ひらめきの月曜日 2012年9月10日
 

顔から手足を生やす

迷いを乗り越えろ

新鮮なフルーツと
新鮮なフルーツと
先が見えなくなって、とりあえず果物たちを自分の前に並べてみた。他の物体と存在感をぶつけ合うことで、偶発的なストーリーが生まれるかもしれないからだ。

しかし、そこにあったのは何かしらの物語性ではない。わかんない感じがより強調されるに過ぎないという空しい結果だけだ。
持てる能力を生かして
持てる能力を生かして
気をつけ!
気をつけ!
顔から生えている手足には針金が入っているので、ポージングを変えることができる。その特性を生かして、とりあえずは気をつけしてみた。
前へならえ!
前へならえ!
体育座り
体育座り
やればやるほど、着想を得たはずの子供の絵のかわいらしさから遠ざかっていくような気がする。
このまま終わっていいのか
このまま終わっていいのか

原点から射してきた光

先が見えなくなったなら、改めてその出自に立ち返ろう。思い出そう、この「顔から手足マン」は、子供の絵から着想を得たものだった。
力を貸して欲しい
力を貸して欲しい
そういうわけでやってきたのは、当サイトのライターであるT・斎藤さんのご実家。2人のお子さんを連れて帰省中のところにお邪魔した。
そりゃウケるよな
そりゃウケるよな
こういう状況だもんな
こういう状況だもんな
子供が顔から手足の生えた人物像を描くのなら、大人である私はその像に歩み寄ろう。さあ、顔から手足マンとなった私を描いてくれたまえ、というわけだ。

その話の展開に論理性があるのかは不明だが、とにかく子供にウケたというのは事実。目に見えるまま、ありのままの私をスケッチブックに写し取って欲しい。
うんうん、雰囲気出てる
うんうん、雰囲気出てる
上手に描けたね!
上手に描けたね!
まず描いてくれたのは、5歳の弟くん。写実性よりもダイナミックな作風が印象的。顔からの手足ダイレクトが読み取れつつも、翼をはばたかせているようにも見える意味の二重性が深い。

私の謎ビジュアルにもっと引かれるかと思っていたが、「今日、泊まっていってよ!」と声をかけてくれるほどにフランク。街でこういう怪しいおじさんに声かけられても、ついていっちゃダメだ。
私と紙の間で何度も視線を往復させていたお姉ちゃん
私と紙の間で何度も視線を往復させていたお姉ちゃん
その点、私を見るなり「無理!…無理!」と繰り返していた小学3年生のお姉ちゃんの反応は実に妥当。面白さだけに流されない冷静がそこにある。

わかってる。君の反応は正しい。その心の壁を越えて、なんとか描いて欲しいのだ。
おお、うまい!
おお、うまい!
おじさんそっくり!
おじさんそっくり!
躊躇しながらも描いてくれた作品は、まさに顔から手足。目の前の現実をしっかり捉えつつ、私の実像から無駄な濃さやうざったさを削ぎ落とし、「顔から手足マン」として成立するために必要な要素だけを抽出させている。

穏やかで明るい笑顔を浮かべているのも、モデルとしてはとても嬉しい。そう、顔から手足マンは決して恐ろしい存在ではないのだ。
持ち帰って今も自室に飾ってある
持ち帰って今も自室に飾ってある
このあとお姉ちゃんがもう一枚描いてくれた絵には、仲良く並んだ動物たちとともに、正常状態の私と、顔から手足マンとしての私との2人を描いてくれていた。人間の多面性を無意識のうちに表現したのだと思う。

なんてあったかい絵なのだろう。僕はこういう形で自分と向き合うために、顔から手足マンになったのかもしれない。

自分でもやばいと思った
自分でもやばいと思った

迷いを超えて顔から手足マンとなった私を待っていた、ハートウォーミングな結末。そして、上の写真はもう一度それを迷いへと巻き戻す。試しに毛布をかけて横になったら、今回一番まずい感じがする一枚となった。

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