特集 2012年6月18日

90年代のおしゃれフライヤー

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家を整理していたら、私がヤングだった頃の、1990年代のチラシがいっぱい出て来た。
いわゆる「フライヤー」ってやつだ。何故集めてたんだろう(いま、チラシを集めたりする趣味はない)。
きっと当時、「おしゃれー! 捨てられない!」と思ってファイリングしたんだと思う。大切に大切に。
で、見直して眺めたんだけど……当時、思ってたほどお洒落じゃないのであった。なぜかしら。
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

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参考:自分のフリーペーパーはこんなだった

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時分のフリーペーパーはこんなだった。当時のバイト先のマッキントッシュを駆使し(つまり仕事をさぼってた)、DTPソフトで頑張って作っていましたよ。お洒落でもなく、ダサくもなく、を目指して…。何のために作っていたか? 忘れました、そんなもの。初期衝動ですよ。

ライブハウスやクラブでやるようなイベントのフライヤーはこんな感じ

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これ、めっちゃお洒落なイベントのチラシですよ。当時のお洒落レーベル、CRUELのイベントのチラシとかですもんね。でも手作業でった感じがあります ね。ワープロ作業っぽい…。これでも、当時は格好良く見えたんだけどなあ。当時はカラーのチラシを作るの料金自体が、高かったんですよねえ(今は安 い!)。

カラーのフライヤーもこんな感じ

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2つとも、ぽわーんとしたデザインですね。でもね! このイベントだって超かっこいいイベントだったはずなんですよ! 元祖歌姫、ラブタンバリンズのライブですよ!? すごいんだよ!? 行ってないけどもさ!

ピーダッシュパルコですらこんな感じ

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ピーダッシュ1周年のチラシ。かっこいいのかそうでないのか、わかりにくいデザイン。まあ私はデザインのことなんかひとつも分からないので、コメントしようもないのだけれど…。

意外なものがお洒落だった、マクドナルドのフリーペーパー

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世界のマクドナルドを紹介するフリーペーパーがありました。店に置いてあるんです。楽しみにして貰っていたのだけれど、いつのまにかなくなっちゃったのよね。今からでも再開して欲しい…。

クリスマスギフトカタログ

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これは某デパートのカタログで、95年クリスマスギフト特集の表紙。ちなみに中身はバカラの花瓶、カボティーヌ(香水)、ヴァン・クリーフ&アペールのジュエリーなどが載っていました。表紙かっちょいー。

あの人もさわやかだった

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あのトモちゃんも、渋谷系風というか、さわやか写真の広告がありました。掛け値無しにかわいいですね、この頃の彼女…。

トップモデルが桃の天然水

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あのデヴォン青木(トップモデル)が、桃の天然水の広告をやっている時もありました。ちなみにコレ、「アドカード」と書いてあるポストカードで、「桃の天然水」という文字がほとんど書いてない。当時はポストカードのお洒落チラシ多かったんですよ。まだお金があった時代なんですねえ。

みんなフレンチロリータに憧れてた

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このコは、いまやジョニー・デップの奥さんですが、昔はそれはそれは人気のあったフランス人歌手でした。そう、90年代の女子の多くは、気まぐれ子猫ちゃんなフレンチロリータになりたかったのです。洋服も、フレンチカジュアル大流行りしました。コレはいま見ても、魅力的な写真ですねえ。

おしゃれアジアにも憧れてた

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王家衛監督が大ブレイクし、『恋する惑星』がヒットしたのもこのころ。いま、Kポップで韓国が注目されているように、当時は香港・台湾がカルチャー的に視線をあびていました。そのせいかフライヤーはみんなカッチョイイ! いま見てもカッチョイイ! そして『恋する惑星』を見てハマった女の子は、フェイ・ウォンにようにベリーショートにするのが定番でした。ええ、私もしましたよ、ベリーショート…。
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こちらは韓国ニューウェーブ映画のチラシ。香港映画に負けじと格好いいフライヤーを作っていますが、内容はブッとんでいて難解でした。でも今思うと妙にパワフルだったような…。

リバイバル映画のチラシ

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60年代にやったお洒落映画を、リバイバル上映するのがはやったのもこの頃。写真右の「うたかたの日々」は1968年の映画、写真左の「堕天使マリアンヌ」は1967年の映画。私はチラシをもらうばかりで、全然行ってないんですが、こういう映画で、90年代の恋人達はデートしてたんじゃないでしょうか。 知らんけど。

女の子と女の子の映画も多かった

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いまで言う「百合」映画がなんとな~く多かったです。可愛い可愛いチラシが多かったです。でもこの『乙女の祈り』は、こんな可愛いチラシですけど、内容は壮絶なので、これから観ようと思っている人は注意!

北欧の風も吹いて来たよ

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90年代はスウェーデンのポップスも流行りました。これは私が一番好きなエッグストーンというバンドのチラシ(ジャケットと同じデザイン)なんですが…全然北欧っぽくないですよね! はじけすぎ! ……北欧の落ち着いたイメージって、原田知世さんが北欧と関わるまで、お洒落要素はほとんどなかったのかも…。

フリーペーパー作りがち

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昔は有名なアーティストも、フリーペーパーを作って配っていました(ファンクラブ会報でもないのに!)。いまはネットで済んじゃいますからね、ライブのお知らせとか、紙に書く必要性がないですもんねえ。インタビュー受けなくても、自分でブログやツイッターやればいいし。便利になったものです。でもすこしさみしい。

アマチュアでも、フリーペーパー作りがち

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アマチュアでも、フリーペーパーを作る方が多かったです。しかもお洒落なやつ!!
しかし読み返すととても時代を感じる。「(アニエス・ベーについてのテキスト)あー世の中バカが多くてイヤね。その上、ついにゲンズブールまで死んじゃって、マックは変なごはん始めるし、大瀧泳一の新譜はでないくせにKLFもファンキーエイリアンも解散しちゃうしさ。こんなのだからつい、アニエスで買い物しちゃうのよね。アレ、変?」ですって。「アルファがベータをかっぱらったらイプシロンした、なぜだろう」くらいに分からない文章ですよね…。(あ、分からなくていいですから)。
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上図はチラシとフリーペーパーなんですが、両方とも60年代の素材を使っているせいか、その時代のキメポーズとなっております(多分)。
それにしても「女体って美しいよね!」というデザインが多い気が…。それはいつの時代もおんなじなんでしょうか。

いつか詳しい人と話したい

まあ、ざっくり言うと、「いま見ると、当時思ってたよりも、みんなダサイなあ」ということなんですけど、そのダサさが一体何なのか、デザインのことが分からないので、説明が出来ないのです。
誰か語ってくれないかなあ。そしていつかどこぞで展示が出来たらいいなあ…と、野望を持つ昨今です。
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