フェティッシュの火曜日 2012年6月19日
 

布団でぞうきんを作ったら大きすぎて笑いました

人が小さいのではなくて、ぞうきんがでかいのだ
人が小さいのではなくて、ぞうきんがでかいのだ
学校で「お家にあるタオルを縫ってぞうきんを作ってきてください」とよく言われた。あれがふとんだったらどうなるだろう。

大きいのかな、大きいんじゃないかな……ドキドキしながら作ってみたぞうきんは、うん、すっごく大きかった。
1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます
> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

夏は要らない掛け布団。190×210cmは4つ折でもでかい
夏は要らない掛け布団。190×210cmは4つ折でもでかい

それは巨大学校の宿題

きっと僕の娘が小学校に上がると、タオルを縫ってぞうきんを作ってこいと言われるだろう。裁縫のできない僕でもそれくらいならやってあげられる。

でもこれが例えば先生の身長が9mくらいある巨大先生で学校も巨大学校だったら。(それはまるでハリーポッターの魔法学校のようだ。)ぞうきんも「布団を縫ってこい」となるだろう。

そんな巨大手芸が僕にできるのか。

第一、布団なんて普通の針で縫えるのか?巨大手芸の針は何だ?もしかしたらあれか?
バーベキュー串じゃないか
バーベキュー串じゃないか

約6倍のぞうきんとなる

でかい針といえばバーベキュー用の串ではないか。輪っかの部分に糸も入ってちょうどいい。

布団はダブルサイズの掛け布団で、出来上がりの予想サイズは190×115cm。対して通常のぞうきんは幅30cm程度。約6倍のぞうきんとなる。

糸も5mmくらいあるようなひもを使った。巨大手芸の全貌が徐々に明らかになっていく。
ひももこれくらいぶっといんじゃないか
ひももこれくらいぶっといんじゃないか

夜なべして巨大手芸をする

布団を縫うにあたり、なんでそんなことをするのだ、と妻と一悶着あった。これは本番(巨大学校に上がった時のこと)でも想定される事態だ。

仕方がないだろう、巨大先生なんだから。そんな思いを言い出せず寝た。人はふてくされると寝るのだなと思いながら寝た。

起きると深夜1時。そういえば母が夜ぞうきんをぬっている姿を思い出した。こういう夜なべの縫い物が親の入り口なのだなあ。
夜なべしてぞうきんを縫う筆者。色々とでかい。
夜なべしてぞうきんを縫う筆者。色々とでかい。
串だとまったく入っていかないのだなあ
串だとまったく入っていかないのだなあ

串が入らず、ひもも通らず

これを使って巨大学校でしっかり掃除してきてね。そんな親の思いとは裏腹に、 針は1ミリも、いや、ほんとに1ミリ程度しか入らなかった。だってそもそも針じゃない。

「串だとまったく入っていかないのだなあ」

頭の中にそんな味のある書を思い浮かべ、せめてひもだけでも、とかろうじて開いた穴に通してみた。5mmもあるとこれも全く通らなかった。

「5mmもあるとまったく入っていかないのだなあ」

ふて寝で二度寝するのは初めてだったが、幸いにも布団はそばにある。
あきらめた後もすぐ寝られて便利な巨大手芸
あきらめた後もすぐ寝られて便利な巨大手芸

ようやく巨大手芸開始

翌日今度は毛糸と太い針を買ってきて、再び夜にお針仕事。今度は針もちゃんと入ってくれて、糸もちゃんと通った。さあ、これでダカダカダカーっと縫うぞ。
長すぎてすぐからまるやんけ
長すぎてすぐからまるやんけ

たいへんだ

ピカッ!数回やってみて全身を雷で打たれたような直感が走る。「これめんどくさいぞ」と。

一辺が2mもある長方形を縫うので、糸の長さもものすごく長い。一回糸を通すだけで何回もたぐったりからまったりしてひたすら面倒である。
右手でめいっぱい糸を引いて、
右手でめいっぱい糸を引いて、
その後左手でめいっぱい、シュッ、シュッ、と体操のように糸をたぐる
その後左手でめいっぱい、シュッ、シュッ、と体操のように糸をたぐる

どんなことでも上達する

だが20回ほど糸を通した頃。右手と左手を大きく使って糸を引けば、それほどからまらないことに気づいた。うまくなってるのだ。

気づいたときには思わず吹き出してしまった。こんなどうでもいいことでも上達するのか。

「いい、いい、そんなとこまで上達させなくていい(笑)」

人間に与えられた適応力を遠慮していたこの時、僕は巨大手芸を通じて神との対話をしていたことになる。
躍動する手芸、これが巨大手芸だ!
躍動する手芸、これが巨大手芸だ!

