フェティッシュの火曜日 2012年5月8日
 

タラコの後に鶏をポン酢で食べるとカニになる

タラコをたべたあとに鶏ササミをぽん酢で食べるとカニの味になる
タラコをたべたあとに鶏ササミをぽん酢で食べるとカニの味になる
タラコを食べたあとにササミをポン酢で食べるとカニの味がする。

それは偶然の発見だった。「これカニの味がしないか?」「するする!」ある日の我が家の夕飯で突如カニが出現したのだった。

雷が落ちたあとに残っていた赤く熱い光。火を発見した人類はまたしても偶然に今度はカニを手に入れた。

それではとくとご覧あれ、人類の叡智を。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます
> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

発見したカニを、実家に来てた二人に試食してもらう
発見したカニを、実家に来てた二人に試食してもらう

試食

まず私が発見したこのカニが他の人にもカニなのかどうか試してみよう。

現段階でこれがカニだということに同意してくれているのは私と家内の二人だけである。

今日は連休中のデイリーポータルZのイベントスタッフとして私の実家に泊まりに来ていた若い二人、地主と藤原に試食をしてもらう。
タラコを食べたあと
タラコを食べたあと
ポン酢をつけた鶏ササミを食べると……
ポン酢をつけた鶏ササミを食べると……

食べ方

最初にタラコを一切れ食べてそのまま飲み込んでもらう。これで口の中はタラコの香りと後味で充満する。

その後、鶏のササミをポン酢につけて食べる。香りはタラコ、タンパク質はササミ、味付けはポン酢。そう、そこに現れるのはカニ鍋のカニだ。
イメージはカニ鍋のカニである
イメージはカニ鍋のカニである

「F1?いや、カニだ!」

食べてみると、やはりカニの味がする。口に入れた瞬間、鮮烈なカニのイメージが現れる。サーキットの観客席で見守る私たちの前を、フン!と音を立ててカニのF1が走り去っていくような感覚だ。

「速すぎてよくは見えなかったけど、あれはF1じゃなくてカニだった」

それくらいの自信を持って言えるくらいカニである。その後は噛むほどに鶏ササミの味が強まっていく。

だがトータルでみると十分にカニ。さあ、どうだ。試食の二人よ。
押し黙る藤原
押し黙る藤原
「おいしい!」の過剰表現がウリのあの地主が固まってしまった
「おいしい!」の過剰表現がウリのあの地主が固まってしまった
ふーん、カニの味するけどな
ふーん、カニの味するけどな

問い詰めよう

おかしい。地主と藤原が何も言わずにうつむいている。そんなはずはないとばかりに自分でも食べてみる。いや、カニだ。ちゃんとカニのF1が走っているではないか。

これは一体どういうことなのか。彼らを問い詰めることにした。
藤原に感想を聞く
藤原に感想を聞く

藤原浩一(デイリーポータルZライター)インタビュー「僕は例外ではありません」

――カニだった?

「カニじゃなかった。」

――どちらかといえば?

「ササミだった。」

――カニが好きでないのではないか?

「そうですね、あんまり」

――だから分からなかった、と

「いや、でも分かりますよ。」

――最近カニを食べたのは?

「食べてないですね、一年かそれくらいのスパンで」

――それは分からないはずだ

「そういうこともないです」

――これがカニでなく何だというのだ

「ササミですね」

――タラコを食べただろう

「タラコは口の中からすぐいなくなった。その後、上書きされた感じというか、単純にササミの味になりました」

――こちらがイメージしているカニはカニ鍋のイメージだが

「それはほとんど食べたことがないですね」

――それじゃあ分からないのも道理だ

「社会調査で『例外』とされるケースですかね」

問い詰めても、全く心を改めようとしない藤原。それほどまでにササミの味だったのだろうか。こちらの自信がなくなってきた。同様に地主の方はどうだろうか。
持ち前の「おいしい!」を言っておくれよ、地主よ
持ち前の「おいしい!」を言っておくれよ、地主よ

地主恵亮(デイリーポータルZライター)
「このササミ、おいしいですね」

この話をしたときに、試食が楽しみだと言ってくれていた地主も腹痛をおこしたかのように押し黙ったままだった。

――カニか?

「いや、ササミでしたね」

――どちらかといえば?

「ササミですね……でも、タラコの磯臭さ?海臭さみたいなものはありました」

――それがカニだと思う?

「うーん、海っぽいと思います」

――ん?カニっぽいと?

「カニと言われればカニ……でも食べてるときはササミでした。このササミ、パサついてなくておいしいですね」

――カニみたいにパサついてないと?

「いや、カニではなかったです」

――カニが嫌いになってどれくらい経つ?

「カニは好きです」

――好きだけどカニの味は忘れた、と

「イメージする味はありますよ。(お鍋のカニ?)それとは違う気がしますけど」

――タラコの味は作用したか?

「タラコの支配力はすごかったです!それでもその後はササミの塩味が勝ってました」

――カニについての思い出はあるか?

「中学生の頃にカニ釣りに行きましたね。ワタリガニの小さいやつです。鹿児島県の谷山港というところに。テトラポットみたいなのがあってそこで釣りました。カニがもう見えているので、エサをたらして、上げるともう釣れてるんです。食べましたよ。おいしかった」

――なるほど、それがこの味だと

「いやー……」

――最近カニを食べたのはいつか?

「東京来てから食べてないから、八年くらいは食べてないですね」

――食べたい?

「食べたいと思いますよ」

――食べれてよかったね

「そうですね」

こちらもがんこだった。八年食べてないものの味を思い出せるのかという気もするが、全く折れない。

人ん家に泊まりに来ておいて、その折れなさはなんだ!と怒鳴ってみようか。だがはたしてそれが調査なのかどうか疑問が残るので我慢をした。
納得がいかず、イベント会場に持ち込んで他のスタッフに試食してもらう
納得がいかず、イベント会場に持ち込んで他のスタッフに試食してもらう

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