特集 2012年7月12日

箱と棒のメリットを確かめよう

箱と棒があればいろいろなことができるようになるのでは
箱と棒があればいろいろなことができるようになるのでは
先日ふと急に思った。

なんでみんな鞄を使っているのか?

人々はいろいろな形の鞄を使っているが鞄は鞄だ。世の中には箱という選択肢があるのではないだろうか。大抵のものは箱に入れられて売られているだろう。

自分の閃きがが数世紀に渡る鞄文化を終わらせ、来たるべく箱文化への第一歩になるのではと思い箱を鞄と比較してみた。ついでに棒も。
1986年埼玉生まれ、埼玉育ち。大学ではコミュニケーション論を学ぶ。しかし社会に出るためのコミュニケーション力は養えず悲しむ。インドに行ったことがある。NHKのドラマに出たことがある(エキストラで)。(動画インタビュー)

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これからは鞄じゃなくて箱だ

どうしてみんな鞄を使っているのだろうか? 改めて考えてみよう。鞄には不便なことがたくさんある。

濡れたら染みる、中がごちゃごちゃになる、柔らかい……。

こんなデメリットを抱えながらなぜ人類は鞄を使い続けるのか? これが僕らが望んだ21世紀のあるべき姿なのか?
あちらを向けばかばん
あちらを向けばかばん
こちらを向いてもかばん
こちらを向いてもかばん
しかし、そんな鞄の不便な要素を払拭できる奇跡の道具があったことに僕は気づいた。箱である。

今更とおもわれるかもしれないが、今回は箱のメリットをお伝えしたい。箱、便利である。
今でも捨てる前に躊躇する。
無印良品で買ってきた

箱のメリット1 片付いた感じになる

鞄のデメリットといえば、まず中がごちゃごちゃになりやすいことが挙げられる。特に大きい鞄にいろいろと放り込むと、いつの間にか無政府状態になっていることがある。
そしてこの中から財布を取り出すだけで一苦労
そしてこの中から財布を取り出すだけで一苦労
このようなカオスを飲み込む懐の深さには敬服すべきだ。しかし一方で中の荷物を自由にしがちな部分は許しがたい。

そこで、この鞄の中身を箱に適当に突っ込んでみよう。
今でも捨てる前に躊躇する。
中身が把握できるようになった
ごちゃごちゃはしているが中身がよく分かる。大げさに言うと、片付いたように見える。これがドロップボックスか。

このように適当に放り込んでも片付いたように見える。これが箱のメリットその1だ。

箱のメリット2 水平に持てる

鞄は中の荷物が安定しない。わかりやすい例で言うと袋に入れたコンビニの弁当が傾いてしまったりすることってないだろうか。これは袋だが、鞄に弁当を入れたらもっと大変なことになるだろう。
大げさにその様子を再現。
大げさにその様子を再現。
では箱に入れてみたらどうだろう。
驚きの安定性
驚きの安定性
この変わり様である。これなら絶対に傾いたりしないだろう。大事なものを運ぶなら鞄ではなく箱なのである。箱のメリットその2はこの安定性だ。

箱のメリット3 雨が降っても大丈夫

鞄のデメリットと言えば雨が降ったときに中の物が濡れることだ。僕が学生時代の教科書は、大雨にやられて半数がシナシナになっていたことを思い出す。
今日も雨が降りそうだ
今日も雨が降りそうだ
そんなときにはフタがある
そんなときにはフタがある
箱にはフタがある。大雨が降ったくらいでは中に入ったものが濡れることはないだろう。

フタのメリットのように聞こえるかもしれないけど、フタは箱の一部。多少息切れしてきた感じもしつつ、箱のメリットその3は雨に強いことだ。
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箱のメリット4 男らしい

箱といえばなんだろうか。大工道具、工具、救急キット、ミニ四駆…。箱には持ってるだけで男らしさを感じさせる趣というか風情があるのだ。手で持つと片腕が封じられるあたり、ワイルドさが垣間見える。

箱のメリットその4は男らしさである。
箱を小脇に抱えて
箱を小脇に抱えて
ビシッ
ビシッ
この件に関してはこれ以上特に言うことはない。

箱のメリット5 高い視点を得られる

鞄は柔らかくその形を自力で維持することは難しい。しかし箱は固いので、例えば上に乗っても大丈夫だ。

つまり箱の上に乗ることで僕は一つ高い視点を手に入れることになるだろう。
よいしょ
よいしょ
うん(確認)
うん(確認)
小雨が降りしきる蒸し暑い夏の午後、僕は(箱に乗って)一段ステップアップすることができた。感動で胸は打ち震えている。

