チャレンジの日曜日 2012年8月5日
 

工場見学したいなら板橋区だ!

工場好き集まれ!
工場好き集まれ!
大人も子供も楽しい工場見学。普段見られないような大きな機械が唸りを上げて動き、様々な物が作り出されている様子を見るのは実に興味深い体験です。そして工場見学と言うと、少し郊外にある大工場の決められた見学コースを見る事が大半だと思います。

しかし、工場というのは住宅街の中など、あなたの身近なところにも沢山あります。いわゆる町工場といわれる小規模の工場。一見何を作っているのか分からず、知り合いでもなければ中を見られることはまずありません。

そんな町工場の中を積極的に見せてくれる区がありました。東京都板橋区です。
1972年生まれ。体力系、料理系の記事を多く書いています。ライター以外に日本酒と発酵食品をメインにした飲み屋も経営しています。利き酒師で、元機械設計屋で元プロボクサー。ウルトラマラソン走ります。米の飯と日本酒が有れば大体なんとかなります。
> 個人サイト 酒と醸し料理 BY 個人ページ「走れば大体大丈夫!」

工場の外ではなく中を見ます

東京都で工場の多い街というと大田区が有名ですが、板橋区も古くからの工場町が広がっています。それらの工場で見学者を受け入れている所が何か所かあり、板橋区のホームページに掲載されています。
板橋区 見学可能工場のご案内

工場を外から観賞するのが大好きなデイリーポータルZですが、工場内の見学も結構やっている。今回はこのリスト内の気になった幾つかの工場を実際に見学してきました。
機械にこれぐらい近づいて見られます!
機械にこれぐらい近づいて見られます!

冬暖かく過ごせるようになったのはこの会社のおかげかも

最初はこちらの工場から。
路地を入ったところにある小さな工場。でも凄い物作っているんだぜ! 
路地を入ったところにある小さな工場。でも凄い物作っているんだぜ! 
株式会社サイトウ製作所です。見学をお願いしていた時間に受け付けに行くと、社長自ら迎えて頂きました。
受付で待っている間、ショーケースにかぶりつき。何が凄いか分かりませんか?もう少し待ってくださいね。ありえないような物が出てくるから。
受付で待っている間、ショーケースにかぶりつき。何が凄いか分かりませんか?もう少し待ってくださいね。ありえないような物が出てくるから。
こちらの会社の見学では、まず作っている製品についてスライドで簡単に説明をしてもらえます。その後、実際に工場内に入って製造現場を見学。時間は1時間程度。
おおっ!これを眺めながら酒が飲めるのではないかというぐらい美しいらせんの溝!
おおっ!これを眺めながら酒が飲めるのではないかというぐらい美しいらせんの溝!
そして、これがこの会社で製造されている製品。ドリルの刃です。しかし、ただのドリルではありません。

直径30マイクロのルーマドリルです!

もう一度言います。

直径30マイクロのルーマドリルです!

分かりましたか?イメージ出来ない?そんな方にはこの映像。
髪の毛の太さはおよそ0.1mm(100マイクロ)。その3分の1以下。その太さに美しいドリル形状が形成されているのですよ!
髪の毛の太さはおよそ0.1mm(100マイクロ)。その3分の1以下。その太さに美しいドリル形状が形成されているのですよ!
いかに細いか分かってもらえたでしょうか?ドリルの刃を作る際には材料となる金属を削って作ります。細くなると当然折れやすくなる。それをこの細さまで精度よく加工しているのがとにかく凄い。

このような極細のドリルはエンジンのバルブや、半導体、化学繊維工場で使われる機械のノズル穴開けなどに使われる事が多いそうです。

もしかすると、ユニ××社のヒート×××みたいな製品に使われる極細繊維を製造する機械を作る際に、こちらのドリルが使われているかもしれません。こちらのドリルがなければ冷え性の人はいつまでも寒い冬を過ごしていたかもしれないのです。
ドリルの原料となる金属。タングステン鋼。超硬合金とも言われます。これをダイヤモンドの刃で削って加工していく。かなり重いです。 
ドリルの原料となる金属。タングステン鋼。超硬合金とも言われます。これをダイヤモンドの刃で削って加工していく。かなり重いです。 
残念ながら工場内は撮影禁止なので映像がありません。背丈を超えるほどの加工機械が所狭しと並び、機械油の香りが漂ういかにも工場といった作りでした。タイミングが合えば、実際に加工している所も見られます。

説明していただいた齋藤社長のお話では、小中学生はじめ年配の方も多く来るそうです。工場内は危険な物もあり、特別なコースなどを設けていないので受け入れには制限が出てしまいますが、地域の人にどんな物を作っているのか広く知ってもらいたいそうです。

