フェティッシュの火曜日 2013年3月26日
 

晴れた日はラジオ持って天気図でも書こうぜ

!
NHKのラジオで1日3回、気象データを放送している。用紙があればこれを元に天気図を書くことができる。
晴れてあたたかい日は、公園でラジオ聞きながら天気図でも書いてみよう。
1978年、東京都出身。漂泊の理科教員。名前の漢字は、正しい行いと書いて『正行』なのだが、「不正行為」という語にも名前が含まれてるのに気付いたので、次からそれで説明しようと思う。
> 個人サイト まさゆき研究所

ラジオを持って公園に行こう

ある晴れた休みの朝、僕は天気図を書かされたことを思い出した。中学校の理科の授業でラジオを聞き、みんなで書いたのだ。
日本各地の風速・気圧が20分間、淡々と読み上げられる
日本各地の風速・気圧が20分間、淡々と読み上げられる
専用の用紙に各地点の気圧の数値を書き込み、最後に線を引いて天気図を書きあげる。なつかしい。
どれ、久しぶりにやってみようか。
持ち物は、ラジオ、天気図用紙、えんぴつ。
持ち物は、ラジオ、天気図用紙、えんぴつ。
ラジオはスマホのアプリで聞けるし、用紙はフリーでダウンロードできるが、こういう機会にはオールドスタイルの物を用意したい。
天気図用紙と小型ラジオ。
天気図用紙と小型ラジオ。
用紙は本屋さんで店員に頼むと奥の棚から出てくる。630円。バイトの店員に聞いてもぽかーんとされてしまうので、年季の入った店員さんを探して頼んでみよう。
そしてまたこのラジオも、新品なのにいい感じに懐かしい。
750円。こういうの技術家庭の時間で作った。
750円。こういうの技術家庭の時間で作った。
どこに合ってるか分からない太い赤の棒
どこに合ってるか分からない太い赤の棒
電池取り出す用についてるのは布製のリボン
電池取り出す用についてるのは布製のリボン
思えばテレビを持ってなかった中学2年まで、こんなラジオで、「岸谷五郎の東京レディオクラブ」を布団の中で聞いてたのだ。NHKのラジオドラマ「青春アドベンチャー」とかも。
まだ夜の暗さや夜風の音が少し怖かった年頃、ラジオの音は何とも言えず温かかった。

『気象通報』、オンエア開始!

番組『気象通報』はNHK第2放送で9:10〜、16:00〜、22:00〜の3回。始まったら待った無しなので、それまでにえんぴつ削ったり、座りごこちのいい石を探すなどしておこう。
さあ、記入開始だ。
「気象庁予報部発表の3月23日午前6時の気象通報です。」
「気象庁予報部発表の3月23日午前6時の気象通報です。」
「石垣島  東南東
 風力2 くもり 1012hpa 24℃
 那覇   北
 風力2 くもり 1014hpa 21℃
 南大東島 南西
 風力3 くもり 1014hpa 22℃」
次々と読み上げられるデータを集中して丁寧に書き込んでいく。
石垣島から大阪、仙台、そして稚内まで。最後に富士山。
ときたま「みぞれ」とか、分からない天気記号が出てくるが、気にしないで書き進める。
続いて放送はロシア地方に移る。
セベロクリリスク 西 風力3 晴れ 998hPa −2℃
セベロクリリスク 西 風力3 晴れ 998hPa −2℃
全力で聞いたことがない地名だ。
調べてみると戦前まで日本統治下にあった町で、当時は「柏原」と呼ばれていたらしい。
「セベロクリリスク」と「柏原」、その圧倒的な関連の無さがすがすがしい。しかしロシア情緒にひたるのも束の間、放送は中国大陸へと進む。
「長春 風弱く 快晴 1018hPa −9℃」を聞きながら。
「長春 風弱く 快晴 1018hPa −9℃」を聞きながら。
関東はすでに桜も咲き始める陽気だが、中国北部はまだまだ冬真っ盛りである。朝にちょっと冷え込んだぐらいで寒いと騒ぐ自分が恥ずかしい。
しかし天気は「快晴」である。
広い中国大陸の−9℃の快晴の空を思いながら、鉛筆で紙上に気圧を書き込む。
やっぱり寒い朝は、こうりゃんをお粥にして食べたりするんだろうか。
マニラ 南東 風力1 くもり 1010hPa 27℃
マニラ 南東 風力1 くもり 1010hPa 27℃
と思えば次は東南アジア、気温27℃である。夜の6時なのに27℃、もしかしたら今夜は熱帯夜だろう。(熱帯だから当たり前か)

ロシアを流れる流氷に思いをはせたあと、中国の青空を心に描き、マニラの熱気に胸を熱くする。
まるで極東を一周、旅行したかのような気持ちになって、20分間の放送は終わる。
あとはのんびり等圧線を書いていこう。
ここからは時間は無制限。のんびり考えます。
ここからは時間は無制限。のんびり考えます。

天気図、完成します

放送の中で、高気圧と低気圧の位置は教えてくれるので、あとはそこが中心になるように、かつ線が交わらないように、等圧線を引いていく。
パズルのような感覚に近い。
理科の先生だから楽勝、というわけにはいかず、20年ぶりにやるので全く分からない。よくわからない部分は適当にごまかす。
こんな感じかな。3月23日朝6時の天気図。
こんな感じかな。3月23日朝6時の天気図。
『気象通報』は通報だから予報はしてくれしない。
できた図を元に自分で予想する。
おそらく今日の関東地方は、午後にはくもりだ。
あとは桜を見ながらビールでも飲んで、帰ったら天気図の答え合わせでもしてみよう。
意識して書いた凸凹とかが合うと、結構うれしい。
意識して書いた凸凹とかが合うと、結構うれしい。

天気図で旅をしよう

音声放送からじっくり40分かけて天気図を書きあげてみたが、予想以上に満ち足りた。
アナウンサーがまったく噛むことなくロシアの地名を読み上げていくのもいいし、本州南方にある海上の自動観測装置が「風向・風力・天気は不明 気圧1012hPa」とかデータを送ってくるのもいい。

その日の放送原稿は、深夜に気象庁のホームページにアップされるのでそれを見ても書けるが、ぜひぜひ小型ラジオを携えて、ビール飲みながら書くのがおすすめである。
この地名をみんな噛まずに読む。すごい。
この地名をみんな噛まずに読む。すごい。
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