お正月特集「過剰な食べもの」 2013年1月4日

お正月特集「過剰な食べもの」やっぱり栗きんとんが過剰

正月の甘い海
正月の甘い海
2012年、私はシナボンを食べてそのやりすぎ感に戦慄した。あんな過剰な食べ物がこの世にはあるのか。異文化の猛々しさにほぼ降参状態であった。

しかし気づいたのだ。日本にはあいつがいるじゃないか。栗きんとんである!

複数ライターがワンテーマで書くお正月特集、1/4の今日は「過剰な食べ物」。いろんな意味でのやりすぎフードを8本取り揃えました。お正月の満腹気分にとどめを刺させていただきます。
東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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でかい菓子パンどころじゃない

最初は本稿にはヤマザキの「ロングクリームパン」というでかすぎる菓子パンを取り上げるはずだったのだ。

が、探しに出かけたスーパーで栗きんとんを見つけるやいなや何かもう、これを取り上げずにどうするかという強い気持ちでいっぱいになった。

甘いたっぷりの餡に甘く煮た栗がごろっと入っている。甘いに甘いを遠慮なくぶつけた料理。過剰な食べものとは、まさに栗きんとんのことじゃないか。

異国のシナボンに驚かされるばかりだった今までは何だったのか。
梅干っぽいケースに入っているが味は真逆である
梅干っぽいケースに入っているが味は真逆である

こんなでかいパックが平然と

しかも正月を控えた売り場(買ったのは年末でした)には大型のパックが平然と並んでいるのだ。お節のお重にちょこっと入っているものだとばかり思っていたら大間違いだぞ。

目をとじよう。今も日本中のスーパーで栗きんとんがキロ単位ではけていく。宇宙である。

宇宙に生きるものの1人として、私もパックをつかんでレジへ運んだ。ただし500gは消費に自信がない(ぺろりと食べちゃいそうで恐ろしいという意味を含める)ため、300gのほうにしたことはどうかご了承いただきたい。
子どものころから、この餡に透け感があるのがなんかやばいと思っていた
子どものころから、この餡に透け感があるのがなんかやばいと思っていた

あくまで「惣菜」である

こころして正座で食べる。改めて甘い。噛みしめるごとに甘く、悪い歯にしみる。餡が甘い、栗も甘い、甘さに逃げ場が一切ない。

これがジャムやペーストのように何かにつけて食べるものではなく、そのまま食べるものであるというのはすごいことなのではないか。甘いもの好きとしては立ち上がって喝采である。

自作するとなるとかなり大変な料理だ。下手したら日本でも限られた一地域でのみ現存する郷土料理みたいな扱いにもなり得たかもしれない。この食文化が現在まで残ってくれてよかった。

見れば今回買ってきた栗きんとんは食品表示の名称欄が「惣菜」であった。

菓子ではない。あくまでおかずなのである。

毎年目にしているからだろう、惣菜なの? まさか!と突っ込む力があまり出ないのがまた悔しい。
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