フェティッシュの火曜日 2012年9月25日
 

あらゆる場所にWiFiが……

味のあるWiFiスポットを探す遊びをやってみます
味のあるWiFiスポットを探す遊びをやってみます
私たちはいまだに何の素材でできてるかわからないピッタリした服を着だす気配はないし、車はいつになっても地面をタイヤで走っている。近所では昭和の味わいあるお米屋さんや金物屋さんが絶賛営業中である。

それでもちょっとこれまでと違うのは、そんなお米屋さんが、金物屋さんがWiFiスポットだったりするというところだ。

商店の前でやけにインターネットが早い。なんなんだこの状況は。これが未来なのか。
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてニフティ株式会社へ入社。趣味はEDMと先物取引。
> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

酒屋さんがWiFiスポットだった

そもそも、WiFiスポットってどうなんだろう。

私はモバイル端末をスマートフォンしか持っていないのでそれほど必要としていない。喫茶店や駅で飛ばしていると、おお、ありがたいと思うくらいだ。それほど積極的には使っていない。

出先でのネット環境がそりゃもう常に必要で必要で、という方はきっとたくさんいるのだろうと思うが、そうじゃない人もまだ多いと思う。

と、思っていたら住宅街の酒屋さんが急にWiFiスポットだった。
商店街ではなく住宅街にあるお店
商店街ではなく住宅街にあるお店
ここで「WiFiどうぞ!」と突然いわれる
ここで「WiFiどうぞ!」と突然いわれる

ありがたい、しかしどうしたものか

この犬のイラストのステッカーは「ソフトバンクWi-Fiスポット」のもの。ソフトバンクの決まった契約をしている端末で利用できる。

私はJ-Phone時代に契約してからvodafoneを経て黙ってソフトバンクまで流れついた。持っているiPhoneの契約プランで知らないうちにこのWiFiスポットも使わせていただけるようになっていたのだった。ありがたや。

しかし酒屋さんの前である。WiFiを使わせてもらえるのは大変にありがたいのだが、ここでか。

ビールの1缶でも買ってしばらくTwitterでも眺めさせてもらえばいいのだろうか。いや、それでは営業のご迷惑にはならないのか。店外に場所を確保して使うか。しかし住宅街である。

ありがたい、しかしどうしたものか。
さらに開店前のクリーニング店もWiFiスポットだった
さらに開店前のクリーニング店もWiFiスポットだった
ステッカーをセロテープで貼っているのが味わいぶかい
ステッカーをセロテープで貼っているのが味わいぶかい
コインランドリーならWiFiはありがたい。しかしクリーニング店である。

シャツを渡してお会計をして預けていたシャツを受け取って。服をやりとりしながらスマフォでFacebook見る。それが私が望んだ未来だったか。否!

百歩ゆずってFacebookは受付待ちの行列に並んだときにでも見ればいいだろうか。でもそんなときに限って後ろに知り合いの奥さんが並んできたりするのだ。

ご近所さん「奥さん、今日の晩御飯なに?」
わたし「うちはね、サバの塩焼きかな」
こども「えーっ! 肉がいい〜!」
わたし「文句をいう子は何も食べさせませんっ!」
こども「え〜〜〜〜ん」
ご近所さん「まあまあ、そんなことで怒らない怒らない」

こりゃWiFiどころじゃないぞ。
不動産屋さんでは
不動産屋さんでは
各キャリアそろい踏み
ソフトバンク以外にも各キャリアそろい踏み
塾でも使えるようだ。なんと
塾でも使えるようだ。なんと

なんだかいろいろあるようですが

知らない間にこんなにあらゆるところにWiFiが飛びまくるようになっていた、これは事実だ。

調べてみると無線がらみのお話やキャリア側の営業と個人商店間のやりとりの話だったり、こういったWiFiスポットにはいろいろ難しい事情もいろいろとあるようだ。

私のようなモバイルはスマートフォンだけです、というヨボヨボ者が切り込む話題ではないようでもある。

でも、だからこそ「こんなところにWiFiが?!」と外野から面白がってみたいのだ。

この先公衆無線LANまわりの整備が進めば事情も変わってくるだろう。そこらのWiFiを興味ぶかげに眺める、こんなことできるのは今だけなんじゃないかと思うのだ。
というわけで、こんなふうな良いたたずまいの店が飛ばすWiFiをつかみたい。それが今日の趣旨です(このお店はスポットではありませんでした)
というわけで、こんなふうな良いたたずまいの店が飛ばすWiFiをつかみたい。それが今日の趣旨です(このお店はスポットではありませんでした)