小人の靴屋にバンテリン塗っとけ

夜中、小人さんたちが靴を縫ってくれる童話。僕は今その童話なんじゃないかと思う。

一時間が経過し、完成が近づいた。巨大手芸と通常の手芸を比較すると、手間(手数?)や技術力は意外と変わらない。しかしこれだけ体操のように体を動かしていると、筋肉の疲れは相当くる。

小人にはバンテリンだな。

これが僕が一晩ぞうきんと格闘して持ち帰ってきた答えだ。
づ、づ、疲゛れた〜
づ、づ、疲゛れた〜
でもでっかいのでけた〜!!
でもでっかいのでけた〜!!

完成!ほぼシングルの布団!

ようやくぞうきんが完成。普通のぞうきん35枚分程度のこの大きさ。

ダブル掛け布団を半分に折って縫ったぞうきんは、ステッチの施されたシングル掛け布団と何がちがうのかという大きな疑問を僕達に投げかける。
いや〜ん!!布団にしか見えまへんわ〜!!
いや〜ん!!布団にしか見えまへんわ〜!!
試してみよう。水をこぼしたものを高速でふきとる。
試してみよう。水をこぼしたものを高速でふきとる。
しかしポリエステル80%の布団は吸水力低い!
しかしポリエステル80%の布団は吸水力低い!

実用度低し

タオル地のぞうきんと違って、こっちはポリエステル80%。その吸水力たるや、遅いですね!である。仕事が遅いですね!である。

だけど、スローフード、スローライフの流れにならい、スローワークがあってもいいのでは?と思わせるのがこの布団ぞうきん。水を吸うまでぞうきんの上で一休みの一休さんスタイルでいける!
吸い取るまで寝る
吸い取るまで寝る
「…吸えてねえな」
「…吸えてねえな」

乾拭きでぞうきんがけだ

もうこのぞうきん、乾拭き専用でいいだろう。乾拭きだけでも使う場面はけっこうある。

何よりこのでかさである。これで乾拭きすれば普通の廊下なら一瞬で終わるはず(巨大学校は別として)。
わー!人間が小さくなったー!!
わー!人間が小さくなったー!!
試してみよう、は、は、速い!こ、ここここ、これ…
試してみよう、は、は、速い!こ、ここここ、これ…
めちゃくちゃ楽しい〜!!
めちゃくちゃ楽しい〜!!

アトラクション化した

なんだこれは。乾拭きのスピード感と、面で支える安定性。そして文字通り地を這うような視点。ぞうきんがけってこんなに楽しかったのか!

これはもうウォータースライダーだとか、バナナボートといったレジャーと比肩するのではないか。いや、それは言い過ぎにしてもサイドカーの犬くらいは楽しい!
楽しいからこれやってみろ!「視点が低くてヤバい!」(写真右の石川)
楽しいからこれやってみろ!「視点が低くてヤバい!」(写真右の石川)
飽きたら、グ〜
飽きたら、グ〜

モンスターマシンできた

布団を使ったぞうきんは完成した。圧倒的な実用性の低さと、それを補ってあまりある遊び力と休み力の高さ。

これを全オサボリ社員に一人一枚持たせて永遠に掃除させてあげたい。

しかし恐るべきはこんなものを持たせようとする巨大学校である。こんな遊んで休めるぞうきんを持たせて、学業の方はどうなっているのだろうか。保護者としても本当に気になる。巨大PTAに相談して巨大教育委員会に駆け込むこともやぶさかではない。

だがご安心あれ。実は巨大学校というのは全くのウソ。筆者が考えたヒューモアなのである。(了)
ぞうきんしぼりは洗濯機の脱水機能に頼らないといけない
ぞうきんしぼりは洗濯機の脱水機能に頼らないといけない
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