はっけんの水曜日 2012年4月4日
 

30年ぐらい前のなぞなぞ本のなぞなぞがすごい

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30年ぐらい前のなぞなぞ本が家にやたらある。これらのなぞなぞ本のなぞなぞが、今読み返してみると、なんだかすごいのだ。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

まずは、最近のなぞなぞ本のレベルを確認しておきたい

30年前のなぞなぞ本をふりかえる前に、まずは最近のなぞなぞがどういうものなのか、確認しておきたいと思う。

こちらの2007年初版の「バカウケなぞなぞ大全集」(主婦と生活社)からいくつか問題を見てみたいと思う。
2010年までで6刷されている
2010年までで6刷されている
まずはこちら。
「やること」の違いを考える
「やること」の違いを考える
Q、歌手、小説家、画家のうち、秘密のない人はだれ?
3つの職業のうち、やることが1つだけ違うものを考えると自ずと正解がみえてくるのではないだろうか?

そう、答えは「歌手」だ。なぜなら「書く仕事(かくしごと)をしないから」だ。
なるほど納得の答え。

続いてもうひとつなぞなぞを見てみたい。
かなり難しい
かなり難しい
Q、田中さん、江藤さん、鈴木さんの3人がいます。にっこり笑うと父親になる人はだれ?
この問題、かなり難しいと思う。正直に白状すると、ぼくはわからなくて答えを見てしまった。「にっこり笑う」と「父親」を別の言い方で考えて結び付けないと答えがでない。

答えは「江藤さん」だ。なぜかというと「えがおになると、おとうさん」だからだ。

単純な言葉遊びではあるのだけど、問題文でヒントになるような語句を使わないなど、かなり工夫してあるのがわかる。

これだけ難しいなぞなぞは、答えがわからなくて解答を見ちゃったぼくでさえ「ほーなるほどー」って思ったぐらいなので、自力で答えを見つけた時の快感はひとしおだろう、と思う。

他にもなぞなぞは色々とあるのだけど、最近のなぞなぞ本のレベルはこれで十分確認できたと思う。

一方、30年前のなぞなぞ本はどうか?

隙のない最近のなぞなぞ本に比べて、30年ぐらい前のなぞなぞ本はどうだろう?
「新なぞなぞ大全科」秋田書店・昭和58年
「新なぞなぞ大全科」秋田書店・昭和58年
「なぞなぞ大事典1000問」講談社・昭和54年
「なぞなぞ大事典1000問」講談社・昭和54年
30年前といえば、ぼくら団塊ジュニア世代が小学生の頃に読んでいたということになると思う。今回は、上記2冊を中心に30年前のなぞなぞ本がどのようなものだったのか見ていきたいと思う。
まずは「新なぞなぞ大全科」から
「スポッ」
「スポッ」
Q、ミットのかわりにおしりでボールを受けている白ひげのおじいさんがいます。だれ?
お尻が磁石みたいにボールを吸い寄せてる絵が、より一層の混乱を招いてしまう。
30年前のレベル 
30年前のレベル 
「答え:水戸黄門(ミット肛門)」
ミット肛門である。率直に申し上げると、下品。知性の欠片もない。「当時の子供はこんな問題で喜んでいたのか」って思ったけど、30年前の子供って自分たちのことだ! しまった、こりゃ一本とられたわい。

しかし、絵から察するに、「ミット肛門」どころではなく、どう見ても「おしり磁石」にしか見えない。なんだそれ、妖怪か。

読者を置き去りにしたなぞなぞの数々

続いてはこの問題。
車にかんするなぞなぞがけっこうある
車にかんするなぞなぞがけっこうある
Q、三菱自動車のある車をたたきました。どんな音がしたでしょう?
叩いたということなので、例えば「ゴーン」とか「ガーン」とか「ドカドカ」みたいな音をイメージする。おそらく、車の車種にひっかけた擬音なんだろうと思って考えを巡らすもわからない。答えはどうか?
叩いてその音? 
叩いてその音? 
「答え:ギャラ〜〜ン!」
とうぜん「え? 叩いた時の音だよね?」という疑問がわく。しかし、解答欄には「ギャラ〜〜ン!」と誇らしげに書いてあるのみ。この置き去り感はすごい。

置き去り過ぎて禅問答みたいになってる

読者を無視した設問は無数にある。例えばこれ。
偉そうなペンギンだ 
偉そうなペンギンだ 
Q、南極にいるペンギンは、どうして空を飛ばないのか?
ペンギンが飛ばない理由をなぞなぞで考えなければいけない。水の中で飛んでるようにみえるから……いや、それじゃあクイズになってしまう。うーん、わからない。答えは何なのか?
思わず絶句するアンサー
思わず絶句するアンサー
「答え:一度飛んだら、そのかっこうが悪かったので」
えぇっ! それ、なぞなぞっていうか、創作児童文学じゃないの? という思いが渦巻く。
二匹の野ねずみが、大きなたまごからカステラ作りましたみたいなやつ。

こうなると、なぞなぞとは一体なんなのか? という、なぞなぞの自己同一性を今一度検証し直さなければいけない事態が発生する。
もう一つ児童文学っぽいやつ
もう一つ児童文学っぽいやつ
Q、ねそべってるゾウの前で、アリがしきりと足をあげています。なにをしているのでしょうか?
真剣に答えを考えても仕方がない、アリが足をあげている……ただ歩いてるだけ?
ゾウをまたごうとしている 
ゾウをまたごうとしている 
「答え:ゾウをまたごうとしている」
禅問答の世界になってきた。しかし、これはこういうものだという事がわかれば、こちらにも心の準備というものができてくる。なるほどそう来たか、バッチこい。という心境だ

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