土曜ワイド工場 2013年5月25日
 

夢のような山菜採りをしてきた

食べごろのタラノメを見つけた時の喜びを、あなたにも伝えたい。
食べごろのタラノメを見つけた時の喜びを、あなたにも伝えたい。
昔から憧れていた自然体験の一つが、山菜採りだ。キノコ狩りと同様に、その道の案内人がいないと成り立たないため、この年まで未体験だったのだが、ようやく、ようやく山菜採りを趣味とする人と出会うことができたのである。

その場所は日本海に浮かぶ佐渡島。ゴールデンウィークの前半に、山菜天国の佐渡島で、夢のような山菜採りを三日に渡って体験してきた。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。
> 個人サイト 私的標本 趣味の製麺

憧れの山菜採り体験

今回山菜採りの案内をしてくれたのは、プープーテレビでおなじみ、エアギタリストの宮城マリオさんのおとうさん。

定年退職後に佐渡島へと移住し、悠々自適な生活を送っている、とてもうらやましい人である。

佐渡島には3年連続でマリオさんと一緒に来ており、そのたびに大変お世話になっているので、私は『佐渡のおとうさん』と勝手に呼んでいる。
左から二番目のチョンマゲが宮城マリオさん。右から二番目がおとうさん。
左から二番目のチョンマゲが宮城マリオさん。右から二番目がおとうさん。
おとうさんは宮城マリオさんとだいぶイメージの違う方です。
おとうさんは宮城マリオさんとだいぶイメージの違う方です。
山菜を採りにやってきたのは、住宅地からほんの数分車で走った場所にある、渓流沿いのなだらかな斜面。

たとえ山菜が見つからなくても、歩いているだけでとても気分がいい場所だ。お弁当でも持ってくれば良かった。おにぎりを転がしたら、なにかいいことがありそうな斜面だ。
こんな何気ない斜面にどんな山菜があるのだろうか。
こんな何気ない斜面にどんな山菜があるのだろうか。

次々に現れる山菜の数々

まず最初に教えてもらったのは、アマドコロという、初めて聞く名前の山菜だ。

なんでだろうか、人の名前は全然憶えない私だが、山菜の名前は一発で覚えてしまう。

本当は茎が伸びてくる前が収穫時で、この辺りはちょっと育ちすぎているようだが、なるべく若いのを選んで、ありがたく摘ませていただく。
ミョウガかショウガみたいな姿をしているアマドコロ。
ミョウガかショウガみたいな姿をしているアマドコロ。
初対面のアマドコロを夢中になって採っていると、私でも名前がわかる山菜がひょっこりと現れた。

この独特の彫刻のようなフォルム、ワラビだ。
ワラビってかっこいい。
ワラビってかっこいい。
ワラビは斜面からピョコンピョコンと不規則に顔を出していて、それを見つけて摘むのがとても楽しい。

ここに一本、あそこにも一本と、しみじみと収穫の喜びを噛みしめながら歩き回る。自分で育てる家庭菜園とも違い、純粋に(といっても里山なので人の手が入っている土地なのだが)自然からの恵みなのがすごい。
ちょうどいいカモフラージュ具合が、見つけた時の喜びを倍増させてくれる。
ちょうどいいカモフラージュ具合が、見つけた時の喜びを倍増させてくれる。
そして次に見つけたのが、ゼンマイである。ワラビとの違いがよくわからなかったのだが、フワフワとした綿毛が生えているので、見比べると違いは一目瞭然だ。

その名前通りのグルグルに巻かれた姿に感動。ゼンマイ、本当にゼンマイだ。
佐渡を旅している最中、ゼンマイを干している光景があちこちで見られた。
佐渡を旅している最中、ゼンマイを干している光景があちこちで見られた。

あのコゴミが採り放題!