機械好き必見の工場でした。
株式会社サイトウ製作所
板橋区蓮沼町8−6
03−3966−7606
http://www.atom21.co.jp/

美味しそうな香りが充満している工場

続いての工場はこちら。
飛び跳ねる鰹のマークが目印。創業70年の伝統ある会社。
飛び跳ねる鰹のマークが目印。創業70年の伝統ある会社。
うつぼや池田食品工場です。こちらでは削り節の製造を行っています。仕入れた原料の鰹節を削り、厚削り、花かつおなどの削り節にしたものを袋詰めにして販売しています。
工場に近づくと鰹節の香りが漂ってきます。
工場に近づくと鰹節の香りが漂ってきます。
受付には鰹節のオブジェも。
受付には鰹節のオブジェも。
こちらでは簡単に製品についての説明を受けた後、工場内に入る服を着て製造工程の見学が出来ました。
洗浄と蒸す工程。目の前にあるのは洗浄前の鰹節。足元が滑りやすいので注意。
洗浄と蒸す工程。目の前にあるのは洗浄前の鰹節。足元が滑りやすいので注意。
洗浄機の中で鰹節がゴロゴロ。この後各工程を経て削り節になっていきます。
洗浄機の中で鰹節がゴロゴロ。この後各工程を経て削り節になっていきます。
製品の説明や工場内の案内は池田社長自らやって頂きました。
この中で鰹節が蒸されて柔らかくされる。何か大きな生物のよう。
この中で鰹節が蒸されて柔らかくされる。何か大きな生物のよう。
持っているのが大変なぐらい熱々の鰹節。工場内は手袋、マスク、ヘアキャップ着用です。
持っているのが大変なぐらい熱々の鰹節。工場内は手袋、マスク、ヘアキャップ着用です。
工場内は作業員の人が忙しく行き来し、絶えず何かの機械が動いています。そして濃い鰹節の香りに満たされている。この香りだけで、うどん3玉を汁無しで食べられそうなぐらいいい香りでした。
流れる鰹節。旨そう。
こちらの工場で製造する製品は一般向けよりも業務用の厚削りの物が多いそうです。1日1、2トンの鰹節が削られます。
細かく割れた物を取り除いた厚削り。
細かく割れた物を取り除いた厚削り。
業務用なのでキロ単位の袋詰め。
業務用なのでキロ単位の袋詰め。
「職人たちと1対1で話して味を決めていくのが元々の仕事」と言う池田社長は、鰹節の美味しさやだしの美味しさ、だしパックの使い方などについても話をしてくれます。興味深い話が色々聞けました。
こちらは花かつお削り装置。1本づつ鰹節が登っていく。
こちらは花かつお削り装置。1本づつ鰹節が登っていく。
流れる花かつお。鰹節は削りたてが一番美味しい。旨そう。
流れる花かつお。鰹節は削りたてが一番美味しい。旨そう。
実際の工場見学では、工場内は狭く滑りやすい所もあり、階段もあるので年配の方や小さな子供、大人数での見学は難しいようです。

料理好きの大人向けの工場見学でした。
うつぼや池田食品株式会社
板橋区新河岸1-6-7
03−5398-8761
http://www.utsuboya.jp/

本屋の必需品を作る会社

続いての会社はこちら。
ここで何かを作っているとは思えないような住宅街に立つビル内にあります。
ここで何かを作っているとは思えないような住宅街に立つビル内にあります。
株式会社ダイワハイテックスです。こちらの会社はコミックシュリンカーという機械の製造・販売を行っています。
見た目はコピー機のような感じ。全国の書店に置かれています。
見た目はコピー機のような感じ。全国の書店に置かれています。
こちらがそのコミックシュリンカー。実際に動かしている所を見る事ができます。動画でご覧ください。
どんな機械か分かって頂けたでしょうか?
ホコリの入る余地など無し。本が綺麗に保たれます。
ホコリの入る余地など無し。本が綺麗に保たれます。
こちらの会社の装置では、書店に並ぶコミック本にビニールをかける機械を製造しています。上のトレーに本をセットしてスイッチを押すと、1冊づつフィルムを被せて加熱し綺麗にパッケージされます。
こんな風に書店に置かれている。会社のパンフレットより。稀に古本を扱う個人で装置を購入する方もいるそうです。
こんな風に書店に置かれている。会社のパンフレットより。稀に古本を扱う個人で装置を購入する方もいるそうです。
こちらの会社では部品の製造までは行っておらず、組み立てや修理のみを行っています。
工場と言うより作業場。奥では新商品開発をしているスペースもあり。
工場と言うより作業場。奥では新商品開発をしているスペースもあり。
見られる部分は少ないですが、組み立て風景や普段見る事のないような装置を動かして見せてくれるのでなかなか面白いです。
同人誌専用クリアケース。これがあれば貴方の同人誌も折れや汚れの心配無し。通販サイトもありました。
同人誌専用クリアケース。これがあれば貴方の同人誌も折れや汚れの心配無し。通販サイトもありました。
書店向けの情報誌も制作しているそうです。本屋に配られるが、本屋では売っていません。
書店向けの情報誌も制作しているそうです。本屋に配られるが、本屋では売っていません。
更に、こちらの会社では本専用の研磨機や、本屋で使う販促用のシール、同人誌向けのカバーなども扱っていました。

本屋好きには興味深い会社だと思います。
株式会社ダイワハイテックス
板橋区坂下1-34―27
03-3558-8131
http://www.daiwa-hi.co.jp/

見学するなら早めに問い合わせましょう

町工場見学は大工場の決まったコースを見せてもらえる見学とは違い、現場を直接見られるダイナミックさがありました。そして、社長自ら対応など、妙に暖かさや親しみがあります。

どこの工場も規模が非常に小さく、対応出来る人数や年齢、日時などに制限がありますので、見学に行く際にはなるべく早いうちに問い合わせて先方の都合を聞いてください。また、どこの工場も見学者を受け入れた経験が少なく、手探りの状態なので大工場の見学コースのようなスムーズな誘導などは期待しないでください。

あくまでも工場内は仕事中。忙しい仕事場にお邪魔するという気持ちを忘れずに。しかし、町工場見学は楽しいです。是非製造の現場を見に行ってみてください。
お菓子工場も見学できます。株式会社文明堂コンフェクト(板橋区三園2-4-3)。工場内は見学できないですが、売店の窓からカステラの窯出し作業など見られるそうです。ここの売店で売っているカステラの耳はお買い得で美味しい。
お菓子工場も見学できます。株式会社文明堂コンフェクト(板橋区三園2-4-3)。工場内は見学できないですが、売店の窓からカステラの窯出し作業など見られるそうです。ここの売店で売っているカステラの耳はお買い得で美味しい。
 ▽デイリーポータルZトップへ  

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