ロマンの木曜日 2013年2月7日
 

福岡県の中に熊本県が3か所もある場所

この三つの飛び地に行きたい(昭文社 都市地図 福岡県8 大牟田市)
この三つの飛び地に行きたい(昭文社 都市地図 福岡県8 大牟田市)
福岡県大牟田市の中に、熊本県荒尾市の飛び地があるらしい。

市街地の中にある県境を越えた飛び地としては、埼玉県新座市の中にある東京都練馬区西大泉町と双璧をなす飛び地だとぼくが勝手に思っている飛び地だ。

飛び地好きのぼくとしては、これはぜひとも行っておきたい。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

県境をまたいだ貴重な飛び地

県境をまたいだ飛び地は日本全国に幾つかあるものの、とりわけ市街地にあり気軽に訪れることができる飛び地は中国地方以西の西日本ではここにしか無い。

先日、福岡に行く機会を得たので、長年のあこがれであった大牟田市にある荒尾市の飛び地に行くことにした。
万博のパビリオンみたいな西鉄大牟田駅
万博のパビリオンみたいな西鉄大牟田駅
西鉄大牟田駅でレンタサイクルを借り、ひとまず、福岡県と熊本県の県境に向かう。
コンビニで購入
コンビニで購入
途中、大牟田市の地図を購入し位置を確認する。

この飛び地、iPhoneのGoogleマップでは表示されなかったり、ズームアップすると境界部分が消えてしまうなどするため、位置がつかみづらいのだ。
Googleマップはとても便利なのだが、飛び地・県境マニアにとっては使いづらい部分もある。

福岡、熊本県境に到着

駅から自転車で15分ほど南下すると福岡、熊本の県境に到着。
看板の下ちょっと手前が福岡と熊本の県境(マウスオーバーで県境表示)
歩道の作りが熊本側と福岡側で違うのは県境だからか?(マウスオーバーで県境表示)
以前、県境をさかいに歩道の作りが明らかにかわっている場所に行ったことがあるけど(こちらの記事)、ここもそのようだ。

パッと見たところ、熊本県側の方が歩道がキレイに整備されている。

話が通じない

先ほどの県境の場所からさらに住宅地に入っていった場所に飛び地の一つがある。熊本県荒尾市原万田だ。

より大きな地図で 大牟田市の飛び地 を表示
地図によればこのあたりが飛び地の県境なのだが……(マウスオーバーで県境表示)
普通に見える住宅地、しかし、この住宅地の中に飛び地があるのだ。

心眼で見えない境目を見るためのイメージトレーニングをしつつ飛び地に近づく。

しかし、さっき買った地図では縮尺が大きすぎ、いったいどこからが飛び地なのかわからない。

散歩していたおじさんに話をきいてみた。
家の敷地内に県境があるお宅のおじさん
家の敷地内に県境があるお宅のおじさん
--すみません、この辺りに飛び地があるってきいて見にきたんですが……どこが飛び地ですかね?
「あぁ? 駅はもっと向こうだよ線路越えて……」

--あ、あの駅じゃなくて飛び地みにきたんですよ
「え? 天理教の教会ならもうちょっと向こう……」

--いや、大牟田市の中に荒尾市があるって聞いたんで、その飛び地を見にきたんですよ、
「ああ、飛び地? それならここの並びがぜんぶ熊本」

やっと通じた。

おじさんの話によると、この並びの建物7軒ほどが、福岡県の中にある熊本県の飛び地だそうだ。
こうなってるのか
こうなってるのか
向かって左が熊本県、右が福岡県の通り(マウスオーバーで県境表示)
--この飛び地、どうしてできたのかご存知ですか?
「昔はこのへんはなんにもなかったとですよ、みんな埋立地で荒れ地だから、そこの道しかなかった、そこの道を通って遠足に行ったもんたい」

--昔からこちらにお住まいなんですね、このあたりが飛び地になったのは……
「ばってん電気屋(ケーズデンキ)のあたりはみーんな鉱業所の社宅だったとよ」

--今は社宅が無くなってロードサイドの店舗になってるわけですか。ところで、ここだけどうして荒尾市の飛び地になったのかご存知ですか?
「車のナンバーも熊本と福岡でちがうとですよ」

--ほう、なるほど、隣同士でもナンバーが違うって面白いですね。ところで、荒尾市の飛び地がなぜできたかってのはご存知ですか?
「うーん、知らんな」

手を替え品を替え、飛び地の由来に関する手がかりを聞き出そうとしたが、よくわからなかった。

ただ、たしかに停まっている車のナンバーが、道を挟んで熊本ナンバーと久留米ナンバーに別れているのは確認できた。

ありがとう、おじさん。
お向かいは隣県
お向かいは隣県

廃線跡に寄り道しつつ第二の飛び地へ

ところで、googleマップをみてみると、なんだか四角いものが等間隔に並んでいる様子が確認できる。
この四角いものの正体、それは廃線跡にたつ鉄塔だ。
エロかっこいい立ち姿の鉄塔(マウスオーバーで県境表示)
これは、三井三池鉄道という鉄道線の廃線跡だ。

むかしは石炭を満載した貨物列車や鉱業所の通勤列車などが走っていたが、三井三池炭鉱の閉山とともに97年に廃止されてしまった。

家にあった昭和2年の大牟田市の地図をみてみると、確かに線路が描いてある。
赤線が鉄道。大牟田市内をぐるりと取り囲むように列車が走ってた(駸々堂 日本府縣管内地圖 iェ縣)
赤線が鉄道。大牟田市内をぐるりと取り囲むように列車が走ってた(駸々堂 日本府縣管内地圖 iェ縣)
つい、廃線跡に話が脱線してしまったが、閑話休題。飛び地巡りに戻りたい。

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