では売られていないネイチャーストーブをアメリカから取り寄せてみた。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。

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注文してから約1ヶ月半

ある日、一つの小包がとどいた。大きさの割りに非常に軽い。空なんじゃないかと思うほどである。Amazonとかから届く箱に比べるとダンボールが幾分ざらついていて、送り状的なものは貼られずに直で接宛先が書かれていた。なんというか、全体的にラフな小包だ。
実物。
実物。
発信先はUSAとなっている他は達筆すぎてよく読み取れない。
発信先はUSAとなっている他は達筆すぎてよく読み取れない。
差出人、アメリカ。アンドウサノリ、というのはおしい(正解は:アンドウマサノリ)。
差出人、アメリカ。アンドウサノリ、というのはおしい(正解は:アンドウマサノリ)。
届いた時は正直なにかわからなかった。手に取ってみて大きさと軽さ、それから差出人の「アメリカ」から、年が明けてすぐに注文していたネイチャーストーブだと思い当たった。そのくらい忘れた頃にやってくるのだ。

さっそく開けてみよう。
中がどうなっているのかまったくわからないので慎重にカッターを入れる。
中がどうなっているのかまったくわからないので慎重にカッターを入れる。
大げさなほどの緩衝材に包まれて入っていたのは。
大げさなほどの緩衝材に包まれて入っていたのは。
今回はどうせならということで大きい物から小さい物まで、全種類のストーブを注文しました。
今回はどうせならということで大きい物から小さい物まで、全種類のストーブを注文しました。
ネイチャーストーブには決まった形とういものがない。メーカーによって(メーカーというかほとんどが個人で作っているレベル)形も大きさも実にさまざまなのだ。それら個性がまた楽しい。

比較のため、これまでに集めたネイチャーストーブを紹介したい。
家のあちこちに置かれているのでちょっとすみません。
家のあちこちに置かれているので、ちょっとすみません。
これは折りたたみ式のもの。こういうヒンジ(ちょうつがい)があるタイプは熱で変形して折りたたみが出来なくなる場合がある。
これは折りたたみ式のもの。こういうヒンジ(ちょうつがい)があるタイプは熱で変形して折りたたみが出来なくなる場合がある。
こちらはもっとシンプルな円筒形のもの。はずしてたたむことができる。
こちらはもっとシンプルな円筒形のもの。はずしてたたむことができる。
一方向にまとめるとかなりコンパクトになる。
一方向にまとめるとかなりコンパクト。
では今回、遠くアメリカからやってきたストーブを見てみよう。商品名は「ブッシュクッカーLT」という。木の枝(ブッシュ)で調理(クック)する、という意味だろうか。LTがなんなのかわからないがLTのつかないただの「ブッシュクッカー」というまったく違う形状のものも存在するので、きっとなにか意味があるのだろう(ライトチタン?)。
ブッシュクッカーLTそろい踏み。
ブッシュクッカーLTそろい踏み。
ブッシュクッカーLTは円錐の上の部分を切り取った形をした本体が、内壁と外壁の二重構造になっていた。内壁と外壁にはそれぞれ穴が開けられていて底板はプロペラ状になっている。もちろん動力はないので回転することはない。
底板。回転こそしないが、プロペラのようになっている。
底板。回転こそしないが、プロペラのようになっている。
内壁上部には穴が。溶接は結構ざつである。
内壁上部には穴が。溶接は結構ざつである。

ネイチャーストーブは大きく分けて2種類に分けられる。一つはシンプルに火を囲うだけのタイプ。もう一つは壁が二重構造になっていて空気の流れにより燃焼ガスを効率よく燃やすタイプ。

今回購入したブッシュクッカーLTは後者、二次燃焼と呼ばれる複雑な仕組みを持っている。開けられた穴やプロペラみたいな底板の形状は燃焼に必要な空気をうまく循環させるための工夫なのだろう。

