とんかつは高い
豚肉にパン粉をつけて揚げた食べ物「とんかつ」。ジャンルで言えば「ご馳走」に分類される。それはなぜか、高いからである。お店にもよるが1000円以上はするだろう。一食に1000円。大変なご馳走である。
美味しいけれど高い!
とんかつをおかずにご飯を食べる。最高の幸せではないだろうか。多くのとんかつ屋はご飯のおかわりが自由だから際限なく食べてしまう。しかし高いのである。もっと安く、駄菓子を買うような金額でとんかつを食べたいのだ。
カツサンドも高い!
そんな高いことで有名なとんかつだけれど、実は安く食べることができる方法がある。私は長年これをとんかつと言い張り食べてきた。世界中のライフハッカーが見逃していた素晴らしき方法だ。安いのに、ほぼとんかつ。人間に不可能はないのである。
これが私が開発した安くて美味しい「とんかつ」です!
とんかつとは「とんかつソース」だ
上の写真を見ていただきたい。「とんかつ」と言いながらとんかつが見当たらないと思うかもしれない。別に正直者だけが見えるとんかつ、というわけでもない。誰にもとんかつは見えないのだ。しかし、正真正銘のとんかつなのである。
実際は「とんかつソース」をご飯にかけて食べます
とんかつとは「とんかつソース」なのだ。これをご飯にかけて食べれば、とんかつをおかずにご飯を食べているのとほぼ変わらない味になる。私がもし自分史を作るとすればこの発見を記すことだろう。
そう、私は長年の経験で「とんかつソース」の正しい解釈を発見したのだ。とんかつソースとは、「とんかつにかけるソース」ではなく、「とんかつ」と「ソース」なのである。とんかつの要素もソースの要素も持っている魔法の液体、それが「とんかつソース」なのだ。つまりとんかつソースこそが、とんかつなのである。
とんかつとはこれである
とんかつソースは最近は100円でも売られているので、非常に経済的だ。いろいろな種類のとんかつソースがあるが、どれもだいたいとんかつになる。ご飯にとんかつソースをかけるだけ。手軽で安い。真のとんかつとは安いのだ。
かつサンドも、
安く作れる!
カツサンドも食パンにとんかつソースをかけるだけ。これでカツサンドの味を十分に再現できている。そして安い。かつがない分、見た目は寂しい感じもするけれど、食べてしまうえば分からない。口の中では確かにかつを感じることができるのだ。霊感がある人ってこういう感じなのだろう。
もちろん美味しい!
とんかつとは「とんかつソース」だ
世の中にはこだわりがある人も多々いるだろう。味は再現できても、こんがり揚がった衣のサックとした食感がないではないか! という意見も分からないではない。むしろ私はグルメだからその意見はもっともだと思う。先までの方法では確かにそのような食感はない。ならば作ろうではないか。
食パンを叩いて、
小麦粉、たまご、パン粉をつけて、
揚げる
食パンをとんかつにするのだ。作り方はとんかつの作り方と全く一緒だ。するとサックという食感が生まれる。食パンだから肉を買うよりもずっと経済的だ。
小麦粉でできた食パンに小麦粉をつけ、パンでできたパン粉に食パンをつける辺りは、うさぎにバニーガールのコスプレをさせるような無意味さを感じるけれど、これも安くとんかつを食べるためである。
完成!
高級なとんかつを食べた時に「やわらか~い」という感想があると思うが、このとんかつはまさにそれだ。簡単に噛み切れる。やわらかいのお手本のようなやわらかいだ。元が食パンだから。味以外の感想までもがとんかつなのだ。しかも高級な。もちろん衣のサックとした食感も楽しめる。完璧ではないか。
カツサンドも完璧
カツサンドの場合は、食パンに食パンをはさむという、間の食パンからすればハーレムみたいな状態になる。食パン目線に立てば幸せな状況だ。考え方を変えれば幸せになれる、という教訓もこのカツにはあるのではないだろうか。もちろんとんかつソースをかけているので、とんかつの味だ。グルメでオシャレな私を唸らせた一品である。
とにかく美味しいんですよ!
幸せはとんかつソースから生まれる
何事も物事の本質を見抜くことが大切である。見抜くことができれば新たな道が開けるのだ。それがとんかつソースである。とんかつとはとんかつソースなのだ。
ただし見た目はとんかつソースだけなので寂しげだ。それを何とかするべく、雰囲気で乗り切ろうと、背景がボケるオシャレ写真が撮れる約3万円もするレンズを買った。そのお金でとんかつを食べればよかったと後で気が付いたが、「とんかつとはとんかつソースである」と明日からも自分に言い聞かせ、元気に生きて行こうと思う。