特集 2012年6月6日

商店街のお祭りはミステリー ~西小山ミステリーツアーとは

お祭り! ハイサワー! だけど、ミステリー。
お祭り! ハイサワー! だけど、ミステリー。
「西小山ミステリーツアー」という名前は知っていた。

東京の品川区と目黒区のちょうど境、東急目黒線の西小山駅からつながるいくつかの商店街で行われているイベントだ。謎解きをしながら街歩きを楽しむ「ウォーキングイベント」らしい。

ひらたく言えば商店街のお祭りだろう。どのあたりがミステリーなんだろう。

行ってきました。ものすごくちゃんとしたミステリーで、しかもとんでもなく盛り上がったお祭りでした。
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

前の記事:北京ダックの皮で鮭を包む

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

街中の人がピンクの紙を持っている?

私は寿司をぶら下げて走っていた。街中の人がみなピンクの紙を持っているから。

ピンクの紙の人たちは「ミステリーツアー参加者の人たちだ!」と直感で分かった。みなさん紙を真剣に見つめ、「あっちかな? こっちかな?」などと相談しながら歩いている。

西小山に住む祖母にランチ寿司を買ってくるよう頼まれたのだ。祖母と一緒に寿司を食べてからゆっくりこの「西小山ミステリーツアー」に参加するつもりだったのである。

まさかこんなに参加者の出足が早いとは。人気イベントをあなどっていた。早く私も参加したい! そんな思いで気が急いた。
みんなピンクの紙をもって歩いている!
みんなピンクの紙をもって歩いている!

今年は5/26(土)、27(日)に開催

「西小山ミステリーツアー」は今回で4回目。昨年は東京都が
実施する商店街グランプリというコンテストでも第3位の「優秀賞」を受賞するなど勢いに乗っている。

今年は5/26(土)と27(日)の週末が開催日。開催時間は11時から16時で、所要時間は約2時間とチラシには書いてある。

16時までに謎を解いてゴールすれば抽選で商品がもらえるということだった。
旗やポスター、立て看板から掲示板まで開催前はミステリーツアー押しですごいことになっていた
旗やポスター、立て看板から掲示板まで開催前はミステリーツアー押しですごいことになっていた
そういうことなら焦ることもあるまい、お昼を食べておなかをふくらませてからのんびり挑もうかと思っていたのである。

それがスタート時間の11時にはすでに街中は参加者の方の行き来で妙な熱気に包まれているのだ。

私も祖母との寿司ランチもそこそこに(結局は食べた)、スタート地点の駅前広場に急いだ。
参加者受付は町会のテントがいいかんじ。スタート直後の波が引いた12時にタイミング良くスタートできた
参加者受付は町会のテントがいいかんじ。スタート直後の波が引いた12時にタイミング良くスタートできた
テレビっぽい取材も入っているぞ
テレビっぽい取材も入っているぞ

地図、鉛筆、バインダーと参加者マークをもらう

ミステリーツアーの参加は事前の申し込み制。2日間両日あわせて募集人数は3000人で今年は早々にこの枠がいっぱいになる人気ぶりだそうだ。

受付では「ミステリーマップ」と呼ばれる地図と謎解きのルールの掲載された用紙(さきほど街中で見かけたピンクの紙はこれだった)に青い参加者リボン、それに丁寧にゴルフ場でスコアをつけるときに使うような鉛筆とバインダーが渡された。
バインダーと鉛筆付きというのがかゆいところに手がとどく
バインダーと鉛筆付きというのがかゆいところに手がとどく

ミステリーは始まっている

受付ではテキパキ働くピンクのTシャツのスタッフの方々が対応してくれた。みなさん大変ににこやかであるがヒント説明などは特になしである。そう、すでにミステリーツアーは始まっているのだ。

まずはミステリーマップを熟読しよう。

そもそも「謎解きをしながら街を歩く」というが、どういうことなのか。このイベントがどういった遊びなのかが分かっていない。

読むと、こういうことのようだ。

(1)西小山の街に隠された5ヶ所の「スタンプポイント」を探し当て、スタンプをもらう
(2)同じく隠された17ヶ所の「ミステリーポイント」を探しヒントを集める
(3)集めたヒントから答えを導き出す!
集めたヒントもこのミステリーマップに書き込めるようになっている
集めたヒントもこのミステリーマップに書き込めるようになっている
「スタンプポイント」と「ミステリーポイント」の場所はミステリーマップ上にすべて掲載されているので、地図を頼りにポイントを探せばよいわけだ。