渋いWiFiスポットを探したい

これまでWiFiスポットといえばファストフード店やチェーンのレストラン、喫茶店にあったら嬉しいもの、というものだと思っていたが、酒屋さん、クリーニング屋さんと意外なところに広がっている。

調べれば、もっと渋くて意外なWiFiスポットがあるのではないか。
ソフトバンクWi-Fiスポットのサイトでは、地図とジャンルでスポットを探すことができる。これで渋いお店を探してみよう
ソフトバンクWi-Fiスポットのサイトでは、地図とジャンルでスポットを探すことができる。これで渋いお店を探してみよう

金物店、米店、婦人服店でWiFiをキャッチする

WiFiスポットの検索サイトにはスポットのジャンルとして「レストラン」や「オフィス」などいろいろある。

なかに「ショッピング」という項があったので検索してみたところ……おお、金物店に米店、婦人服や肌着店とまさに「ここでWiFiを?!」というお店が続々と出てきた。

今日はいかにも渋そうな名前の金物店、婦人服店、米店に狙いを定めて行ってみたい。
まず最初の狙いの金物店に行く道中。ビジネススクールでもWiFiが使えた
まず最初の狙いの金物店に行く道中。ビジネススクールでもWiFiが使えた
処方薬局では、煎じ薬とWiFiと漢方薬の小分けを取り扱い中
処方薬局では、煎じ薬とWiFiと漢方薬の小分けを取り扱い中
飲酒運転撲滅、節電、そしてWiFi使えます
飲酒運転撲滅、節電、そしてWiFi使えます
さて、最初に向かったのは金物店、なのだが、どうもなくなってしまったのか見当たらない。

リストにあった住所の場所でWiFiだけでも飛んでいないかと検索してみるが、いらっしゃらないようだ。

おお、見えないものを探している。ゴーストバスターズみたいだ! と思って浮かれたあとぞっとした。ゴースト……。(けど、よく考えたらぜんぜん怖くないことにまた気づいた)
ストリートビューで確認してから出てくればよかったんだにゃ
ストリートビューで確認してから出てくればよかったんだにゃ

渋い外食店のWiFiスポットが未来

金物店は残念だったが、次の米店へ移ろう。

道中は目的の店以外にもWiFiスポットのステッカーを掲げる店をウォッチしていた。印象としては、ある場所にはたくさんあるがない場所にはない。ワンブロック変わるだけでずいぶん取り扱いがある店とない店の数が違う気がした。

ご近所間で「あの店がWiFi飛ばすならうちも飛ばさにゃまずいだろう」みたいな感じがあるのだろうか。

で、これは渋いとひげをなぜざるを得なかったのは飲食店にも多かったのだ。
WiFiがかすむ迫力
WiFiがかすむ迫力
ここでご飯を食べながらWiFiが使える。未来だ
ここでご飯を食べながらWiFiが使える。未来だ
酒屋やクリーニング店がWiFiスポットだというのはなにかちぐはぐで突っ込みどころがあるのだが、飲食店は滞在時間が長いことからWiFiスポットがあっても自然だろう。

懐かしいたたずまいにWiFiという未来がマッチングして、ちょっとしたSFみたいなことになっている。(ブレードランナーだったらここでうどん食べる、というような)。
寿司ネタの短冊とならぶWiFi使えます
寿司ネタの短冊とならぶWiFi使えます
ここから世界とつながる
ここから世界とつながる
以前ライター西村さんが、ごちゃごちゃっとした下町の電線ごしにスカイツリーを見ると、SFっぽくなってかっこいいと主張してて、私も興奮した(記事「スカイツリーは電線越しに見るとかっこいい」)。

渋い店とWiFiの組み合わせもこれに似たかっこよさがある気がする。

この店でがやがや人々に囲まれて寿司をつまみながら、店のネットワークをかりて悪徳企業のサーバーに侵入する。私のサイバーパンク知識のつたなさが露呈するたとえだが、そんな光景を目に浮かべると店頭のスーパーカブがいつも以上にかっこいい。
美味しそうなチキンカツ定食、そしてWiFi
美味しそうなチキンカツ定食、そしてWiFi
映画だったら女将さんがむちゃくちゃコンピュータに詳しい設定でお願いします(店の奥にでかいスパコンが置いてあるとか)
映画だったら女将さんがむちゃくちゃコンピュータに詳しい設定でお願いします(店の奥にでかいスパコンが置いてあるとか)

