ひらめきの月曜日 2012年9月24日
 

サーモンを乗せる寿司革命

寿司職人の人がこの記事読んでいませんように。
寿司職人の人がこの記事読んでいませんように。
先日、回転寿司に行ったときのことである。

たまたま子どもが食べ残したサーモンをイカの握りに乗せて食べてみたらうまかったのだ。

その記憶がずっと頭の中にひっかかっていた。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。
> 個人サイト むかない安藤 ツイッター

思い切って乗せてみる

以前たまたまイカの握りにサーモンを乗せて食べたらうまかったのだが、なんというか寿司屋ってそういうことやっていい空気なくないか。

僕が行くのはいつも回るハイテク寿司なのでさほど気にすることもないのかもしれないが、それにしても寿司ネタを重ね食べしている人なんて見たことない。ましてや目の前で職人が握ってくれるような寿司屋で

「へい大将、ちょいとそれにシャケ乗せてくれよ」

なんて言ったらつまみ出されても文句言えないだろう。
寿司には礼儀があるような気がするのだ。
寿司には礼儀があるような気がするのだ。
だけどあの時食べたサーモン乗せイカ握りは確かにうまかったのだ。

もう一度やって確かめたい。でも職人に叱られたくはない。

ということでジャスコでパック寿司をたくさん買ってきた。
そしてやったった。
そしてやったった。
すべての握りの上にサーモンの刺身を乗せてみた。寿司のダブルバーガーである。

見た目は全部同じに見えるが、よく見ると下にいろいろ隠れているぞ。

この中から奇跡の組み合わせが見つかることを期待して、さっそく検証(食事)に移りたいと思う。

ダブル寿司、うまい度ランキング

結果が分かりやすいよう、うまかったのと逆の順で紹介する。

つまり後に行くほど徐々にうまくなるということだ。最後の一つが奇跡の組み合わせである。結果だけ知りたい人はすっとばして最後だけ読んでもいいです。

それでは堂々の最下位から。むしろ一度試してもらいたくもあるこの組み合わせ。

オン・ジ・うに

見た目は悪くない。
見た目は悪くない。
実際にはこの寿司、全体の中間あたりで食べたのだが、合わなさにハッと我にかえった。

食べた瞬間、ものすごく濃い海の栄養が口の中に入ってきた感じだった。ウニのコクが増す、と言えば聞こえはいいが、ウニの磯くささにサーモンの油が飛び込み、その跳ね返りが鼻に入ったようだ。なんというか

これはやめたほうがいい。

周囲に巻かれた海苔までもが磯臭さを増長していた。

オン・ジ・甘エビ

つるつる滑って何度も落ちた。
つるつる滑って何度も落ちた。
ウニの後だったのでなんとなく予想はできたが、これもかなり濃い組み合わせである。
う!
う!
ただ、甘エビのねっとりとした食感がサーモンの脂にマッチはする。甘エビ自体ウニほど磯臭くないので、こってりラーメンが好きな人にはたまらない組み合わせかもしれない。

これをおかずにご飯一杯食べたくなる感じ。僕にはちょっと重すぎた。

オン・ジ・あなご

見るからに違和感。
見るからに違和感。
味よりまず食感の違いに戸惑う。

パサっとしたアナゴがまず下の上で弾け、その後思い出したようにシャケがやって来る。甘タレをまとったあなごの風味が意外と強いので、サーモン期に入った後も遠くにあなごの亡霊を感じて集中できないのだ。それぞれはうまいんだけど、それらはけっして手を組まない。

オン・ザ・ほたて

北海道の申し子。
北海道の申し子。
両者食感は同じ系統なんだけど、組み合わせることでなぜか生くささが出てしまった。

クセのある珍味が好きな人にはお勧めできるかも。日本酒に合いそうだ。

オン・ザ・トロ

寿司といえばトロ。しかしシャケ乗せる。
寿司といえばトロ。しかしシャケ乗せる。
サーモンを乗せたことで単純にネタのボリュームが倍になる。そして食べてみると倍以上の刺身感を感じる。なにか巨大な刺身をほおばっているかのような感触なのだ。