頭を使う難解なイベントかと思っていたがこれならミステリー音痴の私にもできそうだぞ。

ちなみに、子どもは「スタンプポイント」5つさえ集めればゴールしていいルール。

参加者によって難易度が変えられるようになっているのだ。
子連れでも楽しめるということで子どもを2人連れての参加。よし、謎解くぞ!(しかし背中の子どもは寝そうです)
子連れでも楽しめるということで子どもを2人連れての参加。よし、謎解くぞ!(しかし背中の子どもは寝そうです)

参加者の層がとんでもなく厚い

さあ、と地図を持って街へ出た。すぐ気づいたのだが、参加者の層が異様に厚い。

家族連れや子どもだけのグループ、若いカップルにベテラン夫婦、若い女の子グループからおばちゃんグループにミステリーファンらしきいいカメラを首からぶらさげたグループ、おじいさん、おばあさんもいる。一人で参加している人も少なくないようだ。近所の人もいれば遠方から来ているのだろうなあという人もいた。

これだけ多様な人を巻き込むって、どんなイベントなんだろう。
家族連れやカップルと同じくらい
家族連れやカップルと同じくらい
おばちゃまグループが多かった
おばちゃまグループが多かった

西小山には慣れているんだ

ミステリーを解けば、この参加者の多様性の謎もおのずと解けるだろう。

おじいちゃんもおねえさんも子どももみんなピンクの紙とにらめっこして歩く中、私もさくさく謎をといていこうじゃないの。

実は私は以前10年ほど西小山に住んでいたことがあるのだ。先述の一緒に寿司を食べた祖母と同居していたのである。

引っ越してからもう7年、西小山も駅が地下化するなどずいぶんきれいに変わったが土地勘は今でもある。はっきり言って勝ち戦であるぞ。

まずは西小山アーケードからすずらん通りに抜けるぞ。よし、子どもたち、ついておいで!
と、息子を見たらうまい棒を持っていた
と、息子を見たらうまい棒を持っていた

ミステリーと下町のマリアージュ

気づいたら、手ぶらだったはずの子どもがお菓子を持っている。

なんだなんだ、どうしたそれ。

聞けばどうやらイベントの関係者の方が「ほら坊主、もってけ」的な感じでくださったらしい。お礼を言いたいのだが、いつ、誰に。

そんな「いつのまにか見知らぬ人に良くしてもらっていた」ということが、これだけじゃなくイベント中たびたびあった。商店街のイベントだけあってすごくアットホームで地元からの心からの盛り上げを感じる。

街を歩いて謎解き+とにかくいろんな人がいる+人情があつい。しょっぱなから盛りだくさんである。
あわあわしてたら「はい、どうぞ、飲んでね~」とコーラを差し出された。落ち着こう
あわあわしてたら「はい、どうぞ、飲んでね~」とコーラを差し出された。落ち着こう
このイベント、ミステリーの部分はきっちり作りこまれてあかぬけているのだが、一方で運営は手作りで気持ちよくゆるやかに行われているようだ。

「ミステリー」という言葉が、まさか下町の手作りのお祭りと融合するとは。

さらに進むと、ミステリーと下町のお祭りのマリアージュぶりが大変なことになっていた。
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「ミステリーポイント」を商店で次々発見

