土曜ワイド工場 2012年10月20日
 

ちくわぶ料理の可能性を見極めたい

ちくわぶ、新たな地平へ
ちくわぶ、新たな地平へ
自分になんの縁もなかったモノや業界が「実は相当にアツいらしい」という話を人から聞くのが大好きだ。
最近聞いたその手の話で一番衝撃だったのが、ちくわぶ界隈がなんだかすごいことになってるらしい、ということ。ちくわぶムーブメント、来てるらしい。…マジで?

しかし、本当にちくわぶムーブメントが来ているなら、その最先端がどうなっているのか見てみたい。ということで、ちくわぶを食べたことのない元関西人が、最先端の創作ちくわぶ料理を体験してきました。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。
> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

ちくわぶ、食べたことない

関東一帯で生活していない限り、まず一生巡り会うことがないであろう食べ物がある。それが、ちくわぶだ。

京都で生まれ関西ですごし、つい6年ほど前に東京に出てきた僕だが、思い返してみても今までの人生でちくわぶと交わった記憶が全くない。ちくわぶ、食べたことがないわ。

ところが、なぜかここ2ヶ月の間に妙なご縁で「ちくわぶ料理研究家」の方と知り合いになり、多方向からちくわぶの話を聞く機会があり、結果として身辺のちくわぶ情報濃度が急激な高まりを見せている。
人生39年間で完全にゼロだったちくわぶとの関わりが、突然のインフレだ。

まずはちくわぶの現場を見に行こう

いま「ちくわぶは関東」と言ったばかりだが、知人に聞き取りをしていくと、どうも相当に狭い関東らしい。
具体的には、西は静岡で東は埼玉だった。基本的に目撃情報・食体験ともほとんど東京に集中している。

もちろん、本当はそれよりずっと広いエリアで親しまれている可能性もあるが、それにしてもあれは東京の食べ物であり、つまり、地球上のちくわぶのほとんどは東京で消費されているということになる。

東京の食べ物なら、やはり都内で作っている地の物が美味いのではないか。
そこで件のちくわぶ料理研究家・丸山晶代さんに、最先端のちくわぶ料理を食べさせてくださいというお願いをしたついでに、どこのちくわぶが美味しいかを伺ったところ、
「それならば北区に素晴らしいちくわぶを作っているメーカーさんがあります」
という情報を得た。
ちくわぶ料理研究家の丸山晶代さんと愛猫のモモさん
ちくわぶ料理研究家の丸山晶代さんと愛猫のモモさん
さらに
「じゃあせっかくなので、ちくわぶ料理を食べる前に、そのメーカーさんにお願いして、ちくわぶの作り方から見せてもらいましょう」
という願ってもない申し出までいただいた。
行きましょう行きましょう。

ちくわぶ工場見学

丸山さんと一緒に伺ったのは、北区志茂にあるちくわぶメーカー、川口屋さんだ。
!
有限会社 川口屋
東京都北区志茂2-57-1
電話:03-3901-0685
http://www.chikuwabu.jp/
川口屋は昭和7年創業。今年でなんと創業80年の老舗である。

予め工場見学させて下さいとお願いしてあったので、すいません、と声をかけるなり「はい、どうぞどうぞ」と招き入れていただいた。とてもフレンドリーだ。
!
と思ったら丸山さんが「社長、どうもー」と挨拶してる。フレンドリーな方は川口屋の社長だった。

まずは工場を見ましょうか、ということで、きちんと白衣着用の後ちくわぶ作りの現場へ潜入だ。
事務所で白衣をお借りします。
事務所で白衣をお借りします。
もっちり体型が白衣を着ると、それだけでもうちくわぶっぽい。
もっちり体型が白衣を着ると、それだけでもうちくわぶっぽい。

How To Make Chikuwabu

ちくわぶは最終的に茹でてつくるものなので、工場は湯気と熱気に包まれている。足を踏み入れた時点で僕は額にけっこうな汗をかいていた。
いま(10月半ば)でこの暑さなら、夏場は相当にキツいでしょう、と訊ねたら、社長は「まあ夏はちくわぶはそんなに作らないから」とのこと。なるほど、鍋やおでんのハイシーズンが、イコールちくわぶシーズンなのだ。忙しいのはこれからだった。
そんな時期にお邪魔してすいませんでした。
ちくわぶ料理研究家とちくわぶメーカー社長
ちくわぶ料理研究家とちくわぶメーカー社長
ちくわぶの材料は、小麦粉と水、あとは塩。とてもシンプルだ。
社長「それをしっかり練って、延ばすんだけど、まぁここまではうどんとそんなに変わらないんですね」
なるほどなるほど。
社長「で、延ばしたのを巻いて、茹でて」
なるほどなるほど…え、巻くの?
社長「茹でたあとはまだ固いんで、最後に水に浸けて一晩熟成させるんですよ」
え、巻いて茹でて終わりじゃないんですか? 水に浸ける? 熟成?

立て続けにまったく予想外の製法を説明されて、ちくわぶ素人は困惑するばかりである。

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