この日は朝から雪でした。焚き火をするにはもってこいの寒さ。
この日は朝から雪でした。焚き火をするにはもってこいの寒さ。
燃え方の比較のため、他の形のストーブにも火を入れてみましょう。
燃え方の比較のため、他の形のストーブにも火を入れてみましょう。
比べるのは同じく二重構造を持つストーブ「ブッシュバディ」。上部を外して下部に収納できるので非常にコンパクトに収まる。
比べるのは同じく二重構造を持つストーブ「ブッシュバディ」。上部を外して下部に収納できるので非常にコンパクトに収まる。
こちらは囲いだけのタイプ「バーゴ・ヘキサ」。チタン製なので熱によって青っぽく変色している。
こちらは囲いだけのタイプ「バーゴ・ヘキサ」。チタン製なので熱によって青っぽく変色している。
都会ではなかなか庭先で焚き火を、というわけにもいかないと思う。ネイチャーストーブくらいの小さな焚き火でも許されない地域もあるだろう。自信がない場合は焚き火オッケーのキャンプ場で使ってもらいたい。今回は周囲に迷惑がかからないことを確認したうえで、自宅の庭で行っています。
ストーブに収まるよう、樫の木の端材をさらに小さくする。
ストーブに収まるよう、樫の木の端材をさらに小さくする。
この作業もまた楽しい。
この作業もまた楽しい。
ネイチャーストーブはもともとキャンプなどに持っていって、落ちている木を拾って燃料にするのだが、今回は臼を作った時に出た端材を使う。臼にはケヤキを使うのだが、ケヤキはうまく縦に割れないので、杵を作ったときに出た樫の木を使った。今のところこれが一番よく燃えると思う。
セット完了だぜ。
セット完了だぜ。
樫の木の端材の上にカンナくずを乗せてマッチを擦ると、火が意思を持っているかのようにメラメラと燃え伝わっていく。眺めているだけで心が安まる瞬間である。
このくらいの火でも十分暖かいのです。
このくらいの火でも十分暖かいのです。
ネイチャーストーブは火を入れた時が一番かっこいいと思うのだ。
ネイチャーストーブは火を入れた時が一番かっこいいと思うのだ。
こちらもよく燃えている。
こちらもよく燃えている。
3つともに炎の出方に特徴はあるが、それぞれよく燃える。
3つともに炎の出方に特徴はあるが、それぞれよく燃える。
!
今回買ったブッシュクッカーLTの特徴である二次燃焼(燃焼ガスを循環させて火の勢いを保つ)だが、きれいに内壁の穴から炎が上がっていて構造的に成功していることが確認できた。完全燃焼なので燃やし始め以外、黒い煙がほとんど出ないのがすごい。
よく見ると上部の穴から炎が上がっているのがわかる。
よく見ると上部の穴から炎が上がっているのがわかる。

消すときもゆっくりと

ネイチャーストーブは金属で出来ているため、中で火を燃やすと本体もたいへん高温になる。直接触ってはいけないのはもちろんのこと、火を消す時にも本体に水をかけてはいけない。急激に冷やされると変形してしまうことがあるのだとか。ここはゆったりとした気持ちで自然に冷えるのを待つのがいい。
火が消えてもストーブが自然に冷えるのを待とう。
火が消えてもストーブが自然に冷えるのを待とう。
端材をくべながら炎を見ているとそれだけで楽しいのだ。何が楽しいのかわからないのだが、常に変る火の様子や薪の燃え方、ストーブの色の変化なんかをぼーっと見ていると、小規模ながらとても満たされた気分になる。もちろんここにヤカンでも置けばお湯も沸かせるのだけれど、こうやって純粋に火を見るためだけの焚き火も面白いものですよ。

いいもの買った

注文しても1ヶ月以上まったく音沙汰がなかったり、引き落としの円ドル換算がよくわからなかったり(これは支払い方法にもよる)、催促のメールをしたら「すぐ送るよ!」って妙にフレンドリーだったり(でも来ない)、いろいろ不安は伴うが、日本に売っていないものを海外から買うというのは物が見えないラジオショッピングみたいな面白さがあってそれだけで楽しめた。もちろん今回は届いたストーブにも大満足である。これからも小さな焚き火で楽しみたいと思っています。
お前も買えよ!(全体的に写真は筆者ではありません)
お前も買えよ!(全体的に写真は筆者ではありません)

 

撮影協力
柴田さん(臼職人)

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