このイベントは5つの「スタンプポイント」でスタンプをもらい、17つの「ミステリーポイント」に隠されているヒントを探して街を歩くことになっている。

この各ポイントというのはどこにあるのだろう。草むらにでも隠してあるのか? と思っていたが、どうやらイベントに協力する商店がヒントの掲示を担当しているようだ。

これがどの商店もやたらに個性を打ち出してきているのである。いや、打ち出しているというよりもお店なのでいたしかたなく個性的になってしまうのか。
地図によるとこのあたりにミステリーポイントのチェックポイントがあるはず・・・
地図によるとこのあたりにミステリーポイントのチェックポイントがあるはず・・・
ヒントはヒラリーちゃんに?
ヒントはヒラリーちゃんに?
これか!「0」というのがここのヒントだった
これか!「0」というのがここのヒントだった
八百屋さんでもヒントをゲット
八百屋さんでもヒントをゲット
ミステリーは置いといて、どうぞ、どうぞとパイナップルを食べさせてくれた
ミステリーは置いといて、どうぞ、どうぞとパイナップルを食べさせてくれた
そしてパイナップル大量販売
そしてパイナップル大量販売
こちらはTシャツも売るという勢いのある酒屋さん
こちらはTシャツも売るという勢いのある酒屋さん
アダルト限定で無料試飲を大開催。ヒントをメモし忘れそうになった
アダルト限定で無料試飲を大開催。ヒントをメモし忘れそうになった
とどまる人多数
とどまる人多数
次のミステリーポイントはまた美容院
次のミステリーポイントはまた美容院
炭酸ミスト1回100円?「首や顔にふきかけるとリフトアップするんです」とのこと。ほほう
炭酸ミスト1回100円?「首や顔にふきかけるとリフトアップするんです」とのこと。ほほう
「あっ! ほら、口角上がりましたよ~~!」 まさかミステリーツアーに参加して口角が上がるとは
「あっ! ほら、口角上がりましたよ~~!」
まさかミステリーツアーに参加して口角が上がるとは
続いてのポイントは不動産屋さん
続いてのポイントは不動産屋さん
これ、どうぞ! と差し出されたので何かと思えば…
これ、どうぞ! と差し出されたので何かと思えば…
ミステリーツアー限定賃貸物件情報! そうきたか!
ミステリーツアー限定賃貸物件情報! そうきたか!
この薬局はミステリーポイントじゃないけど…
この薬局はミステリーポイントじゃないけど…
店舗はミステリー仕様に
店舗はミステリー仕様に
かわいすぎる!
かわいすぎる!
整体院もミステリーポイントに参加していた
整体院もミステリーポイントに参加していた
背中をマッサージされるときのあの枕の穴をのぞくとヒントが書いてあるらしい
背中をマッサージされるときのあの枕の穴をのぞくとヒントが書いてあるらしい
わはは、ほんとだ。「4」だ。
わはは、ほんとだ。「4」だ。
から揚げ屋さんでは
から揚げ屋さんでは
から揚げのミステリーパック販売中
から揚げのミステリーパック販売中
飲み放題コースもミステリー仕様(ここでリタイヤする人続出なんじゃ)
飲み放題コースもミステリー仕様(ここでリタイヤする人続出なんじゃ)
ぎゅうぎゅう感がすごい昔からある文房具屋さんもミステリーに参加
ぎゅうぎゅう感がすごい昔からある文房具屋さんもミステリーに参加
週末だけ営業しているロールケーキ屋さんもミステリーポイント。参加店のジャンルが幅広すぎる
週末だけ営業しているロールケーキ屋さんもミステリーポイント。参加店のジャンルが幅広すぎる
迫りくる写真の鉄板焼きやさんもヒントを掲示
迫りくる写真の鉄板焼きやさんもヒントを掲示
カラオヤ屋さんは「ビール飲みながらでも謎は解けますよ~」とアピール
カラオヤ屋さんは「ビール飲みながらでも謎は解けますよ~」とアピール
洋服屋さんではミステリーが1050円で販売中
洋服屋さんではミステリーが1050円で販売中
パン屋さんはどしどし試食を配りながらヒント掲示中
パン屋さんはどしどし試食を配りながらヒント掲示中
古道具屋さんはおしゃれにヒント掲示
古道具屋さんはおしゃれにヒント掲示
そしてたどりついた最後のミステリーポイントは期せずして酒屋さん、なんとビールをサービス
そしてたどりついた最後のミステリーポイントは期せずして酒屋さん、なんとビールをサービス
ただで生ビールって、ただで生ビールって!!!おんぶの娘も目を覚ました!(飲めないけど)
ただで生ビールって、ただで生ビールって!!!おんぶの娘も目を覚ました!(飲めないけど)
うがー(後ろで笑う女将さんの顔が優しい)
うがー(後ろで笑う女将さんの顔が優しい)

