フェティッシュの火曜日 2012年4月17日
 

列車に乗ってポーランドの切り絵の街へ

楽しそうなタイトルですが、中身はポーランドの中学生にゲラゲラ笑われるという内容です
楽しそうなタイトルですが、中身はポーランドの中学生にゲラゲラ笑われるという内容です
ポーランドに旅行に来て首都ワルシャワにいた。ワルシャワは都会なので旅行者はちやほやしてもらえず、旅気分は鬱屈していた。

そんな時「電車で一時間くらいのとこに切り絵の街があるよ」と聞いた。おお、ポーランドの田舎でしかも切り絵。それは素敵だけど、行くのわしらでええんかのう。

不安は的中し、異文化につまはじきにされ、のちに和解にいたる東洋人二人の旅をごらんいただきたい。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます

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> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

ワルシャワスロドミチエ駅。切符を買ったのはワルシャワ中央駅。
ワルシャワスロドミチエ駅。切符を買ったのはワルシャワ中央駅。

電車に乗るのが難しい

ポーランドの人はあまり英語を使わない。電車に乗るのも一苦労だ。

駅で切符を買ったらどこにも乗り場がない。複雑な地下鉄構内の地図を見てうろうろしてると、次回のドラクエはこういうゲームになってるのではないかと思うほど難しい。

どうやら発車する駅自体ちがったようだ。初心者にそれは難易度高すぎやしないか。このドラクエに感動のラストはなく、乗り遅れて二時間待ちとなった。
グラフィティが延々つづくワルシャワを抜けると
グラフィティが延々つづくワルシャワを抜けると
風景が変わり
風景が変わり
どんどん田舎っぽくなる。風景は木からして違う。
どんどん田舎っぽくなる。風景は木からして違う。

地方都市ウォヴィチと指宿とハワイについて

目指す街ウォヴィチはワルシャワから50km。都会っぽさが抜けるのに十分な距離だろう。

ウォヴィチの人口は3万人。鹿児島県の指宿市くらいの人口である。お分かりだろうか。ここで問題となってくるのは指宿がどんな町かということだ。

ウォヴィチがどんな町であるかの前に、指宿がどんな町であるか、先にそちらを片を付けることにしよう。

指宿市は「日本のハワイ」を自称しており、毎年4月の市長による「アロハ宣言」があるらしい。

お分かりだろうか。そう、今度はハワイがどんなところであるかが問題になってくるのだ。
こちらがハワイ。気温5度程度。
こちらがハワイ。気温5度程度。

ヨーロッパの地方都市の女子力の高さ

「へ〜、ここが切り絵の街ウォヴィチか〜」

説明ゼリフをそのまま口に出すとコントが始まりそうな空気になっておもしろい。旅先でやってみるのをおすすめしたい。

気温は東京の2月くらいだろう。気温は低いが、日射しが暖かい。頭の中では『世界の車窓から』の音楽がずっと流れている。

こういうの見たことある(!)と、ヨーロッパの街並みにミーハー心丸出しで歩いている。

それは地図を見ただけでちがう。この町は中心に教会と広場があるのだ。なんてメルヘンなんだろう!西武に代わってアリオを中心にした近鉄八尾駅前みたいな町ではないのだ。僕はこの時点で心の牡馬を三回去勢した。

ウーマン・リブ!これからは心に内在する女子力を解放し、ヨーロッパの"田舎"と向きあっていく。
こういう街並みテレビで見たことある!
こういう街並みテレビで見たことある!

町の真ん中には教会と広場が

駅前にあるのは服屋、雑貨屋……「切り絵こっち→」のような分かりやすい情報はなかった。

大体切り絵ってなんだ?民芸品か。お土産屋を探せばいいのか。

歩いているとおっさんが何か言ってくる。あっちだあっち、と教会の方を指さしている。何か見るべきものがあるのだろうか。

そういえば、地方都市に来ていきなり声をかけられた。ちやほやされたい旅行者は、今すぐ首都をはなれよう。
町の真ん中に教会と広場がある。それだけで何かの物語みたいだ。
町の真ん中に教会と広場がある。それだけで何かの物語みたいだ。

お祭りか?

教会の前に人だかりができている。何かが始まろうとしている。お祭りか?屋台も出ている。
なんだ?お祭りか?行列ができている
なんだ?お祭りか?行列ができている
屋台が一つだけ出てて、パンと飴とクッキーを売っていた。どれも飾りっぽいもの。
屋台が一つだけ出てて、パンと飴とクッキーを売っていた。どれも飾りっぽいもの。
右端の馬を模したクッキーを食べてみたが、歯が欠けるかと思うほど硬く、ニッキ味がした
右端の馬を模したクッキーを食べてみたが、歯が欠けるかと思うほど硬く、ニッキ味がした

ヨーロッパの田舎旅という壮大な女子会だ

ふらっと来た町でお祭りがやっている。しかもやってるのはでかい数珠を回す地蔵盆のような野暮ったいものではない。ポーランドの民族衣装をまとった若者たちが教会に向かって歩いているのだ。

そして屋台で売ってるのはソースせんべいなんかじゃない。パンとハート型の飴だ。ああ、なんて女子力の高い場所なんだろう。
若者が行列を作って教会の中に入っていく。民族衣装を着た人たちもいた。ウォヴィチは民族衣装を着た聖体節のパレードで有名らしい。
若者が行列を作って教会の中に入っていく。民族衣装を着た人たちもいた。ウォヴィチは民族衣装を着た聖体節のパレードで有名らしい。
もうこの旅それ自体が、壮大な女子会であるような気がした。ここで私はもう二回ほど心の牡馬を去勢した。これで私の牧場に牡馬はいなくなった。

女性としてテンションの上がりきった私は、その心の盛り上がりをどこにぶつけていいかわからず、とりあえず列に混ざってみることにした。
中はポーランドの若者で寿司詰め、いやSUSHI詰めである。
中はポーランドの若者で寿司詰め、いやSUSHI詰めである。

混ざるのに失敗

教会の中はウォヴィチの学生でぎっちぎち。スラブ系民族のすし詰めをはじめて味わった。

このままポーランド人のふりして息をひそめて混ざっていようかと企んでいたが、(…どういうこと?)(なんで東洋人?)そんな視線が飛び交いまくって、私の生体分子が傷ついていく。

プハっと息を吐きながら教会を出た。思えばこの辺りからおかしなことになっていった。
パンパンである。
パンパンである。

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