WiFi米店、発見しました

さて、味わいあるSF食堂を次々と発見しながら、目的の米店にいよいよ近づいてきた。

商店街の米店ではありきたりなので裏通りにあるような店を選んだのだが、来てみれば本当に住宅街だ。WiFi以前にお米屋さんが本当にあるのだろうか。

さきほどの金物屋のようになくなっているのではないか、何かの間違いなのではないかと不安だ。
あたりは坂が多く、住宅と学校にはさまれていた。ここ?
あたりは坂が多く、住宅と学校にはさまれていた。ここ?
住所のポイントに来るがやはり店はみあたらない。

ほぼあきらめる気持ちでWiFiスポットを検索すると、あ、出た。ソフトバンクのスポットらしきWiFiをキャッチした。さっき怖くないと思ったはずなのに、また背筋が寒くなった。店はない。でも、いる! いらっしゃる!

しかし、店らしい店は見つからないのだ。……なんだなんだ。どういうことだろう。
ん? お米屋さん?
ん? お米屋さん?

ものすごい渋さ

確かに米店と出ている。ここか。

WiFi使えますのステッカーはないものの、キャッチしたのは間違いなくこの米店が飛ばしているものだろう。店は閉まっていてお店の方に確認することもできなかった。なんだか分からないがとんでもなく渋いWiFi体験をしてしまった。
未来ってなんだろう、WiFiスポットってなんだろうと次へすすむ。途中かっこいい病院があったのでWiFiスポットじゃないのに撮っていた
未来ってなんだろう、WiFiスポットってなんだろうと次へすすむ。途中かっこいい病院があったのでWiFiスポットじゃないのに撮っていた

婦人服店もお菓子屋も

続いて狙いを定めていた婦人服の店へ向かおう。

商店街の婦人服店というと各地にあって独特の品揃えを誇る、商店の中でも異彩を放ついちジャンルであるといえる。30代そこそこの若輩者の私にはいまだ恐れ多い店だ。

しかしそこでもまたWiFiなのである。
ブティック ミンク
ブティック ミンク
ニューオシドリ
ニューオシドリ
タイミングが悪く、狙いをつけていたお店はどちらも閉まっていた。が、WiFiだけはきっちりキャッチできたのだった(ログイン画面でとまってしまうケースもあった)。

「あら、せっかくきたのに残念。せめてインターネットさせてもらおっと」と、店頭でちょっとiPhoneさわっておいた。これも未来か。
さらにソフトバンクのWiFiスポットをつかんだのでどこかと探すがステッカー表示はない。確認したら中央のお菓子屋さんだった
さらにソフトバンクのWiFiスポットをつかんだのでどこかと探すがステッカー表示はない。確認したら中央のお菓子屋さんだった

ベスト佇まいWiFiスポット

WiFスポットのステッカーを探しながらうろうろしているうちに、やたらにあるWiFiスポットに慣れてきてしまった。なれ。現状、WiFiスポットとの距離感ってそういうものだと思う。

とはいえ、味わい深いスポットを見つけるとやはり感じ入るものもあるのだ。
坂の途中にあった、民家を居ぬいたような風情の整体院
坂の途中にあった、民家を居ぬいたような風情の整体院
引き戸にステッカーが映える
引き戸にステッカーが映える
ここで整体を受けられるというだけでちょっと嬉しい、いかにも年季のはいったかっこいい建物だが、さらにWiFiまでできるのだ。

昭和の建築+整体+WiFi。この偶然の三つの組み合わせで何かありがたいものでも飛び出しそうである。

かみしめよう渋いWiFiスポットを

先にも書いたが今後はもろもろの整備が進んでこういったWiFiスポットのことが昔話みたいに話されるときもが来るのだろう。

ここ5年の進歩を考えてもそれほど遠い未来ではないように思う。いまさらとも思ったが、今このタイミングで渋いWiFiスポットを堪能できたのはよかったのかもしれない。
WiFiステッカーもこれくらい年季が入ってくるんだろうな
WiFiステッカーもこれくらい年季が入ってくるんだろうな

おまけ

それから、あらためて個人商店って店主のやり方がダイレクトに店に現れるので楽しいなと思った。

商店街はまめに回らないいけませんな。
下着屋さんで見つけた「歯の治療で外出するが注文の品は用意してあります」という張り紙
下着屋さんで見つけた歯の治療に行くのが、注文は用意してあるという張り紙
どういう意味? と思ったら「かえっちゃうの?」というのがお店の名前だった
どういう意味? と思ったら「かえっちゃうの?」というのがお店の名前だった
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