日常が非日常

こんなに多様なサービスを一気に受けるということ、そうそうないぞ。

次々と渡される試食、試飲(ビールにいたっては試飲、というよりねぎらいの振るまいだろう)、炭酸ミストで口角があがったかと思えば賃貸住宅の契約までできる。

商店街という、ものすごく日常的なものが非日常なのがおもしろい。
息子のうまい棒に続き、夫は知らない間に誰かに草月流の展覧会の無料チケットをいただいていた。なんだなんだ
息子のうまい棒に続き、夫は知らない間に誰かに草月流の展覧会の無料チケットをいただいていた。なんだなんだ

商店会も気合は十分

さて、そんな楽しい狼狽のなか17ヶ所の「ミステリーポイント」をめぐりながら、途中途中にある「スタンプポイント」も首尾よく通過した。

通過するとミステリーマップにスタンプを押してくれるポイントだ。

こちらは商店ではなく、西小山にある商店会が担当している。で、またこちらのポイントも気合十分だったのである。
一瞬謎解きを忘れそうな展開だが、会場には探偵の格好をしたスタッフの方が巡回していて、そういえばミステリーツアーなんだったと思い出させてくれた(この方は目も青くてすごく雰囲気があった)
一瞬謎解きを忘れそうな展開だが、会場には探偵の格好をしたスタッフの方が巡回していて、そういえばミステリーツアーなんだったと思い出させてくれた(この方は目も青くてすごく雰囲気があった)
かと思えば焼肉屋さんの看板イラストが妙な味わいでまたお祭り気分に
かと思えば焼肉屋さんの看板イラストが妙な味わいでまたお祭り気分に
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「スタンプポイント」=祭り会場

「ミステリーポイント」は店舗の前でお祭りを盛り上げている商店だったが、「スタンプポイント」はひとつひとつがそれこそちょっとしたお祭り会場のようになっていた。

プロのテキ屋さんは入っておらず、ここでもまた力を振るうのは地元商店の方々である。
一番大きかったスタンプポイント。完全にお祭り会場
一番大きかったスタンプポイント。完全にお祭り会場
豆おこわの試食(試食というサイズじゃない)が配られ
豆おこわの試食(試食というサイズじゃない)が配られ
サワー飲んでって! と声がかかる
サワー飲んでって! と声がかかる
ミステリーマップにスタンプを押してもらうと抽選券がもらえて、ゲームや福引ができて
ミステリーマップにスタンプを押してもらうと抽選券がもらえて、ゲームや福引ができて
お菓子やらおもちゃやらをもらった。息子は興奮でよく分からないことになっていた
お菓子やらおもちゃやらをもらった。息子は興奮でよく分からないことになっていた
続いてもまたスタンプポイントあった! と思ったら
続いてもまたスタンプポイントあった! と思ったら
スタンプを押して、またもや抽選券を引かせてくれたぞ
スタンプを押して、またもや抽選券を引かせてくれたぞ
お魚屋さんで何かもらえるようだ。「数」って書いてある?
お魚屋さんで何かもらえるようだ。「数」って書いてある?
行ってみると、数の子のわさび漬けをくれた! 「数」って数の子のことか
行ってみると、数の子のわさび漬けをくれた! 「数」って数の子のことか
続いてのスタンプポイントは、いい味の看板が出ている。パテオDEルーレット?(パテオ、というのは商店会の名前)
続いてのスタンプポイントは、いい味の看板が出ている。パテオDEルーレット?(パテオ、というのは商店会の名前)
スタンプを押してもらうと、ルーレットの方へどうぞー、と
スタンプを押してもらうと、ルーレットの方へどうぞー、と
まわすと……! え、当たりですか?
まわすと……! え、当たりですか?
お寿司のストラップをもらった。何の寿司? 何で寿司?
お寿司のストラップをもらった。何の寿司? 何で寿司?
はずれた息子はまたうまい棒をゲット
はずれた息子はまたうまい棒をゲット
こちらは一転小さいスタンプポイント。いかにも女将さん然としたかっこいいおばさんがスタンプを押してくれる
こちらは一転小さいスタンプポイント。いかにも女将さん然としたかっこいいおばさんがスタンプを押してくれる
その脇では次から次へと押し寄せる参加者にお兄さんが一人で数種類のドリンクを忙しくサーブ。 <br> これはこれでよいスタンプポイントだなぁ、などと、こちらの見方も妙に慣れてきた
その脇では次から次へと押し寄せる参加者にお兄さんが一人で数種類のドリンクを忙しくサーブ。
これはこれでよいスタンプポイントだなぁ、などと、こちらの見方も妙に慣れてきた

