お正月特集「なんでもまるかじり」 2013年1月3日

お正月特集「なんでもまるかじり」刺身のかたまりをまるかじりする

まるかじりでいただきます!
まるかじりでいただきます!
好きなものと言ったら刺身である。

ふだん刺身はお皿にきれいに少しだけ盛られて出てくるだろう。寿司にしたってそうだ。伝統の技で一口サイズにまとめてくれるのはありがたいが、あれでは好きな刺身を食べた気にはならない。

今回は企画にかこつけて、でかい刺身をまるかじりしてみました。

6人のライターがワンテーマで書くお正月特集、1/3の今日は「なんでもまるかじり」。 普段切り分けるものをまるで食べる幸せ、あるいは違和感をぜひご堪能ください。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

一番高いの買ってきた

刺身が好きである。

クリスマスに何が欲しい、ボーナス出たら何買おう、明日世界が終わるとしたら、無人島に持っていくなら。

刺身である。僕は刺身が食べたい。

子どもの頃ならラジコンとかプラモデルとか、いろいろと欲しいものがあった。しかし大人になった今、物より思い出である。腹いっぱい刺身が食べたい。

刺身といえば縦3センチ、横7センチくらいの短冊を思い浮かべることだろう。そうなのだ、それが刺身の共通認識なのだ。そんなの誰が決めたんだ、悔しくないか。だって足らないだろう。

今回、企画にかこつけて刺身をかたまりで買ってきた。今から僕はこれをまるかじりにするのだ。どんな気持ちがすると思う?
メバチマグロ中トロ解凍、155グラム1209円。幸せの塊である。
メバチマグロ中トロ解凍、155グラム1209円。幸せの塊である。
切り分ければ刺身5人前にはなるだろう。この中トロのかたまりを、これからまるかじりさせていただく。実施する前に風呂に入った。

いざ

中トロは箸で持つと自重ででろんとしなだれた。すごいぞ。端に少しだけしょうゆをつけて口まで運ぶ。ここですでに指先に疲れを感じている。ただごとではない。
ありがとうございます!
ありがとうございます!

刺身のかたまりは口と同じサイズ

口に入れてみてわかったことだが、刺身のかたまりは幅がほぼ口の横幅と同じだった。切り分けてからでは見えない合致。パズルの最後の1ピースを見つけた時のような感動である。

しかし感じた幸せが次の瞬間、一歩遠のく

(冷たい)

冷たいのだ。

でかい刺身をまるかじりすると体が冷える

口いっぱいに刺身をほおばると冷たいのだ。噛み切る歯も知覚過敏なので若干痛む。刺身の冷たさなんて通常サイズでは気にならないのに。

それでも負けてはいけない、ここまできたのだ。むしりとるように喰いちぎると次の感覚がやってきた。

(舌みたい)

口いっぱいの刺身は、舌みたいなのだ。はっきりいってちょっときもちわるい。

あと精神的な部分だが、罪悪感がすごい。こんないいものを家族に黙って一人まるかじりしている、その後ろめたさたるや。途中で一度妻が部屋に入ってきたのだが「ごめん!撮影で刺身食べてて」と言ってしまった。わけのわからない言い訳である。

刺身のサイズは考え抜かれたもの

というわけで刺身の塊をまるかじりしてみてわかったことは、やはり縦3センチ横7センチくらいがちょうどいい、ということである。あとこのサイズのかたまりを食べると半分くらいでおなかいっぱいになります。もちろんおいしかったですけど。
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