ここまでですでに満足してしまった感もあるのだが、おとうさんに案内されて、渓流沿いに一段降りていって驚いた。

この時期、ちょっと品揃えのいいスーパーなどでも売っているメジャーな山菜、コゴミがそこらじゅうに生えているのだ。
視界に入る緑が全部コゴミ!全部山菜!
視界に入る緑が全部コゴミ!全部山菜!
あれもこれもそれも全部コゴミ。これが畑なら驚かないが、誰が種を蒔いた訳でもないのにコゴミだらけというのがすごい。

コゴミを摘むたびに、チャリンチャリンというマリオ(宮城マリオじゃない方のマリオ)がコインをとる音が脳内に響き渡る。まさにコゴミのボーナスステージ。これは夢中になる。
全部採ると枯れてしまうので、おいしそうなところを1株から2本くらいだけ採っていく。
全部採ると枯れてしまうので、おいしそうなところを1株から2本くらいだけ採っていく。

花ワサビの花束をゲット

本気を出したらいくらでも採れそうなコゴミだが、旅先なので食べられるだけ摘ませていただき、次のターゲットを求めて、水清らかな川を渡る。

渓流をジャブジャブと歩くのは楽しいのだが、顔の周りにものすごい数の羽虫がまとわりついてくるのが厳しい。これも自然。しかし、その不快感を上回る山菜に対する欲望が足を進ませる。
佐渡は渓流がどこも綺麗でした。
佐渡は渓流がどこも綺麗でした。
次のターゲットは、渓流沿いの湧水が溢れだす場所に自生している、野生のワサビだ。

ワサビは山菜の中でも、個人的に憧れの度合いが強いので、より濃度を増す羽虫の大群の中でも喜びは大きい。
写真には写らないワサビの美しさと羽虫の不快感があるのです。
写真には写らないワサビの美しさと羽虫の不快感があるのです。
ワサビといっても、自生しているものはなかなか根が太くはならないので、地上に出ている花の咲いた茎部分だけを収穫する。花ワサビだ。
憧れていた野生のワサビだ!
憧れていた野生のワサビだ!
ワサビの花束。君はバラより美しい(食べられるから)。
ワサビの花束。君はバラより美しい(食べられるから)。
ついでにもう一種類、素人目にはただの葉っぱにしか見えないアケビの新芽も食べられるそうだ。

どうもおいしそうには見えないけれど、そこらじゅうに生えているので、せっかくなので少しいただいてくことにする。
アケビの木がこれだけあるということは、秋に来たらアケビの実が食べ放題なのだろうか。
アケビの木がこれだけあるということは、秋に来たらアケビの実が食べ放題なのだろうか。
あちらこちらに食べられる山菜が生えているので、興奮のあまりにどの草をみても食べられるような気がしてきた。

これは現代社会に例えると、騙されて高い布団とかイルカの絵を買わされるパターンなので、気を引き締めなおし、おとうさんに確実なものだけを教わって収穫していく。
これとかうまそうなんだけれど、食べたらダメかな。
これとかうまそうなんだけれど、食べたらダメかな。

当たり前だが採れたての山菜はうまい

満面の笑顔で採った山菜は、宮城マリオさんのおかあさんが料理をして晩御飯に出してくれた。

やはり自然の中で採ってきた山菜は、栽培されている野菜とは一味違った独特の個性があり、どれも舌を楽しませてくれる。

二度と食べられないかもしれないこの味を忘れまいと、真剣に味わいながら、お腹がいっぱいになるまでたくさん食べた。
コゴミの天麩羅はクセがまったくなく、いくらでも食べられる。
コゴミの天麩羅はクセがまったくなく、いくらでも食べられる。
おとうさんが作ってくれたコゴミの胡麻和え。シャッキリとした歯ごたえが素敵。
おとうさんが作ってくれたコゴミの胡麻和え。シャッキリとした歯ごたえが素敵。
アマドコロは少し育ちすぎてたため苦みがあったが、それも春の味。ほんのりとした甘さがあってうまい。
アマドコロは少し育ちすぎてたため苦みがあったが、それも春の味。ほんのりとした甘さがあってうまい。
背筋が伸びそうな程よい辛さの花ワサビ。羽虫と戦いながら収穫した甲斐があった。
背筋が伸びそうな程よい辛さの花ワサビ。羽虫と戦いながら収穫した甲斐があった。
アケビの新芽がシャキシャキして想像以上においしかった。これ、もっと食べたい。
アケビの新芽がシャキシャキして想像以上においしかった。これ、もっと食べたい。
こんなにおいしい山菜の数々だが、この時期に佐渡で採れる山菜はこれだけではないらしい。

ほろ酔いかげんのおとうさんから、今日と別の場所にいけば、また違った山菜を採ることができるという話を聞き、翌々日に再度山菜採りへと連れて行ってもらう約束をした。

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