たぎる「なんかあげたい!」という気持ち

とにかく、スタンプポイントに行くと「なんかあげたい!」みたいな熱気につつまれる。

スタンプそっちのけで抽選をすすめられ、かなりの確立で当たる。そしてあれこれくれるのだ。

抽選券に「数」って書いてあって何かと思ったら奥から数の子が出てきたって、それこそよっぽどミステリーである。

そういえば書いていなかったが、これ、全部無料のイベントなのだ。すごいよ。
住宅街でもあるので、猫もめでながらの街歩き
住宅街でもあるので、猫もめでながらの街歩き

ミステリーをだしにして盛り上がる

2日間で3000人も動員する人気のイベントが、これほどまでにもろに地元の人の力で盛り上げられているとは。

言い方には御幣があるかもしれないが、ミステリーをだしにして街の人々がこぞって楽しんで盛り上げている、そんな感じである。
と、しみじみ思っていたらジャンベの演奏集団が陽気に通り過ぎていった。やりたい放題!
と、しみじみ思っていたらジャンベの演奏集団が陽気に通り過ぎていった。やりたい放題!

交通整理も声かけで

さらに印象深かったのは、参加者の多い街歩きイベントでにもかかわらず特別な交通規制などは行われていないということ。

息子が道で自転車の通行の妨げになっていたときである。

「ほら、どかないと 危ないぞー!」と、近くのおじさんとおばさんがサクッと注意してくれた。

交通整理も商店街の方々やボランティアスタッフの声かけがメインなのだ。狭い商店街に営業車が出入りすることも少なくなかったが、みんな何事もなく普通に車をよける。車も普通に通る。

行われている非日常が、日常を妨げていないのだ。
大きな交差点にはボランティアスタッフがいる。迷ったときには道も教えてくれていた
大きな交差点にはボランティアスタッフがいる。迷ったときには道も教えてくれていた

スタンプとヒント、全部集めましたぞ

さて、主に試食やおみやげをもらって歩いていたら(この間にも息子はうまい棒をもらっていた)いつのまにかミステリーマップのヒントはすべて埋まったのだった。

ここからは謎解きタイムだ。集めたヒントをもとにミステリーを解く。

完全にお祭りモードに入っていたが、そうだ、今日はミステリーツアーだったのである。謎は解けるのか。
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スタンプポイントで集めたのは「24580」

スタンプポイントはAからEまで5ヶ所。集めたスタンプはすべて数字であった。
2、4、5、8、0
2、4、5、8、0
集めている途中ですでにピンと来ていたのだがこれは、に、し。こ、や、ま、「西小山」だろう。

西小山にはその名もずばり「24580」というフリーペーパーがある。デザインも凝って丁寧につくられていて私もファンなのだ。そのこともあってすぐに気づいた。
フリーペーパー「24580」の皆さんはスタンプポイントでグッズ販売をしていた。「ファンです」って言いたかったけど忙しそうだったので心で言いました
フリーペーパー「24580」の皆さんはスタンプポイントでグッズ販売をしていた。「ファンです」って言いたかったけど忙しそうだったので心で言いました
西小山ミステリーツアーで答えが「西小山」というのはずいぶん易しいような気もするが、子どもも参加して自分で解けるように低難易度になっているのだろう。

続いては大人も解かねばいけない「ミステリーポイント」の部分の謎。

3 9 6 ?

