フェティッシュの火曜日 2013年4月2日
 

世界一の釣り堀で巨大魚たちと遊ぶ

この顔は別に感動して泣いてるとかじゃなくて、魚が重くてつらいだけです。
この顔は別に感動して泣いてるとかじゃなくて、魚が重くてつらいだけです。
タイに「世界一の釣り堀」があると聞いた。
何が世界一なのかもよくわからないが、わざわざ海外旅行で釣り堀なんて行くことないだろう…。そう思っていたが、タイに詳しい知人たちから強く勧められたので話のタネにと空いた日程で行ってみた。

結論から言うと、行ってよかった。
1985年生まれ。生物を五感で楽しむことが生きがい。好きな芸能人は城島茂。
> 個人サイト Monsters Pro Shop

釣り堀に入る前にデジカメを無くす

僕は魚釣りが好きだが、釣り堀にはまったく興味がわかない。
自然の中であれこれ工夫しながら、野生の魚を探し出して釣り上げるのが楽しいんじゃないか。
イケスの中に閉じ込められて餌付けされている魚なんて釣って何が面白いのだろう…。

タイ入国初日、正直あまり気乗りはしないがバンコクのスワンナプーム国際空港からタクシーに乗り込む。
空港からタクシーで30分。エスニックなたたずまいの建物に着いた。
空港からタクシーで30分。エスニックなたたずまいの建物に着いた。
その釣り堀の名は「ブンサムラーン・フィッシングパーク」。かなり有名な観光地のようで、運転手さんに施設名とおおよその住所を告げると、「ああ、あそこね。」といった感じで一目散に走り出した。

意外とすぐに到着したが、ここでトラブル。タイにしては請求されるタクシーの運賃が高い。そういえば備え付けのメーターも回っていなかった。明らかにぼったくりだ(といっても、それでも日本の感覚からするとかなり安い)。
しかし、長い空の旅で疲れていたので抗議する気力もなく、大した額でもないしと大人しく支払い荷物を担いで降りた。走り去るタクシー。

さあ、とりあえず入口の写真でも撮るか。というときに異変に気付く。
「デジカメ、タクシーの座席に忘れてきた…」
ありえないミス。国内でも外出時は貴重品を肌身離さぬタイプの僕が、よりによって海外でやらかすとは…。疲れて緊張感が抜けていたのだろうか。

日本人の助っ人登場

釣り堀の入り口で途方に暮れていると突然、「日本の方ですか?」と声を掛けられた。日本語で。
この釣り堀に併設される釣り具店と釣り雑誌の編集プロダクションで働く半澤さん。
この釣り堀に併設される釣り具店と釣り雑誌の編集プロダクションで働く半澤さん。
驚いて顔を上げると、そこにはやけに爽やかな日本人のイケメン青年が立っていた。
「え?なんで日本人がいるの?というかなんでタイに来て最初のまともな会話が日本語なの?」
よくわからないが疲れとデジカメを無くしたことによって幻覚を見ているわけでもなさそうだ。
入口の受付でチケットを買ったり釣具を借りる
入口の受付でチケットを買ったり釣具を借りる
なんでも、彼はとにかく釣りが好きで世界中で色々な魚を釣り歩いており、何度もタイを訪れているうちにあちらの釣り業界から声が掛かり、タイへ移住することになったのだとか。
なんかいきなりとんでもない人に出会ってしまった気がするが、とにかくこの人に相談してみることに。
「あー、それは大変でしたねー。でも大丈夫ですよ!僕も数日前に日本から働きに来たばかりなんですけど、いきなり全財産を置き引きに遭っちゃって今ほとんど一文無しなんですよ。アハハ!」 と明るく慰めてくれた。
おかげで一瞬少し楽になった気がしてしまったが、それ全然大丈夫じゃないだろう。僕よりむしろ君が。
外国人観光客も多く訪れるため、あちこちに英語が。
外国人観光客も多く訪れるため、あちこちに英語が。
そうだよな。日本のように治安はよくないのだ。しかも観光客と見るや露骨にぼったくるような運転手だ。もうカメラは戻ってこないだろう。あきらめてせめて釣りを楽しもう…。

そう思った次の瞬間、すごい勢いでタクシーが入口へ横づけされた。
「よう、ジャパンの青年。忘れものだぜ!(意訳)」と笑顔であの運転手がカメラを片手に降りてきたではないか。
「タイランドはジャパンと違ってデンジャーなんだ。気を付けなよっ!(みたいなことを言ってたような気がする)」とあっさり返してくれた。

「なんて良い人なんだろう。」この瞬間、その運転手さんばかりかタイという国自体が好きになってしまった。ほんの数分前にぼったくりやがった本人なのに。
結局、感謝のあまり運賃以上のチップを支払い、爽やかに別れた。

ぼったくりは全然ためらわないけど人のものを持ち去ることはしないのか。

道徳観がよく分からなくなったがまあいい。これで晴々とした気持ちで釣りができる。
日本語の案内まである。日本人のお客さんはかなり多いそうだ。
日本語の案内まである。日本人のお客さんはかなり多いそうだ。

広い!何でもある!

釣り堀…?
釣り堀…?
受付を通って驚いた。敷地が広すぎる。
釣り堀というより、やけに釣り人に都合のよい湖といった印象である。
広すぎるので移動に自転車を使うことも。
広すぎるので移動に自転車を使うことも。
それもそのはず、この釣り堀は自然湖を利用して作られた施設なのだ。
発想がダイナミック!

そして広さ以上に驚くのが釣り堀らしからぬ施設の異常な充実ぶりである。
休憩スペースにゲームコーナー…
休憩スペースにゲームコーナー…
ビリヤード台…
ビリヤード台…
カフェ・バーに
カフェ・バーに
タイ料理はもちろん、なぜか日本料理のレストランも
タイ料理はもちろん、なぜか日本料理のレストランも
この釣り堀は24時間営業で、宿泊することもできる。そのため釣り堀から一歩も出ずに生活ができてしまうほど何もかもが揃っているのである。
釣りに飽きても、なんなら釣りに興味が無い人でも楽しめてしまうほどだ。
飲食店は料理や飲み物を釣り場まで配達してくれる。自転車で。
飲食店は料理や飲み物を釣り場まで配達してくれる。自転車で。
特に飲食店のサービスがすごい。料理の味が良いのはもちろんだが、常に従業員が釣り堀の中を巡回しているので、釣り人は魚を釣りながら好きな料理を注文でき、しかも出来立てを釣り場まで届けてもらえるのだ。
深夜から早朝に活躍するコンビニ。
深夜から早朝に活躍するコンビニ。
なんとネットブースも。
なんとネットブースも。
タイマッサージのお店も当然のようにある。
タイマッサージのお店も当然のようにある。
なぜか靴屋まで。
なぜか靴屋まで。

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