具志堅と呼ばれた19の夏
僕の頭髪は本当に貧弱だ。10代の頃、色気づいて近所の床屋でパーマをあてたら、あまりにも髪の毛が細くてひ弱なため、弱いパーマ液でもチリチリになってしまったのだ。その日からバイト先でのあだ名が具志堅になった。
以来、パーマは固く封印してきた
そんなわけで、そんなふにゃふにゃな髪の毛をもそそり立たせてしまう、最強のヘアワックスを探してみよう。
見た目からしておしゃれ感半端ない最近のヘアワックス
毛先よ遊べ
久しく毛先を遊ばせていなかったので知らなかったのだが、近ごろのヘアワックスはとにかく種類が豊富だった。同じブランドでも髪質の違いや質感の好みに合わせて数種類が販売されている。
薬局の店員さんに相談して、柔らかい髪質向けのオススメを選んでもらった。
薬局の店員さんに相談して、柔らかい髪質向けのオススメを選んでもらった。
エントリーN0.1 NUDY スパイキークレイN(カネボウ)
エントリーN0.2 GATSBY ムービングラバーワイルドシェイクG(マンダム)
エントリーN0.3 UNOアクロバットワイヤーN(資生堂)
さらに、昭和からの刺客「ポマード」さんも参戦。
ビッグ3+ポマードを比較
NUDY、GATSBY、UNOのビッグ3に、リーゼントやオールバックといったオールドファッションには欠かせない昭和からの使者「ポマード」を加えた4者の性能をさっそく比較していこう。
同量を髪につけてみました
際立つNUDYのソリッド感
どれもいずれ劣らぬハネっぷりだが、反りかえりの鋭さではNUDYが群を抜いている。では、耐久力はどうか? しばらくこの状態で放置して、変化の程を比べてみよう。
じっと経過を待つ
さすがにこんな、片方だけサリーちゃんのパパみたいな髪型では出かけられないので、仕事をしながら3時間放置。するとそれぞれの毛先はこのようになった。
UNOの耐久力が光る結果に。ポマードも意外に健闘
耐久力ではUNOが最強
あんなにビンビンに反りまくっていたNUDYは意外とヘタるのも早かった。一方、3時間前とほぼ変わらない角度を保持したのはUNO。GATSBYもなかなかのふんばりを見せたが、地味にポマードの健闘も光った。
やっこさんをつるして遊べるほどの耐久力です
外ではどうか
屋内ではなかなかの耐久力を見せるヘアワックスだが、外ではどうだろう。
けっきょく、外に出ました
風の強い日に1時間ほど散歩
この日は風が強く、無造作ヘアーにとってはバッドコンディション。ビュンビュン吹き荒れる向かい風の中を1時間ほど散歩し、帰宅した。
やはりUNO強し、
ここでも無類の強さを誇ったのはUNO。強風などものともしないタフネスで王座を守った。ポマードの安定感もさすが。世のお父さんのオールバックをがっちりキープしてきた実績はダテじゃない。
プロに聞いてみよう
というわけで僕の髪にもっとも適しているのはUNOであることが分かった。結果が出てしまったのでもう書くことなくなったが、最後にプロの美容師さんに毛先を遊ばせるコツを聞きに行くことにした。
行きつけの駅前の美容室へ
じつは、ふだんは美容室に行ってもカット後のブローのみで、しっかりセットをしてもらったことはない。なぜならセットをするという行為は、いかにも色気づいているようで気恥かしいからだ。つい最近32歳になった僕だが、未だ思春期の中学生並みに、色気づくことに対して照れがある。
聖子ちゃんになろう
だが、今宵はそんな自分の殻を破りたい。憧れの聖子ちゃんカットに挑戦するのだ。
この毛先の遊ばせ感たるや!
聖子ちゃんカットといえばデビュー当時の松田聖子が一世を風靡したフリフリ全開のアイドルヘアーだ。当時の女子中高生はこぞってこの聖子ちゃんカットをマネしたと聞く。
ちなみに筆者の母親は松田聖子はぶりっこだからと嫌っていたが、内心は聖子ちゃんカットに憧れていたようだ。こないだ実家に帰った際、祖母がこっそり教えてくれた。
これでは母がかわいそうだ。息子の僕が聖子ちゃんになることで、彼女の無念を成仏させてあげようと思う。
ちなみに筆者の母親は松田聖子はぶりっこだからと嫌っていたが、内心は聖子ちゃんカットに憧れていたようだ。こないだ実家に帰った際、祖母がこっそり教えてくれた。
これでは母がかわいそうだ。息子の僕が聖子ちゃんになることで、彼女の無念を成仏させてあげようと思う。
歪んだ親孝行
だが、相手はオシャレなヘアスタイルの代表格。毛先の遊ばせ方も半端じゃない。美容師さんによればやはり僕の髪はセットしにくい髪質らしく、ワックスなどでこれを再現するのは限界があるとのこと。ワックス自体の重みで毛先が垂れ下がってしまい、聖子ちゃん特有のゆるふわ感が出にくいのだ。
そこで、ドライアーで丁寧にブローしながら髪を巻きあげ、聖子ちゃんカットを作ってもらった。「僕のためにそこまで」と感動したが、ブロー中、美容師さんはずっと半笑いだった。
そこで、ドライアーで丁寧にブローしながら髪を巻きあげ、聖子ちゃんカットを作ってもらった。「僕のためにそこまで」と感動したが、ブロー中、美容師さんはずっと半笑いだった。
というわけで、これが僕ができる精一杯の聖子ちゃんカット
拝啓、母上様
長さとボリューム不足で聖子ちゃんというより場末のおかまバーのママみたいになってしまったが、その代わり、前髪はかわいく作ってもらった。
おかあさん、ぼくは元気です
そういえば美容室へは毛先を遊ばせるコツを聞きに行ったんだった。そのことをすっかり忘れて聖子ちゃんカットがメインになってしまったが、僕のような柔らかい髪質の場合はワックスを使うと逆に重苦しい印象になってしまうので、丁寧なブローでふんわり感を出した後、スプレーで一気に固めてしまうのがいいらしい。
おかげで10時間経ってもキープ オン 聖子
ジェケット風
私ごとで恐縮だが、近ごろ髪の毛のボリュームが心もとなくなってきた。焦って高級なシャンプーを使い始めてはいるがもはや風前の灯火といった感もある。
となると色んな髪型を楽しめるのもあとわずか。今回得た知見をもとに、これからも果敢に毛先を遊ばせていきたいと思う。