1~17のミステリーポイントでそれぞれ数字のヒントを拾ってきている。

ミステリーマップには数式が書いてあり、当てはめた数字を計算すると「3 、9、 6」という数字の並びが浮かんできた。

3 9 6?
3 9 6
3 9 6
396、396。いやもう何がなんだか分からない。

これは困ったぞ。周りには続々と謎を解いた人々が解答用紙を持ってゴールの受付をしている。なんでみんな分かるんだ。

焦ってきたころに、黒猫がこちらを見ているのに気づいた。
ん?
ん?
396、ミクロ?
396、ミクロ?

新たなる謎の入り口、ミクロ!

受付に黒猫のイラストが立ててあるなと思ったが、小さい猫の首輪に「ミクロ」と書いてある。

396、「ミクロ」なのか。

まさかと思って用紙に記入して提出してみると、正解! うおお。

しかし、なぜミクロなのだろう。「24580」が「西小山」、なのに比べると唐突さを感じてしまう。

聞くと、どうもこのミクロというのが更なる謎の始まりだというのだ。
正解にたどりついた人のうち、希望者先着500名に配られたミステリーブック!
正解にたどりついた人のうち、希望者に先着500名に配られたミステリーブック!

気になっていたアルファベット

17ヶ所を回った「ミステリーポイント」には数字のほかに何かのヒントらしきアルファベットも掲示されていた。

このアルファベットが何なのかずっと気になっていたのだがミステリーブックの謎に関係しているというのだ。深い!
2ページ前の写真、パイナップルの八百屋さんでは「7」のほかに「K」というアルファベットが
2ページ前の写真、パイナップルの八百屋さんでは「7」のほかに「K」というアルファベットが

そしてプレゼントが当たる

ミステリーブックの謎ときは会期以降も回答を募集するということなのでこれ以上はここでは書けない。

私もあとでゆっくり謎に挑んでみたいと思う。

さて、ここで終わりじゃないのが西小山ミステリーツアーだ。そう。ミステリーを解いた参加者は抽選でプレゼントが当たるのだ。

やっぱり何かあげずにはいられないらしい。そんなにくれてばかりで大丈夫なんだろうかと不安になってしまうなあと言いながらうれしくて顔はにやにやである。
参加者1名が正解すると1回福引が引ける。母ちゃんやったるど
参加者1名が正解すると1回福引が引ける。母ちゃんやったるど
うわ、なんか赤(末等)じゃない色の玉出た! と思ったら、そのままプラカップに入れてくれた?
うわ、なんか赤(末等)じゃない色の玉出た! と思ったら、そのままプラカップに入れてくれた?
プラカップに青い玉。ハイサワー賞だそうだ。

実はあの「ハイサワー」は西小山に社屋がある(それで先ほども屋台を出していたのだな)。
抽選会場から離れた引渡し所にはずらっとハイサワー!
抽選会場から離れた引渡し所にはずらっとハイサワー!
抽選会場から商店街に出ていたハイサワーのプレゼント引渡し所へ。どうしてまた別の場所に? と思ったら商品がこれでもかと並んでいた。おお、圧巻だ。

ならんだ商品に圧倒されながら「ホップ&レモン」という商品をゲット。

さらに参加賞として携帯用の箸、そして息子はみたび(実際はこの日4度目)うまい棒をもらったのだった。
夜はハイサワーと魚屋さんでもらった数の子のわさび漬け(と、わさび漬けももらっていた)で一杯。完璧な1日
夜はハイサワーと魚屋さんでもらった数の子のわさび漬け(と、わさび漬けももらっていた)で一杯。完璧な1日

ミステリーと商店街のお祭りは、合う

この企画、商店街関係者、建物権利者、行政、鉄道事業者、学校など「西小山」にかかわる団体から個人までがタッグを組んで行っているイベントだそうだ。

たくさんの人がかかわるイベントというというと、どこか集約できるところに丸投げ=かっちりしたイベントになってしまいがちなのではないか。でも、それでは西小山、という街の魅力は生きないのだろう。

たくさんの人がそれぞれできることをやる、分散して発揮される力がゆるやかに結束されたときの力の大きさを感じたのでした。次回ももちろん行きます!
手作りの「?」シャツを着ていたスタッフさん。かわいい上に見事にミステリーとお祭りが融合したいでたち
手作りの「?」シャツを着ていたスタッフさん。かわいい上に見事にミステリーとお祭りが融合したいでたち
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