ちしきの金曜日 2012年5月18日
 

5000円の超高級ロールでしりをふく

高知の老舗が作る超高級トイレットペーパーでしりをふく
高知の老舗が作る超高級トイレットペーパーでしりをふく
「皇室御用達」「皇室献上品」などと銘打たれた商品がある。特に和菓子などに多いのだが、それ以外の我々にとって身近な日用品の中にもそれらを標榜する商品はある。

例えばトイレットペーパー。高知県の望月製紙が作る「羽美翔(はねびしょう)」は3ロール5000円という超高級ペーパーで、平成19年に皇室へも献上された逸品だという。

それにしても、1ロール当たり1500円以上とは! いったいどんな幸せを、我がしりにもたらしてくれるというのだろう。これは試してみなければ。

※この記事には「しり」や「しりをふく」という言葉が頻繁に出てきます。お食事中の方はご注意ください。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。
> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

高貴なしりになりたい

「皇室」と聞くだけで無条件にひれ伏してしまう平民のぼくだが、そのトイレットペーパーを使えば少しは高貴なしりになれるんじゃないだろうか?

さっそく東京で唯一「羽美翔」を取り扱っている目黒区自由が丘の和雑貨セレクトショップ「みぅみぅ」を訪ねた。
自由が丘駅南口徒歩3分、かわいい和雑貨がいっぱいの「みぅみぅ」
自由が丘駅南口徒歩3分、かわいい和雑貨がいっぱいの「みぅみぅ」
あった「羽美翔」。やはり、気品が違う!
あった「羽美翔」。やはり、気品が違う!

床の間に飾りたい

美しくディスプレイされていた「羽美翔」。トイレよりも床の間が似合いそうな、雅なたたずまいである。

しつこいようだが、なんせ5000円なのだ。同じ値段のフルコースは舌を幸せにしてくれるが、こちらはそれと等価の幸せをしりに与えてくれる。
せっかくなのでラッピングしてもらった。日頃の頑張りをねぎらう自分(しり)へのご褒美
せっかくなのでラッピングしてもらった。日頃の頑張りをねぎらう自分(しり)へのご褒美
高級な日本酒を思わせるパッケージ
高級な日本酒を思わせるパッケージ
輝く「皇室献上品」の5文字
輝く「皇室献上品」の5文字

パッケージからしてただものじゃない

「羽美翔」はパッケージも凄い。何でも「京都の伝統工芸職人が、高級土佐和紙を使い丹精込めて作った一品とのこと。もしかしたらこの箱だけで2000円くらいするんじゃないか?

こんなにも丁重に収納されるトイレットペーパーなんて他に聞いたことがない。まさにトレペ界のVIPである。
お目見え
お目見え
トイレットペーパーにこんなに胸をときめかせるのは後にも先にも今日限りだろう。
トイレットペーパーにこんなに胸をときめかせるのは後にも先にも今日限りだろう。
どう飾っても絵になってしまう
どう飾っても絵になってしまう
ホコリの積った部屋も一気に華やぐ美しさ。

「こんなきたねえ部屋にようこそおいでくだせえました、ゲヘヘヘヘ…」。思わず卑しい言葉遣いになってしまうほど徳の高いお姿だ。
思わずひれ伏してしまう
思わずひれ伏してしまう
ふだん100円ショップで買っている4ロール105円のトイレットペーパーも、突然のVIP来訪に心なしかビビっているような気がする。
「平民め、図が高いぞよ」「なっ、なんすかアンタ」
「平民め、図が高いぞよ」「なっ、なんすかアンタ」
将軍と百姓
将軍と百姓
お召し物(包装)をとったお姿もまた雅なり
お召し物(包装)をとったお姿もまた雅なり

しり毛は失礼にあたるのではないか?

こんな気品にあふれまくってるペーパーで、ぼくごとき下民のしりをふいていいものか、正直自信がなくなってきた。

一昨年のクリスマスにやった「SHIRIGESTREAM」を見てくれた人はご存じだろうが、恥ずかしながらぼくのしりにはそれは豪壮な「しり毛」が生えている。そんな荒々しい野武士のようなしりを羽美翔は受け止めてくれるのだろうか。
とりあえずほおずり。ああ…
とりあえずほおずり。ああ…
よく見ると、一枚一枚に詩が書かれている
よく見ると、一枚一枚に詩が書かれている
「とき流れしも 姿変わりしも 受け継がれし 真の心 誇りをもって 和を 奏でる」