しかしうまいはうまい。さっぱりとした赤みのトロに脂ののったサーモンがうまく作用して一つの刺身として成立しているような気がする。トロとサーモンの間にわさびを仕込んでもよかったかもしれない。

閑暇休題

サーモン・オン・ザ・寿司は一貫の重さがすごい。持ち上げると「よいしょ」と声が出そうになる。
僕らの知っている寿司の重さではない。
僕らの知っている寿司の重さではない。
一口でほおばると刺身の塊を食べているような気分になるので寿司にボリュームを求めている人にはお勧めである。

ここから先はどれもおいしかったのでぜひ試してみてもらいたい。

オン・ザ・蒸しエビ

生きてるシャケはエサとしてエビを食べちゃうらしい。
生きてるシャケはエサとしてエビを食べちゃうらしい。
蒸しエビのさくっとした食感とサーモンのねっとりとの対比がおもしろい。味的にもケンカせずにお互いの主張を聞きあっている。これはうまい。

とにかくおなかいっぱいになる

寿司の上にもう一つ刺身を乗せているだけなのだが、これが不思議なほどのボリュームなのだ。5貫くらい食べたところですでにおなか一杯である。
うっぷ。
うっぷ。
今回の検証には自分ひとりの舌では一般性がないかと思い、妻にも試食をお願いしている。客観的な意見が欲しいという名目だが、僕が早々におなか一杯になって後半辛くなってるというのも理由の一つである。

先を急ごう。ここから先はぜひとも試してもらいたい組み合わせでばかりである。だまされたと思って、ぜひどうぞ。

オン・ザ・カニ

カニが入っているパックは高かったのだけどシャケ乗せたった。
カニが入っているパックは高かったのだけどシャケ乗せたった。
これまでのウニとか甘エビ同様、カニってちょっと生くささがあるのでダメなんじゃないかと思っていた。でも食べてみたらうまくて驚いた。むしろカニの旨みをシャケの脂がうまく引き出した感すらある。どちらも北海道を連想させるだけのことはある。

オン・ジ・いくら

形を変えた親子。
形を変えた親子。
実の親子である。すし屋でも一緒に乗った軍艦を見たことがあるのでハズレはないだろうと思っていたが、予想通りうまい。

うまいのだけど、いくらよりもサーモンが強調されるのは意外だった。いくらの塩気がサーモンにからんでものすごく濃厚なサーモンになっている。

オン・ジ・イカ

寿司の紅白歌合戦。
寿司の紅白歌合戦。
やはりうまい。

イカのねっとりした甘みとサーモンのこってとした脂が不思議なほどマッチしている。食感がまったく違うのだけれど、先に感じるサーモンの旨みは後々イカを噛んでいる間もちゃんと残っているのだ。巧妙に張られた複線をひとつひとつ回収していくような味の変化が楽しめる。

遠回りしたけど、やっぱり行き着くところはここだったのだ。寿司革命、イカに終結である。

海鮮丼疑惑

きっかけとなったイカ+サーモンの組み合わせが忘れられなくてこの結果になったような気もするが、他と比べても違和感なくうまいのは事実だ。

あと上に一枚刺身を乗せるだけで寿司全体のバランスがだだ崩れになることもわかった。ビッグマックの肉と肉の間にバンズが挟まっている理由がわかったような気がする。ネタとシャリとのバランスは絶妙なのだ。上を増やすなら下も増やすべきだと思うが、そうなるともはや握りではなく海鮮丼だろう。

というか海鮮丼だろう、これ。
サーモン・オン・ザ・サーモンはでかいシャケの刺身を食べているような気分でした。
サーモン・オン・ザ・サーモンはでかいシャケの刺身を食べているような気分でした。
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