フェティッシュの火曜日 2013年3月12日
 

上野には博物館(の建物)を見に行こう

展示物だけじゃなく、建物もカッコ良い上野の博物館たち
展示物だけじゃなく、建物もカッコ良い上野の博物館たち
ご存じ、東京都台東区にある上野公園。その広大な敷地には、上野動物園を始め様々な文化施設が並んでおり、春には桜の名所として知られる憩いの場である。

博物館や美術館の類も数多く、その展示を見に行かれる方も多い事だろう。今回はそれら上野公園の界隈に建つ博物館の所蔵品……ではなく、建物を改めて見直してみたいと思う。

じっくりと、腰を据えて見るべき建物が多いんですよ、上野には。
1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。

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上野公園の入口に並ぶ師弟の作品

上野駅の公園口を出ると、まず目に飛び込んでくるのが昭和36年(1961年)に建てられた東京文化会館である。

日本の現代建築に大きな影響を与えた建築家、前川國男(まえかわくにお)の代表作だ。上野公園の玄関を飾るにふさわしい、立派なたたずまいのモダニズム建築である。
直線的でありながら丸みを帯びた風貌が印象的
直線的でありながら丸みを帯びた風貌が印象的
日除けのスリットが格子みたいで上品ですな
日除けのスリットが格子みたいで上品ですな
また東京文化会館の向かいには、これまた極めて上質なモダニズム建築、国立西洋美術館本館が建っている。
日本唯一のコルビュジェ作品、国立西洋博物館本館
日本唯一のコルビュジェ作品、国立西洋博物館本館
東京文化会館を建てた前川國男は、モダニズム建築の巨匠として知られるフランスの建築家、ル・コルビュジェの元で建築を学んでいた経歴がある。いわば師弟関係なんですな。

国立西洋美術館本館はそのル・コルビュジェが設計を行い、弟子の前川國男らによって昭和34年(1959年)に完成されたものだ。2007年には重要文化財に指定された。
宙に浮いた箱のような外観が特徴的だ
宙に浮いた箱のような外観が特徴的だ
以前、コルビュジェの最高傑作と称されるサヴォア邸についての記事を書かせていただいたが(→参照)、改めて見るとこの国立西洋美術館本館、やはりサヴォア邸と共通する部分が多いですなぁ。
フランスのパリ郊外に建つサヴォア邸
フランスのパリ郊外に建つサヴォア邸
もちろん、コルビュジェの理念は弟子の前川國男にも受け継がれ、前述の東京文化会館にもその要素が随所に盛り込まれている。

現代の建築に大きな影響を与えた師弟の作品が並ぶ上野公園の入口。それだけでも、わくわくさせられるじゃないですか。

公園の隅に建つ、日本初の音楽ホール

さて、続くは上野公園の北西部、東京芸術大学のキャンパス近くにひっそりたたずむ木造の旧東京音楽学校奏楽堂だ。

こちらは明治23年(1890年)、山口半六(やまぐちはんろく)と久留正道(くるまさみ)という二人の建築家によって建てられた、日本初の本格的西洋式音楽ホールである。こちらもまた重要文化財。
落ち着いた雰囲気の洋風建築
落ち着いた雰囲気の洋風建築
デザインも色使いもシックで素敵
デザインも色使いもシックで素敵
日本初とか、そういう響きに弱い私としては、なかなかに興味をそそられる建築である。中も見てみたいと思ったが、残念ながらこの日はホールが使用中との事で、拝観は叶わなかった。

まぁ、音楽堂として建てられた建物が今もなお音楽堂として使われているのは素晴らしい事である。

国際子ども図書館の建物は大人な雰囲気

旧東京音楽学校奏楽堂のすぐ北には、国際子ども図書館がある。“子ども図書館”という名前の施設ではあるものの、その建物はあまりに荘厳な、ルネサンス様式の洋風建築だ。

それもそのはず、元は帝国図書館(現在の国会図書館)の建物として明治39年(1906年)に建てられたもので、平成10年(1998年)までは国会図書館の支部、上野図書館として利用されていたという。
ででーんと建つ、国際子ども図書館
ででーんと建つ、国際子ども図書館
過剰になりすぎず、さりげない装飾が色っぽい
過剰になりすぎず、さりげない装飾が色っぽい
避雷針もいちいちデザインが凝ってる
避雷針もいちいちデザインが凝ってる
国会図書館から児童書の図書館へと用途が変わった今、ここには親子連れの客が絵本を読みに来たりするのだろう。

子どもがこの建物を見たら、普通の町では見慣れない建物の荘厳さにびっくりするんじゃないだろうか。いや、あるいはヨーロッパのお城みたいと喜ぶのかもしれない。
京成本線、博物館動物園駅の入口もちょこんと残る
京成本線、博物館動物園駅の入口もちょこんと残る
国際子ども図書館から、廃止された博物館動物園駅の入口跡を横目に見つつ戻る。

お次は上野を代表する、いや日本を代表する博物館、東京国立博物館へ突入だ。

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