今こそ公開しよう。これが高い視点を手に入れた男の視点だ。
箱に乗る前の視点
箱に乗る前の視点
箱に乗った後の視点
箱に乗った後の視点

これからの時代は棒

どうやら箱の良さやメリットについてはだいたい語り尽くしてしまったようだ。

シンプルな道具のプリミティブな便利さについて言えばもう一つ取り挙げたい。棒だ。
これもまたひとつの原点。
これもまたひとつの原点。

棒のメリット1 強そうになる

棒を持ったらまず振り回そう。強くなった気になってくる。原始の荒々しい力を感じられる。

道具としての原点とでも言えばいいのだろうか、手にしっくりくる。ユニバーサルデザインとはこのことか。
なんだろう、この振り回したくなる衝動
なんだろう、この振り回したくなる衝動
これが”闘争本能”ってヤツか……?
これが”闘争本能”ってヤツか……?
世界史の教科書を開くと人類最初の道具は石器や土器だと書かれている。だが人類最初の道具はやっぱり木の棒だろう。棒を持つとそういう歴史以前の記憶が蘇ってくる。

内なる野生を垣間見ることができる。棒第一のメリットである。

棒のメリット2 リモコンになる

棒の特徴を挙げるとしたら最初に思いつくのは「長い」ことだろう。人類がそれを手にした時から、今まで手の届かなかった領域に手を延ばすことが可能になった。

一種のリモコンと言ってもいいのではないか。
水道の蛇口をひねったり
水道の蛇口をひねったり
エレベータのボタンを押したり
エレベータのボタンを押したり
棒があれば手が届かないところにも手が届く。背中を掻いたりもできる。原始的な遠隔操作ならば棒が可能にする。

「道具は身体の延長である」という言葉を思い出さずにはいられない。きっと棒を持った人が言ったに違いない。
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棒のメリット3 目立つ

棒の特徴である長さ。これをビジュアル面から検討してみよう。

例えば人ごみに紛れた下のような場面。ふつうに立っているだけだと、僕の姿はあまり目立たない。棒を持ってみたらどうだろうか。先ほどリモコンにもなってくれた180cmの木の棒である。
この辺の警備はまかせろ!
この辺の警備はまかせろ!
ぱっと見て分かるようになった。180cmの棒を持っていると、さながら警察署の入り口に立っている警察官のようである。この辺りを警備しているみたいだ。

ちょっと威圧感があるので棒の先にデカい名札を付けてみた。
自分の名前を書いてみた
自分の名前を書いてみた
火消しの纏のようでもある
火消しの纏のようでもある
暴力を匂わす威圧感はなくなって、急に祭りっぽくなった。

遠くの人でも僕の存在に気がつくに違いない。こうなると棒も一種のメディアである。「メディアは身体の拡張である」という言葉もあったりするが、これもまた棒を持った人が言ったのだろう。

このアピール力も棒のメリットだ。

棒のメリット4 アタッチメント

引き続き、上でやったように、「棒の先に何か付けてみる」という発想を膨らましてみよう。棒はアタッチメントの基礎として様々な可能性を秘めているのだ。
このように先にモサモサをつけると
このように先にモサモサをつけると
モップになるし
モップになるし
先にスピーカーをつけると
先にスピーカーをつけると
商店街のスピーカーみたくなる
商店街のスピーカーみたくなる
モサモサをつければ掃除に便利だし、スピーカーをつければ商店街のフリができるのでなにしろ便利だ。

すごい高い位置から写真を撮りたいなあと思ったらこんな使い方もできる。先にくっつければおもしろいことができるのが棒のいいところだ。
棒の先にカメラをつければ
棒の先にカメラをつければ
こんな高い位置からでも写真が撮れる
こんな高い位置からでも写真が撮れる
やったー!こんなに高いところから撮れたぞ
やったー!こんなに高いところから撮れたぞ
後のカメラ用一脚である。

棒と箱のメリット さらなる高みへ……

これまで棒と箱のメリットを見てきたが、最後に箱と棒を組み合わせた場合のことも考えてみよう。弁証法的

例えば、ジャングルに迷い込んだときに、木になったバナナを発見したもののジャンプでは手が届かない!そんなシチュエーション。もしも手元に棒と箱があったら?
枝にバナナがぶら下がってる!
枝にバナナがぶら下がってる!
ジャンプじゃどうやっても届かない!
ジャンプじゃどうやっても届かない!
惜しい! 棒だけでも届かない
惜しい! 棒だけでも届かない
箱だ!
箱だ!
おー届く!
おー届く!
来たっ!!
来たっ!!
サルか
サルか
一件落着である。

箱と棒という原点に戻ってみて

複雑なことを考えるのはもうやめにして、灯台下暗し、やっぱり進歩への手がかりは簡単なところにあるんじゃないか!?と箱と棒に注目してみた。

箱は鞄より優れた部分もあるが、手で持たないといけないのが致命的だ。あと棒は棒だなあと思った。

箱にベルトや紐を付けたら…!という発想もあるが、はたしてそれは箱なのだろうか、鞄なのだろうか。

夏はまだ始まったばかりだ。
ちなみに鞄の中に箱を入れるというベストソリューションがあるので最後に紹介しておきます。
ちなみに鞄の中に箱を入れるというベストソリューションがあるので最後に紹介しておきます。
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