ロマンの木曜日 2012年10月18日
 

年に1度だけ開かれるエスカレーターの総本山に行ってきた

ごーんごーんごーん
ごーんごーんごーん
ずっと行きたかったあの場所に、今年ついに行ってくることができた。
ありがとう。ありがとう。
1984年うまれ、石川県金沢市出身。邪道と言われることの多い人生です。東京とエスカレーターと高架橋脚を愛しています。
> 個人サイト 東京エスカレーター 高架橋脚ファンクラブ

エスカレーターの聖地、ロイズ・オブ・ロンドン

それは、ロイズ保険組合のロンドン本社ビル。
エレベーターやエスカレーター、柱、配管など、本来内側に隠されるものを全部主役にして表に出した、「現代ゴシック」といわれたりする建築物だ。設計者は、私が親エスカレーター派建築家としてマークしているリチャード・ロジャースだが、彼のことはちょっとあとで話そう。

まずとにかく見ていただきたい、これだ!
これ以上の幸福があるだろうか。
これ以上の幸福があるだろうか。
地下2階から地上6階まで、吹き抜けの大空間に4基並列で、しかもシースルーで、しかも中身が光ってるやつがあわせて14基。あわわわわ。
地下2階から地上6階まで、吹き抜けの大空間に4基並列で、しかもシースルーで、しかも中身が光ってるやつがあわせて14基。あわわわわ。
うむ。すごい。
長いエスカレーターや変わったエスカレーターはいままでにかなりの数みてきたが、ここまでエスカレーター自体を、建物のど真ん中に主役として光り輝かせている建築がほかにあるだろうか。まるでエスカレーターを守るために外側の建物が存在するみたいに見えるじゃないか。Twitterでだれかがつぶやいていた、エスカレーターの総本山、と。
ありがたや。

みていただきたいものをほとんどみせてしまったが、さすが総本山、ここに至る道がなかなか険しかったので、道中の苦労など振り返らせていただこう。話は4年前にさかのぼる。

運命の出会い

ある日、本屋にあった『奇想遺産U世界のとんでも建築物語』(新潮社、2008年)という本をぱらぱらめくっていて
ある日、本屋にあった『奇想遺産U世界のとんでも建築物語』(新潮社、2008年)という本をぱらぱらめくっていて
私はこのページに目が釘付けになったまま、レジに持っていった。
私はこのページに目が釘付けになったまま、レジに持っていった。
家に帰って調べたところ、エスカレーターのあるのはビルの内部で、一般人は簡単に立ち入ることができないらしい。これは今から金融を勉強してロイズに入社するか、もしくは飛び込み営業をかけにいくか…(実際にはここは証券取引所のようなもので”会社”ではない)と考えていたところ、年に一度だけ、だれでも入れるチャンスがあるという。

Open House Londonまでの長い道のり

それはオープンハウス・ロンドンという、ロンドンの街中のいろんな建築物が公開されるイベント。期間は2日間、毎年、9月第3週の週末に行われる。9月第3週といったら日本はシルバーウィーク。私の働くIT業界ではお盆に休まなかった者たちの休暇取得激戦区である。くわえて毎年、なぜよりによってこの日に…という重大な予定が入り、「来年こそは」と思っているうちに4年も経ってしまったのであった。

そんなわけで、すんなり休暇申請がとおり、航空券の手配もホテルの予約も滞りなく行ったあとも、「今年も絶対なにかあるんではないか」という気分が抜けない。

公式サイトは当然英語。航空券の手配時には、開催日の情報だけ載っていたのが、1週間前くらいにあらためて見ると、「いくつかの建物は予約が必要だよ」「それは公式ガイドブックに書いてあるから確認してね」「ちなみに予約はもう締め切ったよ」という趣旨のことが明確に書いてあって青ざめる。そして例年用意されているというダウンロード版のガイドブックがどこを探してもない。「海外の郵便事情は日本よりはるかに悪いし絶対1週間じゃ届かないにちがいない、もしくは永遠に届かないにちがいない」という固定観念でなかば諦めつつ紙のガイドブックを注文。
2日で届いた。
2日で届いた。
載ってないんじゃないかとか、予約必須なんじゃないかとか、いろいろ最悪の事態を予想したが、ロイズ・オブ・ロンドンの欄には、翻訳したら「並べば入れる」ということが書いてあった。「ただしすごく並ぶかも」ともあるが、それは断然想定内である。
あとで気づいたことにはデジタルのガイドブックはPDFではなくて、スマートフォンアプリになっていた。500円。Google Mapと連動していてものすごく便利。
あとで気づいたことにはデジタルのガイドブックはPDFではなくて、スマートフォンアプリになっていた。500円。Google Mapと連動していてものすごく便利。
公開はロンドン到着予定の翌日の土曜日のみ。ここまできてもまだ、あまりにも「絶対なにかある…」という気持ちが強く、旅行キャンセルや中断、ロストバッゲージや飛行機遅延など、旅行保険のあらゆるオプションに入って、ロンドンに向かった(そのようなことは、おかげさまでひとつも起こりませんでした)。

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