フェティッシュの火曜日 2012年3月20日
 

コロッケとメンチの境界を探る

肉入りコロッケとメンチカツの境界線はどこだ
肉入りコロッケとメンチカツの境界線はどこだ
コロッケには肉が入っている。
コロッケの肉をどんどん増やしたら、いつかメンチカツになるのではないだろうか。
1973年北海道生まれ。物心ついた頃から飽きっぽい。そろそろ自分自身にも飽きてきたので、神様にでもなってみたい今日この頃。

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コロッケとメンチカツの違い

お弁当に入っている揚げ物、コロッケだと思って食べたらメンチカツだった時のあの感激。
若いころは、その喜びだけで一週間くらい幸せに過ごせるような気がする。
けれども僕は大人になり、コロッケのよさにも気付きはじめた。
しかしまだ、メンチカツの喜びは消えることはない。
これはメンチカツサンド。上野駅に行った特はよく食う
これはメンチカツサンド。上野駅に行った特はよく食う
先日食べたメンチカツには、すこしイモが入っていた。
それがメンチカツの脂っぽさを中和して、とてもおいしかった。
どうやら僕もがっつり脂系よりも、優しさに幸せを感じる年齢になってしまったようだ。
しかし、はやり僕は肉が好きだ。
肉が好きだからこそ、あのポテトの優しさが幸せだったのだ。

ところで、このポテト入りメンチカツ、ポテトの量を増やしていけばコロッケになり、その逆に、コロッケの肉を増やしていけばメンチカツになるんじゃないだろうか。
そう思ったのが今回の企画の出発点である。
というわけで、イモをゆでる
というわけで、イモをゆでる

肉に火が通っているかいないか

さて、コロッケとメンチカツの一番の違いはなんだろうか。
もちろんイモベースか肉ベースか、ということになるのだけれども、もうひとつ大きな違いに、挽肉にあらかじめ火を通すか通さないか、ということがある。
玉ねぎも炒める
玉ねぎも炒める
メンチカツは、挽肉に炒め玉ねぎを入れて、型を作って揚げるが、コロッケは炒めた挽肉玉ねぎをイモに混ぜて作る。
これは大きな違いである。
なので今回は、コロッケ→メンチへのアプローチと、メンチ→コロッケへのアプローチ、二つの方法でコロッケとメンチの境界を探ってみることにする。
ゆであがったイモを潰す
ゆであがったイモを潰す

炒め挽肉で作るメンチカツと、生の挽肉を混ぜ込むコロッケ

ということで、コロッケのイモを段階的に減らし、炒め挽肉だけのイモなしコロッケと、大量のイモが入ったほぼイモだけのメンチカツを作ろうと思う。
コロッケ用の肉を炒める
コロッケ用の肉を炒める
普通の肉入りコロッケ、肉が半分くらい入ったコロッケ、肉のみのコロッケ。
普通のメンチカツ、イモが半分くらい入ったメンチカツ、ほとんどイモのメンチカツ。
この6種類を作って、コロッケとメンチカツの境界線を見きわめよう。
しかし、肉のみのコロッケはたぶん型をつくれないので、つなぎとしてごく少量のイモを入れることにした。
まずは普通のコロッケ
まずは普通のコロッケ
そしてイモが半分くらいの
そしてイモが半分くらいの
コロッケ
コロッケ
さらに限りなく肉ばかりの
さらに限りなく肉ばかりの
コロッケ
コロッケ
続いて普通のメンチカツ
続いて普通のメンチカツ
イモが半分くらいの
イモが半分くらいの
メンチカツ
メンチカツ
ほとんどイモの
ほとんどイモの
メンチカツ
メンチカツ
こんな感じで色とりどりだ
こんな感じで色とりどりだ

あとは普通に作る

イモに生の挽肉を混ぜ込んだのがちゃんと肉まで火が通るのかと、限界まで肉でつくったコロッケが、割れずに揚がるかが心配だが、ここから先は一般的なレシピで作ってゆく。
肉だけコロッケも何とかなりそう
肉だけコロッケも何とかなりそう
パン粉をつけて揚げたら
パン粉をつけて揚げたら
できあがり
できあがり

普通のコロッケ

コロッケって手作りするとなんでこんなにうまいのか。
肉屋さんで売っているようなコロッケも、洋食屋さんの付け合わせのコロッケもとてもおいしいのだが、手作りのコロッケはなぜかうまい。
おにぎりは自分でにぎるよりも人に作ってもらった方がおいしい気がするが、コロッケは自分で作るとうまい。
こまったことに、うまい
こまったことに、うまい

肉の多いのコロッケ

ただでさえうまいコロッケに、さらに肉がたっぷり入っているんだから、うまいうまいである。
肉の多いコロッケは、うまいうまいだ。
このうまいうまい肉の多いコロッケは、贅沢な感じがビンビンと伝わってきて、むしろメンチカツよりもリッチな気分になる。
お肉たっぷり
お肉たっぷり

ほぼ肉のコロッケ

炒め挽肉を揚げたコロッケは、当たり前だがメンチカツよりもパサパサしている。
そして、あらかじめ炒めることで脂が抜けていて、その分をつなぎのイモがフォローしている感じだ。
メンチカツのようで、そうじゃないような、微妙な食べものである。
これを「はいメンチカツですよ」と出されたら、ちょっと首をかしげつつも、うまいなあとおもって食べてしまうだろう。
かなり不思議なメンチカツ
かなり不思議なメンチカツ

ほぼイモのメンチカツ

生のままの挽肉をイモに混ぜ込んだメンチカツ、本来はコロッケになるべき存在であるが、微妙にコロッケではないポテンシャルを秘めている。
ごく僅かに、肉のワイルドさが顔を覗かせているのである。
コロッケなはずなのに、コロッケじゃない、羊の皮を被った狼といったところだろうか。
ちょっとだけコロッケじゃない感じがする
ちょっとだけコロッケじゃない感じがする

イモたっぷりのメンチカツ

肉といもを半々くらいで作ったメンチカツは、同量のレシピで作ったさっきのコロッケとおなじ味になるかと思いきや、こちらの方がジューシーで味も深い。
肉のうま味がポテトに溶け出しているのと、肉の食感にやわらかさが残っている。
これくらいイモが入っていても、十分にメンチカツとしての存在感を保っているのだ。
これが今日一番うまかった
これが今日一番うまかった

ふつうのメンチカツ

やはりメンチカツ、といった味のメンチカツだ。
メンチカツなんだから当たり前なんだけど。
でもはっきりと「肉ばかりコロッケ」とは違う、凝縮されたうまさがある。
肉のうま味を味わうには、これが一番なのだろう。
安心感のある味
安心感のある味

【結論】コロッケに境界はない

さて、肝心の「コロッケとメンチの境界」であるが、やはりコロッケはコロッケ、メンチはメンチであるということがわかった。
イモをどれだけ増やしてもメンチカツとしての威厳は保たれ、そして肉をどれだけ増やしても、コロッケはコロッケ然としたスタンスを守り続ける。
揚げ物6個を食べた胸やけの胃袋を押さえつつ、この二つの料理の毅然とした立ち振る舞いに、あらためて感動を覚える次第である。
左がメンチで右かコロッケ。どちらもイモが半量入っているんだけれど、メンチの方が肉っぽさでは勝っていたが、贅沢さではコロッケに軍配があがる
左がメンチで右かコロッケ。どちらもイモが半量入っているんだけれど、メンチの方が肉っぽさでは勝っていたが、贅沢さではコロッケに軍配があがる
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