一枚一枚に思わずジーンとくるこんな詩が書かれている。もはやトイレットペーパーではなく「碑」といっても過言ではないのではないか。

こんな立派な逸品なのだから、しりをふくだけではもったいない。
コンビニで買った安いまんじゅうも
コンビニで買った安いまんじゅうも
羽美翔を懐紙に使うと高級品のように
羽美翔を懐紙に使うと高級品のように
我が家にあるなんだかわからない植物
我が家にあるなんだかわからない植物
羽美翔で葉をふいてやると
羽美翔で葉をふいてやると
やはり気品が増した
やはり気品が増した
iPadをふいてやると
iPadをふいてやると
神通力で新しいiPadになったりはしなかったが気品が5倍アップした
神通力で新しいiPadになったりはしなかったが気品が5倍アップした
お品書に使ってみると
お品書に使ってみると
いつものカレーが高級ホテルのカレーになった
いつものカレーが高級ホテルのカレーになった
目薬をたらすと
目薬をたらすと
疲れ目がとれるうえに、目に気品が宿る
疲れ目がとれるうえに、目に気品が宿る
と、色々やってみるもなかなか「しりをふく」ふんぎりがつかない。羽美翔はそれほどまでに高貴すぎるのだ。

考えてみれば、いきなりしりをふくというのはいくらなんでもハードルが高すぎる。まずはジャブ程度に鼻でもかんでみよう。
チーン!
チーン!
こ、これはっ!!
こ、これはっ!!

いよいよ、しりをふく

やわらかな感触が鼻を包む。まるで天女の羽衣のようである。今までに使ったどんなティッシュよりもやさしく、鼻がとろけそうだ。

まさに至福。この幸せを、しりにもぜひ味わわせてやろう。
いよいよ満を持して、しりをふく
いよいよ満を持して、しりをふく
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
絹のような滑らかな感触がしりを受け止める。それは、どんな業をもそっと包み込むような、やさしい肌ざわり。ぼくのしりとして生まれて31年。初めての幸福な体験を、いま、我がしりは味わっている。一瞬すべてのストレスや悩みから解放され、なんとも穏やかな心持ちになれた気がした。ヒトの幸せとは、しりの幸せのことだったのかもしれない。

ぜひこの幸せをみんなにもおすそ分けしたい。
というわけで、羽美翔をもって外へ
というわけで、羽美翔をもって外へ
近所の公園へやってきた
近所の公園へやってきた
そう、公衆トイレに羽美翔を設置してみるのだ
そう、公衆トイレに羽美翔を設置してみるのだ
ちょうどいいことに、ペーパーがカラだった
ちょうどいいことに、ペーパーがカラだった
羽美翔をセット
羽美翔をセット
「皇室献上品」もアピールしておく
「皇室献上品」もアピールしておく

世の中のしりを幸せにしたい

べつに見返りなんて求めてない。ただ世の中のしりたちを幸せにして、みんなの笑顔が見たいだけである。
しり幸福党の党首
しり幸福党の党首
しかし、なかなか「大」に入るしりは現れない。
1時間経過
1時間経過
じっとその時を待つ、しり界の伊達直人
じっとその時を待つ、しり界の伊達直人
1時間半待ってみたが、けっきょくあのトイレを使うしりは現れなかった。よし、利用者数の多い駅前のトイレに移動してみよう。
駅前の公衆トイレ
駅前の公衆トイレ
セット完了
セット完了
仕事でミスして落ち込んだしりも、彼女にフラれて悲しいしりも、どんなしりでもドンと来い。羽美翔はすべてを受け止めてくれる。

さあ、存分にふくがよい!
極上のしり体験が待っているとも知らずトイレに入ったおじさんも
極上のしり体験が待っているとも知らずトイレに入ったおじさんも
出てくる頃には心なしかしりが軽やかに
出てくる頃には心なしかしりが軽やかに
厳格なしりをもつ紳士も
厳格なしりをもつ紳士も
どこか満足げにトイレを後にしたのだった
どこか満足げにトイレを後にしたのだった
労働で疲れたしりもリフレッシュ!
労働で疲れたしりもリフレッシュ!
羽美翔を使ったあとのしりたちはみな、どこか穏やかな表情を浮かべているように見えた。もしかしたら単純にスッキリしただけかもしれないが、みんなの笑顔が見れてぼくは満足だ。

心安らぐしり体験をあなたもぜひ

羽美翔のパンフレットには「蝶が大空を舞っているような、心安らぐ世界であってほしい…。そんな願いをこめてつくりました」と書かれていた。羽美翔がしりを受け止めるまさにその瞬間、便座をテイクオフし大空へ向けてしりは旅立つのである。
しばらくしてから見に行くと、羽美翔はだいぶ減っていた。こんなにも数多くのしりに幸福をおすそ分けできたかと思うと感慨深い
しばらくしてから見に行くと、羽美翔はだいぶ減っていた。こんなにも数多くのしりに幸福をおすそ分けできたかと思うと感慨深い
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